家々巡り健康、大漁祈願 月浜・鳥追い行事 少子化で2人 住民「寂しい」
国指定重要無形民俗文化財で東松島市宮戸の月浜地区の小正月行事「えんずのわり」は14日、地域を回って健康長寿などを祈願する中心行事の鳥追いの日を迎えた。11日から岩屋で煮炊きしてきた中学生2人が約20軒近い家庭を訪問し、地面に木の棒を打ち付けて成就を祈った。
今年は鳴瀬未来中3年の山内紳太郎さんと同2年小野佑真さんが11日から岩屋で精進料理を炊き、集会所に寝泊まりする生活を続け、鳥追いに向けて身を清めてきた。
1メートル以上ある木の棒を持って地域を歩き、「えんずのわりとーりょうば、かーずらわってすをつけて」(意地の悪い鳥を頭割って塩つけて)と唱和。各家庭ごとに願いを聞き、「じいちゃんばあちゃん達者で長生きするよう」「子すくすく成長するよう」「みんな健康でいるよう」などと願いながら力強く棒を突いた。
地域住民は「自分たちの世代の鳥追いは、すごくにぎやかだった。2人だけでは見ていて寂しいが、子どもがいないので仕方ない」と寂しさを口にしていた。【横井康彦】
最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。