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【歌詞解釈】小松未歩の『さいごの砦』を本気出して人生の最終決戦《クエスト》に変換してみた

毎月恒例、考察という域を超えて妄想をお届けするシリーズの第三弾。
小松未歩の1曲だけで一時間話すというラジオ企画の一環として執筆する、下書きというかカンペとなります。

小松未歩暗黒期(とは勝手に私が呼んでいるだけですが)、
つまるところ暗い曲の多い中期の楽曲にしては明るめの曲調で、
初期の爽やか小松が味わえる作品ではないでしょうか。

アップテンポで聴きやすく、
歌詞も不穏な単語をバネにハッピーエンドへ向かいます

個人的にも好きなシングルトップ3に入るくらいお気に入りの曲ですね。

このちょろんとツインテールな小松未歩が超かわいい!


「さいごのとりで」という単語で連想すること

さて、皆さんは己の人生の中で
「最後の砦」という単語を発したことはあるでしょうか。

もしもあなたが30-40代の男性であれば口にしている可能性は高いです。

そう、ファミリーコンピュータの【スーパーマリオブラザーズ】。
クッパとの最終決戦にある建物を「最後の砦」と呼んでいませんでしたか?

ドッスンやテレサが行く手を阻む中、最愛のピーチ姫を救出するために
ファイヤボールやマントを駆使し、時にはヨッシーを置き去りにしてまで
その任務を遂行しようとしたはずです。


リアル人生に於いてそれに相等する困難とは――

私は結婚がそうであると仮定しました。
喧嘩して泣いた日もあるでしょう。
あの人はやめておきなよと諭されたこともあるでしょう。
数多の障害が立ちふさがり諦めかけたこともあるでしょう。

それらを乗り越えてたどり着いた先にあるのは……

今回はそれを踏まえた上で妄想を膨らませていきます


結婚式場はまさに、僕が見てた「さいごの砦」だ

君にすべての愛を捧げたいのに
なぜか空回りばかりのこの気持ち

気合が入りすぎているのか、
許容できない何か引っかかる部分でもあるのか
恋愛には自分でもよくわからないモヤモヤを感じるものです。

初めて行く店に、
予約はしたものの緊張で道のりが曖昧になりまっすぐ辿り着けなかったり
伝えたい心が先行しすぎて会話がぎこちなくなってしまったり
些末な問題と切り捨てられない体験は誰にでもあると思います。

一度失いかけた関係だから
怖いものなんて無いのに不安がつきまとう

それらが高じてこのカップルは一度距離が空いてしまった関係だと
ここでは説明されています。
具体的な例は先程の歌い出しで匂わせているのみですが
倦怠期だったり何だったりで弱火になった時期があったのでしょうね。

それを乗り越えたあとでも、むしろ
だからこそ慎重になっている部分もあるのかも知れません。

自信がみなぎるその笑顔
道行く誰もが振り返る

どうやら想い人は笑顔が素敵な方のようです。
自分の好きな人だから、ひときわ輝いて見えるのですよね。

実際はそんなに通行人が振り返るほどの人はそうそういないので
さっそく不安が評価を誇張させていることに気づいてないほど
盲目的になっているのがここで伺えます。

何の前触れもなく
急に顔を見せて「元気?」だなんて

「一度失いかけた」なんて言ってるわけですから
少し疎遠にでもなっていたのでしょうか。

もちろん顔なじみなわけですから
相手にとっては挨拶するのは当然の心理です。

でもそれが逆に、モヤモヤしてたのはこっちだけなのかしら
と不安を煽られたとよくわかるのが、続くサビの一文です。

君と向き合うことに自信が持てない
すべてを知りたくなるけど…嘘でいい

この会わなかった期間はどう過ごしてたの?
変わらず元気にしてたのかな?
何かあってそのかけがえに私に声をかけたのかな?
知りたいけどもしそうなら知りたくない。
複雑な乙女心です。

しゃがみ込んで泣いてたあの夏の日が
今も苦い記憶として行動を鈍らす

これは二通りの解釈ができますよね。
"僕"がしゃがみこんでたならば、フラッシュバックして慄いていますし
"君"がしゃがみこんでいた過去を知っているという意味では
また何か悩みがあって私に話しかけてきたのかな、心配だな、
そんな君に私は何をできるんだろう、という葛藤ともとれます。

愛する気持ちにルールはない
価値観さえ変える甘いキス

そんな逡巡をふっとばして交わした口づけ
情愛が理性を凌駕して、胸の奥の奥で温めてた心が顔を出します↓

もう二度と離さないから
思わず突いて出た本音が響く

ここは正直変換ミスだと思うんですが(口をく、が正しい語法)
突かれて押し出されたと解釈すれば
それはまた物理的な意味合いが付加され想像しやすいですね。

君の描く未来に参加したくて
幼く未熟な心にムチを打つ

自分の口から思わず吐き出たのが本音なんだと再認識した主人公は
その勢いを信じて走り抜けることを決心します。

最後Bダッシュで突っ走り
旗の最上位を目指してジャンプするあの気持ち
です。

これまで抱えていた不安はわがままだったり
独占欲みたいな気がしていたりで子供っぽかったかもしれない。
心に喝を!心に"活"を!

きらめく大都会の隅っこでいつか
拍手の渦に巻かれてる姿があるように

ここがこの曲の肝だと思っています
ここをどう解釈するかによって
全体像も変わってくるのではないでしょうか。

私はずばり結婚式場で友人知人らに囲まれている景色が浮かびました

そうなりますように。
=つまり、君と結ばれますように。
それが「もう二度と離さないから」の最上級の祈り。

僕が心許した この世でたった一人の人

ほら、「たった一人」です。
恋は何度か訪れるでしょう。
そのうちで愛してるとも何度か口にしているでしょう。
しかし、この世でたった一人のポジションとなると
運命の人、結婚相手しか居ないわけです。
バツイチ以上はここでは無視します。普通は一人なのです。

ゼロから始めようよ 新しい場所で
少しの空白もきっと必要だった

ほら、新居で二人だけの暮らしを望んでもいますよ
ただの同居や同棲では済ませない、絵に描いたような新婚生活を。

平坦ではなかった恋愛期間を経て、
少し疎遠になっても消えなかった恋心を確信できて
やっと辿り着いた感情。
遠回りだったかもしれないけど、それが決定打になったんだって。

共に過ごした時間はまだ短いけど
分かる。ここは僕が見てたさいごの砦だと

人生80年。まだまだ二人で紡げられる時間はこれからも続いていく。
末永くよろしくね。
相手方の両親への挨拶も最大の試練だったかもね。
そうして見上げた先には、高くて大きく聳える結婚式場さいごの砦が。

~めでたしめでたし~


『この街で君と暮らしたい』のアンサーソング説

余談ですが
小松未歩でもう一つ結婚を連想させる楽曲があります。
それがFIELD OF VIEWへ提供した『この街で君と暮らしたい』。

この台詞、求婚の際にしか使わなくないですか?
割とけっこう大事な友人に言われても、
「街くらいは別々でかまへんわ」と返して終わりです。

そして『この街で君と暮らしたい』の主人公、だいぶ人生設計が甘いです。
何か夢を追いかけている"君"を応援するのが"僕"の夢だとほざいています。
軽いですね。
ただ屈託ない笑顔で言ってるんだろうなというのが想像できます。

そりゃあ彼女だって不安で悩みますわ。
ほんとにカッコついてないですよ。
理屈でも語れてないわけですし。

眩しい午後の日差す頃なので、
まさにこの曲のちょっと後くらいが「あの夏の日」にあたりそうですし。
彼のことがわからない、としゃがみこんでいたのでしょうか。

そんな関係に不安が残り距離を置いてみた、
でも君は何でもない顔して「元気?」なんて声をかけてきた、
そんな笑顔を見て悩んでることが馬鹿らしくなった
極端な言い方すると、吹っ切れた

そんな感じで二人は結ばれたんじゃないかなぁと妄想しています。

二人の価値観は二人にしかわかりませんし、
それはきっと理屈ではないのでしょう。

お幸せに。


Afterword

というわけで今週末にあるテーマのたたき台でした。

……まぁ、
インタビュー等でこれとはぜんぜん違うコト言ってるのを読んだので
盛大に読み違っているんですけどね。
おおよそ長戸大幸さんへのこんちくしょーソングの一つです。

いいんです。最初に「妄想だ」って言ってるじゃない。笑


ラジオがどういう展開になるかは品川さんに依るところが大きいのですが
自分なりの意見としてこちらをここに残しておきます。

もしよろしければ4/22の22:22からの放送を聞きに来てみてくださいませ。


次回の更新は4/20(水)になります。

下書きが結構溜まってきてるからどれから消化しようかな……
思いつきでエッセイするかもですが。

よしなに。




最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!