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日本人らしさを取り戻す


ずっと積読していた、
「逝きし世の面影」という本を読み始めています。


「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、人間の生存をできうる限り気持のよいものにしようとする合意とそれにもとづく工夫によって成り立っていたという事実だ」近代に物された、異邦人によるあまたの文献を渉猟し、それからの日本が失ってきたものの意味を根底から問うた大冊。1999年度和辻哲郎文化賞受賞。



江戸時代に日本を訪れた外国人による、
日本人に関する記述がまとめられています。


これを読むと、
今の日本人とは全然違う民族のように感じられます。


「この民族は笑い上戸で心の底まで陽気である」

「日本人ほど愉快になり易い人種は殆どあるまい。良いにせよ悪いにせよ、どんな冗談でも笑いこける。そして子供のように、笑い始めたとなると、理由もなく笑い続けるのである」

「私は日本が子供の天国であることをくりかえさざるを得ない。世界中で日本ほど、子供が親切に取り扱われ、そして子供のために深い注意が払われる国はない。ニコニコしている所から判断すると、子供達は朝から晩まで幸福であるらしい。」

「彼らにそそがれる愛情は、ただただ温かさと平和で彼らを包みこみ、その性格の悪いところを抑え、あらゆる良いところを伸ばすように思われます。日本の子供はけっしておびえから嘘を言ったり、過ちを隠したりはしません。青天白日のごとく、嬉しいことも悲しいことも隠さず父や母に話し、一緒に喜んだり癒してもらったりするのです」

「日本人は至って快活な気風を持っている。私は親しい日本人達が暗い顔をしているのを見たことは一度もない。彼らは面白い話がすきで、よく冗談をいう。労働者は何かする時には必ず歌を歌う。またたとえば艪をこぐとか、重い荷をあげるとか云ったような歌の調子に乗る仕事なら、皆が歌うのである」

引用:「逝きし世の面影」



異常に自己肯定感の高い民族が、ここにはいます。


おそらく、本来の日本人はこうだったんだと思われます。



明治維新や、戦後の占領政策を経て、
「日本人らしさ」を忘れ、自己肯定感が下がってしまったのではないかと考えられます。



江戸時代の日本人は、
鎖国という守られた中で、「日本人らしさ」を保っていました。



今の日本人は、アメリカや中国などの外圧のある中、「日本人らしさ」を取り戻し、発揮する、
という、よりレベルの高いことを求められているのかもしれません。



ちょっと違うかもしれませんが、
悪魔の誘惑にも惑わされないブッダ、のようなイメージかもしれません。


もしくは、
屈強なディフェンダーに囲まれても力を発揮するメッシ、のようなイメージかもしれません。



もしかしたら、明治維新から続くこれまでの歴史は、
そこへと向かうプロセスなのかもしれません。



確かに、万葉集からとった「令和」という元号、幼少期から登山を愛している今上天皇、など、
どこか「日本らしさ」を取り戻す流れもあるように感じられます。



であるなら、
そのような「日本人らしさ」「日本らしさ」を取り戻し、より輝かせる流れへと、貢献していけたら、と思うのでした。


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