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ニーズを具体的に捉えたい時に、あなたのサービスを必要とする実在する人を考える

「あなたのサービスを喜んで使う人がいるとしたら、それはどんな人ですか?」と聞いて、具体的な人をパッと答えられることは、サービスを考える上でとても大事です。

サービスを考えるためのレクチャーで受講生の提案を聞いてると「このサービスのユーザーは、このサービスを使う人です」みたいなコメントをもらうことあります。もしくは、「大学生」とか「父親」とかざっくりしたカテゴリで返答がくることもあります。

あなた自身を「大学生」とか「父親」とかのカテゴリでひとくくりにされるとしたらどうでしょう?自分のことをそんな単純にはくくれないよ、と思う人は多いと思います。とくに、年々多様化が進むなかで、大学生だからこうだといえるほど単純ではない時代ですね。

そのため、サービスを考えるときにも、より具体的に人を捉えることが大事になっています。実在する人の名前を上げて「このサービスのターゲットの一人は〇〇さんです。なぜならば〜」と語れるぐらいでも良いです。価値のあるサービスを考えることは、そのサービスが欲しいのは具体的に誰なのかを理解することと表裏一体です。

また、「誰なのか?」を考えるときは、具体的な悩みや欲求と、それが発生している状況をベースに考えることをおすすめします。たとえば、クレイトン・クリステンセンのジョブ理論という書籍にでてくる、ドライブスルーでミルクシェイクを注文する人の例をみてみましょう。

通勤のために一人で毎日運転するのは退屈。手持ち無沙汰を解消するためのちょうどよいものが欲しい。バナナはすぐになくなってしまうし、ドーナッツは手がベタつく。それらに対して、ミルクシェイクは手も汚れず長持ちする。

ユーザーの状況や悩み・欲求が具体的に捉えられていますね。また、これらの発言は実際にインタビューした結果から抽出されているので、当たり前ですが、これを発言した実在する人がいます。これを、単に「ミルクシェイクを飲む人」とか、単に「通勤客」とカテゴリだけで議論してしまうと、悩みや欲求、それが発生する状況が伝わりにくくなり、議論の方向性がブレやすくなります。

一方「より多くの人に使ってもらうには、最初からターゲットを絞らない方が良いのではないか?」という指摘をされることもあります。しかし、実在する最初の一人目の心をつかめないサービスが、より多くの人の心をつかむことは難しいでしょう。取らぬ狸の皮算用になってしまいます。

なので、まず一人目の心を掴みましょう。その上で、どの視点でその人を抽象化すると、悩みや欲求の特徴を捉えたままより多くの人をターゲットにできるか、を考えると良いでしょう。

ということで今回は、最初の一人を具体的に思い浮かべられるようにすることの重要性についてお話しました。小さく試してみて、自分に合うと思ったら、取り入れてみてください。



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