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東京パラ五輪で国家独唱 佐藤ひらりさん 石巻訪問 8月の公演を約束

 昨年8月の東京パラリンピック開会式で国家を独唱した佐藤ひらりさん(20)が18日、石巻市役所で齋藤正美市長と懇談した。全盲のシンガーソングライターとして知られる佐藤さんは、これまでも東日本大震災で被災した人を励ます歌声を届けており、8月には市内で公演を行うことを約束した。

 佐藤さんは新潟県三条市出身。5歳から音楽を習い始め、現在は武蔵野音楽大学で作曲を学んでいる。石巻市には小学5年生だった震災翌年の夏に中央の仮設商店街などで弾き語りコンサートを行って以降、たびたび来訪。今回は、翌日に控えた気仙沼市でのコンサートを前に立ち寄った。

市長室を訪ねた佐藤ひらりさん(中央)と母の絵美さん(右)

 市長室での懇談では音楽の話で盛り上がり、「最初に好きになったのは美空ひばりさんの歌」と佐藤さん。シャンソンが趣味という市長に対して「すてきな歌声を聞いてみたいです」と持ち上げた。

 さらに「全盲のシンガーソングライターと言われるが、歌を聴いてもらって、その後に目が見えない私の情報を知ってもらえるようにしたい」と佐藤さん。パラ五輪の開会式で歌う夢をかなえた佐藤さんの次の夢は、全盲の世界的なミュージシャンであるスティービー・ワンダーさんとの共演と言い、被災地でこれまで伝えてきた前を向いて進むことの大切さを述べた。齋藤市長は「歌は人を励ます。ぜひ人が喜ぶ歌を作って」と今後の活躍を期待した。

 市役所隣のささえあいセンターには、母の絵美さん(47)が2月に寄付した8段のひな飾りが展示(現在は終了)されており、親子で見物した。【熊谷利勝】





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