見出し画像

緊急事態宣言中に2020年を音で振り返る

SNSが盛んだとじっくり文章を読んだり書いたりする時間が減っちゃうけど、やはり文字を嗜むことは知性を育むことだと思うので、せっかくの?緊急事態宣言で仕事が色々飛んだから(涙&憤)2020年によく聴いた音を振り返りながらポスト・パンデミックの音楽の在り方も考えてみようかと。


beabadoobee - Care

令和に突如鳴らされるグランジ・シャワー、ビーバドゥッビー女史の1stアルバム冒頭を飾る2020年代のギターROCKアンセム。彼女の先進性は語り始めるとキリがないんだけど…強い音像にも関わらずしっかり「今」のチル感やクールネスを封じ込められる恵まれた声質、90's感強めながらもモダンな音楽をも内包するソングライティングの才能、そして抜群の「ちょうど良い」ルックス…突出した美人とかではないのかもしれないけど自分の「好き」を身体全体で表現しているファッション性は、自分を「普通」だと思ってる人全員に参考にしてほしい「ちょうど良さ」だ。古着を中心としたセンスは誰にでも取り入れられるし、そばかすやアジア人といった白豪社会ではマイナスになり得ることも全く臆することなく「普通に発信」していることは、実はここ数年で噴出している世界中の問題に対するアンチテーゼ?解答?として数年前からとっくに彼女が導き出した答えなのだと思う。




Shawn Wasabi - ANIMAL CROSSING feat. Sophia Black

2020年はコロナによるパンデミックの記憶と切り離せないのは間違いないけど、ロックダウン中のお供として大ヒットしたNintendo Switchのゲーム「あつ森」も多くの人の記憶に残るはず…筆者もまだプレイ中(毎日少しずつだから全然進まない)。

そんな「あつ森」のテーマ曲を勝手に?作ってしまった若きサウンド・プロデューサーがショーン・ワサビ。名前の通り日本のゲームやアニメにも精通するサブカルチャーヲタな彼は(もはやサブもへったくれもない時代だけど)、そのサウンドの殆どをアーケードゲームのボタン使用により高い耐久性を維持するMIDIコントローラー、MIDIファイター64で作り上げてバズった才人。

彼のインスタでは、このMIDIファイターをタピオカやアイスキャンディーに繋いでトラックメイクする様子も上がってて面白いんだけど、彼は既にパンデミック前の2018年頃からこういった独自のサウンドメイクを進めており、宅録が普通となった現代における先見性やオリジナリティも凄い。優しい楽曲の雰囲気も今っぽいし、歌うのは得意ではないのかな?フィーチャリングVo.の采配も抜群なので、これからDTM/DAWに挑戦したい人は是非参考にしてみて!



Speed of Light - Kill the Vibe

サムネイルだけ見ると女性Vo.の元気なギターROCKが聴こえてくるのかな…と思わせつつ、その期待を良い意味で裏切るグルーヴ&ヘヴィネスをご堪能あれ!

等身大かつ荒削りだけど時代に流されることなく、自分たちの好きを精一杯詰め込んでいる姿勢や、ガレージLIVEっぽい雰囲気も良い感じ。まだデジタル・シングルを4枚ほどしか出していないので(そういうとこは急に今っぽくてそこも面白い)、アルバム・サイズの楽曲リリースが楽しみ。




あさぎーにょ - have a nice day

Vlogと物語とMusic Videoを融合した全く新しくて素晴らしい楽曲発表の方法。YouTuberとして彼女の動画を楽しんでた人はもちろん、何の予備知識もなく触れて観てもストーリーの巧みさとテンポ感抜群の編集で一気に観て聴けて最後は感動までしちゃう傑作!最初から最後までじっくり観て聴いて楽しんで欲しいので詳細説明あえて無し!

※動画自体は2019年末のリリースだけど、音源としてストリーミングでのリリースは2020年🎶



Trash Talk & Kenny Beats - Worst of Times

HIP HOP隆盛の音楽界で、ROCKっぽいアクトの中から誰が最初にブレイクスルーするかなと気になってたんだけど、意外にもドが付くぐらいのハードコアBANDトラッシュ・トークがファースト・アクションを見せて、トラックメーカー/プロデューサーとしてJPEGマフィアやFKAトウィッグスらにトラック提供しているケニー・ビーツを迎えて、EPを制作。

文字通りトラッシーなPUNKサウンドと、ノイジーなブレイクビーツが、現段階では交互に現れる程度のコラボレーションだけど、サグで不穏な空気感は時代の空気を絶妙に反映しているし、今後これがどういう風に発展するのか楽しみ…かつ我々がどう発展させるのか、も凄く大事なことになると思う。




ざっくり振り返ると女性アクトが活躍したこと、そして勿論コロナによるパンデミックの影響もありつつの(実はそれ以前からあったけど顕在化することになった)「チル」という雰囲気が支配的になったことが、2020年の大きな特徴だった気がするね…今年もその気分は続きつつ、そろそろ逆サイに振り始める人達が出てくると思うし、自分なりの振り切った表現にも挑戦したいので、2021年も出来ることからコツコツと…無理なき範囲ではじめましょ🎶



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?