これからは誰でもプログラマ。だが、コーディングは不要。
はじめに
ここ一ヶ月で、ChatGPTのニュースを見ることが非常に増えてきました。
私も、ChatGPTにプログラミングをさせ、その応対が人間っぽいと感じた次第です。
ところで、上の記事でも書きましたが、現状は品質を無視すれば、とりあえず動くコードは書いてもらえるという状態です。今後、この品質はさらに向上するでしょう。その際、人間は「プログラミング」に関して何をすることになるのでしょうか? 今回はそのあたりについて考えていきます。
プログラマは将来コードを書かなくなる
まずは、以下の記事をご覧ください。
こちらは、自動運転などでおなじみのテスラ社のAI部門長のブログについて紹介している記事なのですが、その中で
と主張しているとのことです。これは本当なのでしょうか?
そもそも「プログラミング」と「コードを書く」ことは別
ところで、普段プログラムを書かない人が「プログラミング」というフレーズを聞いたら、どんなことを想像するでしょうか? きっと英語のような指示句と記号を、独自のルールで記述していく、以下のような作業を想像するのではないかと思っています。
確かに、これはプログラミングと呼ばれる作業の一部ではありますが、狭義には「コーディング」と呼ばれるものです。
「コード」を書かない環境に触れてみる
このように、プログラミングとは、コーディング以外にも、プログラム(アプリ)の設計やテストなども含むわけですが、いまやコーディング不要でプログラミングを行うための環境がたくさん出てきています。たとえば、DX人材育成の展示会に行けば、ノーコード/ローコード開発環境を提案しているところはたくさんあります。
また、いまや小学生に対しても「プログラミング教育」が行われておりますが、Scratch(スクラッチ)というノーコード環境が利用されています。
これらの環境では、もはや先に示したような
英語と記号が混じったような「コード」を書く必要はない
のです。
大事なことは、まずこれらの環境に触れてみて、
コーディングなしにプログラミング体験をして、実感を得る
ことではないでしょうか? 一度体験するだけで、イメージで語ることなく、自分自身の言葉でそれらが語れるようになり、さらに業務への活用のイメージがグンと増すようになること請け合いです。
おわりに ~ 仕事で使うなら、ヘタにコーディングは経験しない方がいい?
ちなみに、最近では自社内でDX人材育成の研修を行う企業も増えてきております。その中で、たとえばPythonというプログラミング言語を使って、コーディング研修を行うところがあるようです。しかし、コーディングを行ったことがない人にとって「プログラミング言語=難しい」という思い込みは思いのほか強いようで、下手にコーディング研修を行っても、
コードが書けるようになるどころか、逆に「トラウマ」になる可能性
すらあるようです。
ここまで書いてきたように、本来のプログラミングに必要な能力はコーディングだけではありません。下手にトラウマを植え付けるくらいなら、昨年から大流行しているChatGPTやお絵描きAI、あるいはノーコード環境を使って「こちらが望む形を得られるように指示できる日本語能力」や「適切なインプットデータを用意する能力」を鍛えた方がよっぽど有意義ではないでしょうか?
上記の仕組みを利用するために「コーディング」の能力は必要ありません。必要なのは、「コミュニケーション能力」や、データを集めて整理できる「キュレーションの能力」です。そして、もっと重要なのは
想定していたアウトプットと違う時に素早く修正して再実行できる能力
です。よって、コーディングの研修をするくらいなら、これらの能力こそが「Software 2.0時代のプログラミング能力」として求められる力なのだと感じます。是非、このような能力を伸ばしていきましょう!
(おわり)