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エッセイ 12 クロスバイクからロードバイクへ乗り換えるのでしょうか?

最近自転車に乗り始めました。

クロスバイクというスポーツタイプの自転車です。
ママチャリやシティサイクルよりも少し早く走れる自転車です。
スポーツタイプの自転車には、他にも種類がありロードバイクやマウンテンバイクなどが有名で聞いたこともある方は多いと思います。

これまでママチャリにしか乗ったことのない私が、初めてクロスバイクに乗ってみると、自転車とは思えない乗り心地とスピードに楽しさを感じました。

自転車については何もわからないのでいろいろ調べてみると、クロスバイクを乗っている人がしばらくした後に行きつく先は、ロードバイクらしいです。すべての人がそうではないのでしょうが、私の進む先にはそのような道があるように感じました。

ロードバイクというのは、公道をとんでもないスピードで、とんでもない距離を走れる人動自転車のことです。
クロスバイクに乗り始めて自転車の世界に飛び込んだばかりの私は、この先どうなるのでしょうか。そのうち「ロードバイクに乗りた~い!」と思うようになるのでしょうか?


早いものはカッコいい

ロードバイクは、舗装路を早く長く走ることが得意な自転車のようです。

男の子は早いものは大好きです。子どもの頃の小学生でのかけっこでは一等賞になりたいものです。車に乗るようになれば早い車にあこがれるものです。「早い=かっこいい」と単純に思ってしまう部分があります。早いものは楽しいということもありますが「カッコいい」を欲しがってしまう部分は大きいと思います。(単純ですから)

クロスバイクに乗り始めた私は、そのスピードに楽しさを感じ、さらには自分はカッコよくなったのではと勘違いをしてしまっています。それでも一人で乗っている限りは幸せな時間を過ごせています。

しかし、公道でクロスバイクを快適に走らせていると、一瞬のうちに後ろから走ってきたロードバイクに抜き去られることがよくあります。その時の私は決してゆっくり走っているわけではありません。これまででは考えられないほどのスピードは出しているつもりなのにです。

抜いていったロードバイクは、どんな人なのかその様子を観察することさえできないうちに視界から消えていきます。「なんだあれは?」です。
「早いものはカッコいい」という単純な思考からあこがれの想いが湧いてきます。

しかし、ただロードバイクに乗れば早く走れ(カッコよくなれ)るとは思えません。さらにやっかいなことに、ロードバイクは値段が高いのです。

通常の自転車に対する金銭感覚とは大きく異なり、安いものでも10万円ほどはします。ハッキリ言って手が出せません。
自転車初心者の私には、その価格の価値すら理解できていません。
自転車に30万円といわれても、なにを冗談を。という気持ちです。


高価な道具

私は小さなころから釣りもやっているのですが、釣りの世界にも高価な道具というものがあります。数万円や10万円を超える釣り竿やリールはざらにあります。

たしかに安すぎるものは、使いにくくすぐに壊れてしまいます。しかし、そこから少しだけ良いもので価格も高すぎない程度の、エントリーモデルというものもあり、私はそれらを好んで使っています。
値段はそれほど高くなく、使い勝手も十分なレベルです。ただしもちろんですが、ハイエンドモデルに比べると性能ではぐんと落ちてしまいます。

釣りの場合、使っている道具が何であれ、お魚さんを釣り上げてしまえば、それが正解となります。様々な条件が重なりさえすれば、隣にいる高級な道具で身を固めている方々よりも結果を出すことが出来ます。もちろん道具の差によってどうしても打ち手の無い場合もありますが、ある程度は釣り人次第でなんとかなります。

値段の高いものはたしかに質が良いものですが、その良さを理解し使いこなすためには、その使い手にもそれ相応のレベルが必要です。初心者が良いものを手にしたところで、その性能を感じることはできません。


自転車の正解

ところで自転車の中での正解というものは何なのでしょう?スピードなのかフィーリングなのか走破性なのか。求めるものによって異なってしまいます。
しかし、今回ここでのお話は「早い=カッコいい」という単純かつ大きなテーマのもとで進めていきたいので、自転車での正解は速さ、ということにしておきます。
乗り手次第でハイエンドモデルにスピードで対抗できるのでしょうか?

同じ能力の乗り手が、クロスバイクとロードバイクに乗った場合、早いのはロードバイクだと思います。この答えを読み解くと、同じ乗り手でないのであれば逆転も可能だと捉えることも出来そうです。
頑張ればクロスバイクでもロードバイクと同等の走りが出来る。ということです。

早く遠くまで進むことを目的として作られたロードバイクは、相応の造りがなされているため、スピードを正解とするのであれば有利に違いないです。しかし、クロスバイクでも、人の力でその不利な部分を埋めて追いつくことができるかもしれないということです。
そういうことであれば、それほど単純な話ではないのでしょうが、人の力を鍛えていけばよいのではと思えます。自転車に詳しい方に聞いても、スピードはエンジン(乗り手)次第とよく言われます。

しかしいくら頑張ったとしても、スピードが正解とするのなら、正解は「ロードバイク」でしょうね。


それぞれの正解

おそらく自転車の正解は他の部分にあるのでしょう。趣味の世界なので当たり前なのですが、楽しければ正解です。人それぞれに正解があるはずです。

ママチャリなどと比べると決して安いものではないのですが、クロスバイクの値段はロードバイクに比べると低く抑えられていることも大事なところです。手を出しやすい道具で、その世界の楽しみをカリカリと少しずつ削り取りながら味わっていくことが、私の中の正解のような気がします。

長年続けている釣りでも高価な道具を使うことは稀なことです。以前に知人から立派なリールをいただいてありがたく使用していたことはありますが、その後自分で購入するときには、やはりエントリーモデルを選んでいます。

安価で手軽な道具で、レベルは違えど同じ種類の楽しみを得られるのならそれで満足です。お安く体験できたという喜びもプラスです。


と、いいつつ自転車の世界を見ていると、クロスバイクとロードバイクなどは同じ自転車なのですが違うジャンルのようです。グラベルロードやミニベロなどというよくわからないものまであります。

アジ釣りのような小物釣りで使う道具と、ハマチを狙う道具はやはり違うもので、私はどちらも使用しています。さらにイカ釣り用、シーバス用など、狙う対象で多くの道具を持っています。

自転車でも「クロスバイクからロードバイクに」ではなく、「求める楽しみによって、クロスバイクも、ロードバイクも、グラベルロードも」となるのではないかと少し恐れています(笑)

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