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読書録「政治はケンカだ!明石市長の12年」

前明石市長の泉房穂さんの考え方には大いに共感するものがあります。
今回、大きく2つの学びがありました。

Must,Better,May,Don't

仕事にはMust(絶対にしなければならない)、Better(したほうがいい)、May(してもしなくてもいい)、Don't(してはいけない)があると。この部分は行政運営を中心に述べておられるわけですが、私の、そして保育現場の仕事にも大いに参考になるフレーズだと思います。
組織やそのメンバーができる仕事の総量には限界があります。また、いつもいつも限界までは働けません。
当然、仕事ですからMustはあります。しかし、BetterとMayの取り扱いが問題です。著者はMayは「やらない」と決めていたそうです。
この発想はすごく大事で、特に惰性や慣習・慣例で行っているMayの仕事を切り捨てることで、Mustにお金も労力も集中させることができ、Mustの仕事の質を上げることに繋がるのではないかと思うのです。

どちらを向いて仕事をするのか

組織人は組織の上と下、つまり大学教員である私に当てはめればは経営陣を見るのか、学生を見るのかということになります。保育園では園長等の経営陣を見るのか、子ども・保護者の利益を最優先にするのか、ということです。組織人はその間に時に苦しみ、時にぶつかることもあるでしょう。
著者は官僚と市民、役所と市民の間に立った時、躊躇わずに市民の立場に立ちました。
これは大いに見習うべきです。
私の場合は経営陣が学生ファーストで考えてくださるので、どちらかというと経営陣よりもプライドや保身に固執する人との間に立つことが多いのですが、結局は「誰の利益のために自分の力を使うのか」ってことが大事なのだろうと思います。


まとめ

著者が首長を務めた兵庫県明石市は、私の専門分野である保育政策や子育て支援で今最も注目されている自治体と言ってもいいでしょう。ぜひ一度行ってみたいと思います。そして著者が作り上げ、なおその姿勢が引き継がれた明石をこの目で見たいと思いました。
以前、新大阪駅で「明石焼き」を食べたあとに乗ったタクシーの運転手さんに「にいちゃん、そらニセモンや。明石焼きは明石で食べな」と言われたことを思い出しました(笑)。
いつか必ず、明石に行ってみます。

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