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アナタの言う「世界」ってどこまでを指しているのか

やっと落ち着いたんで久々更新。

世間的には地味だけど(なんせ何のタイアップもないので…拗ねてんじゃないよ、どメジャーじゃない限り普通に新曲を作って普通にリリースすると世間の情報量の多さにかき消されがちになってしまうので)、GALLOWの新曲とスターベムズの新曲を連続リリースしたので、怒涛のリリース活動真っ只中…コロナ禍においては新曲音源を出せるだけでもありがたいことだと痛感中。

※ガロウの新曲はまだサブスク等に入ってないので、こちらでチラ聴きどぞ


前回の投稿でTwitter(及び文化的な指向性)が分断し始めてる、あるいはとっくにパックリ別れてる的な投稿をしたんだけど、音楽を通じても世界の分断を感じる今日この頃…コツコツ作ってもなっかなか聴いてもらえない上に(そもそもタイアップなど付加価値が付いてないと聴いてくれないライト層なリスナーが世間の大多数なのよね)、せっかく聴いてくれても「ガロウのどこがネオアコなの?」「スターベムズはパンクだって言ってたのに?」みたいに、こちらの意図を全然理解してもらえない人がちょいちょいいるのよねぇ…こちらの伝え方が足りないんだろうから責めるつもりはないんだけど、最近は音楽雑誌も減り、ただでさえ少ない枠に入ってインタビューが掲載されることも稀になってきて説明をする機会もレアになってきたので、補足的な文章をば(っつか普通にSNSを追ってくれれば理解してもらえると思うんだけど、応援してるバンドやアーティストが増えてくると、一つ一つフォローしきれないのが現状かつ、逆にネットの弱点なのかもね…情報量の精査が下手になっちゃうというか)。


「ネオ・アコースティック」通称「ネオアコ」は、80年代にUKを中心としたミュージシャン達が、パターン化された初期パンクに辟易として(要は「誰でもラウドなギターでがなって歌ってりゃパンクだろ」みたいな風潮は逆にパンクな姿勢じゃねえだろと…そもそも不況や人種問題で社会的な弱者になってしまっている人々から発生した音楽なのに、勝ち組や流行に合わせてどうするんだ的な考え方…日本だとメロコアや青春パンクなんかも似たような轍にハマってしまってたかもね)、当時ニッチだった50's〜60'sにかけてのソウル/R&Bに再注目して換骨奪胎、新たなダンス・ミュージックとして再構築したもの、ってのがネオアコの定義。ざっくりだけどね。基本的にはクラブやライブベニューで(ライブできる会場の事ね、機材やステージがあるバーやパブ。海外にはライブハウスって概念はあまりないので)踊る時に「どれだけ唯一無二でクールな音楽を奏でられるか」がポイントだったのよね。

パンクも然りで、70年代中盤にハードロックとプログレが盛り上がって、10分以上のジャム・セッションを延々とスタジアムで演奏してるビッグBAND達の姿勢が「なんか小難しい事しててROCKとしては退屈じゃね?」ってところと、前述した通り不況により失職した若者や、戦前からの奴隷貿易などで連れてこられたのに人種差別で不当な扱いを受けてた人々が、ロックンロールをもう一度自分達の手に取り戻そうとしたムーブメントね、メチャざっくりな説明で申し訳ないけど。

ネオアコにせよパンクにせよ、形骸化に対する反発、自分自身のための表現、売れるからやるんじゃなくて自分のために自分の好きな音楽をプレイするっていう美徳に貫かれてて、尚且つ過去の音楽を参照しながらも自分独自の物に解釈できる自由さが魅力…俺も小さい頃から人と同じ事やらされるのが退屈でしょうがなかったのよね…誰かが出来るなら俺じゃなくていいんじゃない?みたいに(もちろん協調性も大事なので学校行事とかはちゃんとやったけど)。


ガロウは今のダンス・ミュージックとしてのネオアコ、スターベムズはモッシュもダイブも出来ない世相に対するメッセージ性のパンク、としてあの音を選んでる。「受けるかな?」とか「売れるかな?」とか「アナタに気に入ってもらえるかな?」じゃなくてね…もちろん受けたり売れたり気に入ってもらえりゃ嬉しいけど、そのために自分が無理するんじゃなくて、自分の中の「今聴きたい、今やりたい音」を鳴らした結果なのよね。スターベムズの新曲告知ツイートで繰り返してた文章もそう言う意味ね…「If the world still won't let us mosh & dance, We won't let the world mosh & dance...もし世界がまだ俺たちにモッシュもダンスも許さないのなら、俺たちも世界にモッシュもダンスもさせない(音を鳴らす)」説明しちゃうと野暮だけど、言わなきゃ分かんないバカも多いし、これが通じないならもう聴かなくても全然構わないんだけどねぇ…演者もリスナーもお互い無理しない方が良いもん。無理して聴いてもらっても嬉しくないし、文句なく聴けるアーティストを探す方が建設的よね、全然(嫌味とかじゃなく素直にそう思う。俺も普段そうしてるし)。

で、ふと思ったんだけど「世界」って聞くと、即座に海外の国を含めたインターナショナルな世界の国々を想像するのが普通なのかなと思うんだけど、俺が書いてる「世界」って、海外も視野に入れてるというより、アナタの身の周りの「世界観」「世界線」として使ってるんだなぁと書いてて自分で思ったのよね。それぐらい今、日本は(日本以外もだと思うけど)、メチャメチャ狭い世界線や世界観の中で小競り合いしてる。

コロナ禍だから仕方ないって言っちゃえばそれまでだけど、いい加減やめようよ、狭い世界の中で他人をおとしめたり、ムダにイジったりするの。俺をイジってる奴のプロフ見るとメチャメチャ知り合いのバンドが好きとか書いてたり、メチャメチャ仲良いバンドのTシャツ着てる写真アップしてたり…そいつらに会う時、こっちが気まずくなりそうだわwww


嫌いだったり気に食わないアーティストや芸能人なんか放っておいて、応援してるアーティストをひたすら愛でていこうよ。その方が世界は平和だし(この場合は身の周りの狭い世界線や世界観ね)、世界中には(この場合は海外も含む)アコギをガンガン使ってるパンクBANDも結構いるのよ(日本にもASPARAGUSという最高のサンプルがいるし)。誰かをクサしても、結局自分の無知とかダサさを晒すだけなら、好きな事や物で身の周りを囲む方が絶対ハッピーなのになぁ…いい加減「自分は分かってる」みたいな姿勢はやめた方がいいと思うんだよね…このコロナ禍では誰も正解なんか分からないんだから。未知のウィルスの事が分からないんだったら、人間の気持ちなんてもっともっと摩訶不思議で分からない事だらけに決まってるしね。

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