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不自然な対話

僕は「対話」を仕事にしているので、コーチング業界やカウンセリング業界についてもアンテナを高くして情報を見たりしているのですが、そのなかでよく「不自然な対話」になってしまっているケースをよくみます。

例えばこんな感じのやり取りです。


コーチ:ありのままの自分で生きられている状態と、自分に嘘をついて誤魔化している状態と、どっちがいいんですか?

クライアント:それは、ありのままの自分で生きられている状態です。

コーチ:ですよね?だったらその道に行きましょうよ!あなたなら出来ますよ!

クライアント:そうですね、今日からありのままの自分で生きられるための選択をしていきたいと思います!

コーチ:いやぁ、いいですね!どんどん変わってきましたね!

クライアント:コーチのおかげです、ありがとうございます!


文字にすると「そんなことあるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、僕はこの類のやり取りを本当にたくさん見てきました。

ここでの問題点はいろいろありますが、ひとつ取り上げるなら、冒頭のコーチの質問です。

これは明らかに前者を選んだほうがいいという空気感をまとっているので、クライアント側としては「ありのままの自分で生きられている状態です」と言うしかありません。

(もしここで「そんなふうに質問されたら実質一択しかないじゃないですか!」と言い返せるクライアントであれば、すでに悩みの渦中からは一歩外に出てると言えます)


さらに言えば、2択に絞って選ばせるという質問自体がクライアントの思考停止を招き、コーチ側の正解を押し付けるような構造になってしまっているのです。

今回の例はあくまで氷山の一角ですが、こういう「不自然な対話」はいたるところに転がっている、そのように強く感じます。

僕はいつもカフェで仕事をしているので、サポートをいただいたら、普段は頼めないちょっとお高めのドリンク頼んじゃいまーっす✌︎( ̄▽ ̄✌︎)