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真の意味でDXを推進したいマガジン

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真の意味でDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進したいと思っています。DXを推進するような記事を投稿していきます。
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記事一覧

産業用メタバースについて解説 ~ 二つの方向性

はじめに私は、製造DX(工場DX)の仕事をずっとしてきて、2024年現在はそのような仕事を直接はしていませんが、たまにアドバイザーとして回答することはあります。 その際に、よくテーマとなるものの一つに「産業用メタバース(産業向けメタバース)」があります。 ところで、本文中には とも書かれています。これらの違いを改めて考えていきましょう。 前提知識産業用メタバースや工場内デジタルツインについては、昨年も一度考察しました。 その時の整理としては 「デジタルツイン」や「

DX人材がレア人材なら、DX+GX人材になれれば「スーパーレア人材」になれるのでは

はじめにDX人材(デジタル人材)は世の中に不足しており、すでに企業間では血みどろの争奪戦が繰り広げられているのは周知のとおりですが、では「その次」は何でしょうか? どうも DXに続く次のバズワードがどうも「GX」らしい ので、本日は「GX人材」について考えてみます。 GX人材のニーズまずは、こちらの記事をご覧ください。 2023年度の転職市場を見てもGX人材ニーズがとても高まっているようです。 GXとDXはセット(になりつつある)「GはグリーンのG」なので、 GX

「言語化しにくいこと」の言語化に取り組むことの大事さ

はじめに以下の本が紹介されていたので、早速買ってみました。 読み進めておりますが、これがなかなか面白い。ウチの娘に提供しよう。 ところで、そういえば #積読 になっていた本もたくさんあったなぁと思い、これを機に読んでみることにしました。 今回の本中身については、実はどちらも筆者のブログがあるのでそちらを読んでいただいた方がよいでしょう。 所感あらきっぺさんは、以前の著書でも「クリップ」や「種駒」といった、 「あー、それそれ」といった概念を言語化+図示するスキルに長け

DXで「コスト」を削減(できない)

はじめに「DXでコストダウンを実現した!」とか「多くの企業ではまだまだDXによるコストダウンが進まない!」などと言われることが多々あります。しかし、 そもそも「ダウン」させる「コスト」とは何か? の定義をあまり見たことがありませんでした。この定義がないと、なぜ「DXによるコスト削減が進まないのか?」を考えるのが難しいと感じました。今回はそのあたりについて考えていきます。 (復習)「DXでコストダウン」についてここで改めて「DXでコストダウン」という言葉について振り返って

「ビジネスデザイナー」という職種

はじめに前回は「データエンジニア」という職種について書きました。おかげさまで多くの方にイイネをいただけました。ありがとうございます。 実はもう一つ気になっている職種があります。それは「ビジネスデザイナー」という職種です。今回は、ビジネスデザイナーについて書いていきます。 DX白書における「ビジネスデザイナー」このビジネスデザイナーという言葉はいろいろなところで見ることができますが、たとえばIPAが発行しているDX白書の中では以下のように書かれています。 ここでは「デジタ

「データエンジニア」という職種

はじめに以下のような記事がありました。 こんなことを書かれると 「おっ、ええやん。転職しようかな」 という声も聞こえてきそうですが、今回はこのデータエンジニアについて改めて整理していきます。 デジタルスキル標準における「データエンジニア」ちなみに、IPAのデジタルスキル標準にもデータエンジニアというロールが規定されています。 有料部分に詳細の解説文を書きましたが、要するにバックエンドシステム開発やクラウドインフラ活用などのスキルを持ち、ソフトウェア・システム構築の実

「守りのDX」とか「攻めのDX」とかって誰が言い出したのか

はじめに仕事の中で、表題のような会話が出てきて、そういえばよく知らないなと思ったので調べてみました。 検索してみる検索していくつかの記事を読んでみたのですが、いくつものサイトから参照されているのが、NTTデータ経営研究所のサイトでした。 これは2019年8月20日のプレスリリースだそうですが、この時点ではDXレポート1(※)しか発行されていない状況です。(※ 正式には1というナンバリングはありませんが、のちに発行されるDXレポート2と分けるため、便宜的にそう呼ぶことにしま

V字モデルでビジネスの仮説検証を説明

はじめに以前、V字モデルについて記事を書きました。 私は、ITにあまり詳しくない人とシステム開発をするときは、このV字モデルを使って会話することが多いです。その理由は 何か仕様を考える時には、それと対になる検証が必要になる ということを図で示すことができるからなのですが、ただよく見られるV字モデルの図だと、左上の起点が「(ITシステムに対する)要求分析」だったりするところから始まることが多いです。 とはいえ、そもそもビジネス課題を解決したい場合に、ITを使わなければな

製造業におけるCTOとCDOの違い?

はじめにある日、当社のなかで「当社では、デジタル推進を進めるためのCTOが必要ですよね」という会話が出ました。その時に、 どうも人によって、CTOやCDOのイメージが違うらしい ということに気づきました。今回はそのあたりについて書いていきます。 調べてみよう東大IPCに書いてありました。すごくわかりやすい。 CTO=その会社における「技術」の長CTOはあくまで「その企業における技術の長(おさ)」というイメージがあります。そのため、たとえば製造業の場合、 機械を作って

腐らない、不変に使えるITの知識のことを「銀の弾丸」と呼ぶ

はじめによく、DX人材育成の話をしていると DXの知識を社内でDB化して、誰でも見られるようにしたらよいのでは? みたいなことを言う人が出てきます。アレって何なんでしょうか? 今回はそんなことについて考えていきます。 銀の弾丸(などない)銀の弾丸(などない)という言葉をご存じでしょうか? ソフトウェアの開発を、見様見真似ではなく、工学(engineering)として学んできた人なら一度はどこかで触れた単語ではないでしょうか。 ただしこれは正確に言うと年数だけの問題は

DX人材を考えるうえで最も重要なこと

はじめに皆さんは、「DX白書」というドキュメントをご存じでしょうか? このサイトでは、IPA・経済産業省が発行した「デジタルスキル標準」を読みながら「データサイエンティスト」の定義を解説してきましたが 今回は「DX白書」を読みながら、DX人材・デジタル人材について考えていきます。 DX人材を考えるうえで最も重要な取組みDX白書では「DXを推進する人材」を以下のように定義しています。 そして、そのような人材に関する取組として最も重要なのは「人材像の設定・周知」と書かれて

プログラミング初心者に「プログラム(コード)」を説明するには、どうするのがよいのか?を考える

はじめに以下のような記事がありました。 表題の通りなのですが、今回は技術的にどうというより プログラミング初心者には、どうすればすんなりわかってもらえるか? という点でを考えていきます。 例題:「Pythonを使って.webpフォーマットの画像をPNG画像に変換するやりかた」を説明したい件以下の記事にあった題材としてみます。 こういうのは そもそもネットに車輪の再開発されまくっているネタ のはずで、検索してみると、やはりPythonを使ってPDFデータをPNG画

4年ぶりにリアルCEATECに行くので「2019年のCEATEC」を書いておく

はじめに2023/10/17(火)~10/20(金)にCEATEC 2023が開催されます。 こちらの記事にあるように、4年ぶりに全面リアル会場となるそうで、そういえば前回行ったのが2019年だったことを思い出したので、ここでメモしておきます。 最近のCEATEC=CPS・IoTの展示会CEATECについては、Wikipediaをご参照。 このように、最近ではCEATEC=CPSやIoTの展示会という印象が強いです。 2019年は「製造業」がいなくなっていた 元々が家

デジタルスキルは「小学生から獲得すべき」だが、一度やったら終わりという話ではないという話

はじめにTOP画像は、我が家の小学4年生が現在利用している学習ドリルです。いまや 「データ活用」や「プログラミング」は小学生から学ばないといけない ということなのでしょうか? 結論から言えば、私はこれらの知識を小学生から身に着けるべきだと思っております。一方で、 小学生で学んだ知識・スキルで一生食っていけるわけではない ということも念頭に置く必要があります。 今回は、デジタルスキルとは何か?や「いつから学ぶべきか?」という点に注目して書いていきます。 「データサ