気づきを忘れがちな時に使える、後で自分を助ける構造的な気づきの残し方
誰しも日々仕事をしているときに思い浮かぶ「気づき」があると思います。せっかく得られた気づきを忘れてしまったら、大変もったいないものです。それらを上手く表現して残しておければ、後の自分自身を助けることになります。ということで、この記事では気づきの残し方について紹介します。
意識的に気づきを探す機会をつくる
まずは考え方として「気づきというのは意識的に探して残すものだ」と捉えると良いです。もちろん無意識的に気づきを得られることも沢山あります。しかし、「何か気づきはないのか?」と意識的に探していくと、気づきが増やせるだけでなくトレーニングにもなります。
やり方としては、何か作業をしたら5分だけ気づきを得る時間を必ず作ると良いでしょう。意識的に気づきを探せるようになると、結果的に無意識的に気づくことも増えていきます。
キーワードに加えて具体的な文でも残す
とても議論が盛り上がったのに、気づきが抽象度の高いキーワードが一つ書き残されただけで次に進んでしまう、なんてことがあります。大学院で講義をしていてグループワークを見ていると、よく起こっています。でも、キーワードだけの記録では、1時間もすれば「これってなんだっけ、、?ああそういえば、、!」ぐらいのうっすらとした記憶になってしまいます。
抽象度の高いキーワードはいかようにでも解釈できるので、ひとりひとりがそのキーワードから感じている面白さが異なることがほとんどです。また、その面白さを感じる理由も異なります。
なので、ひとりひとりが感じた面白さの本質は何か、なぜ面白いと感じるのかをなるべく具体的に書き残します。そして、意識的に共有していくことが重要です。特に、大学院では「本質的に大事な部分が、1週間後に読見直してすぐわかるぐらい、具体的に書くようにしましょう」とアドバイスをしています。
気づきだけでなく、気づいた流れも書き残す
気づきというのは何の脈略もなく得られることは少ないです。その前の流れがあって、いろんな情報が相互作用することで生まれます。なので「どういう流れで気づきが得られたのか」「何を目的として議論しているときに出てきたのか」を含めて言語化しておくと、気づきが活用しやすくなります。
たとえば、美味しいカレーをテーマに議論をしているなかで、じゃがいもに関する面白いポイントに気づいたとします。そのときに、単に「じゃがいもについて」の気づきだけ書き残すのか、「カレーの議論の流れ」に紐づけて気づきを書き残すのかでは、後から見返したときのわかりやすさが違います。
特に、長時間議論していると流れを忘れてしまうので注意が必要です。極端な例ですが、美味しいカレーをテーマに議論していたのに、じゃがいもの面白さにばかり着目してしまい、気づいたら面白さを強調するためのじゃがいもの育て方のアイデアを考えていた、なんてこともありえます。何を馬鹿なと思うかもしれません。しかし、議論するテーマの抽象度が高かったりすると流れを見失わないようにするのは、意外と難しいものなのです。
構造的に書き残す
文で書くだけでは上手く気づきが伝わらないことがあります。そういう時は構造を意識して書き残すことをおすすめします。たとえば「□□という点について、普通は〇〇なんだけど、これは△△だから違いがあって面白い」とか。普通と対比することで、どういう視点でおもしろいのかが分かりやすくなります。
他にも、既存の図解法やフレームワークを活用することも良いでしょう。ただし、それらは書き残すことに慣れてから使うことをおすすめします。慣れてないと図解やフレームワークを使うこと自体に労力が掛かってしまい、書き残すこと自体がおろそかになります。
多言語での議論では特に意識的に書き残す
最後に、英語話者と日本語話者が入り交じるなど、多言語で議論するという機会も増えていますよね。しかも、全員がバイリンガルではないことも多いでしょう。そういう時に、口頭だけで議論することは難しいものです。
特に、気づきは抽象度が高いので、具体的な事象よりも説明するのも理解するのも難しいです。なので、上述した書き残し方を意識することが、より重要になります。
おわりに
ということで、今回は後で自分たちを助ける、気づきの残し方についてお話しました。あなたが日々得ている気づきをより有効活用してみてください。
自分に合う考え方を小さく試してみて、自分にあうものを見つけていきましょう。
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