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花火はいいね…でも少し物足りない 最大の呼び物に工夫必要

 6、7日の「第99回石巻川開き祭り」は一部規模縮小となったが、3年前の行事が一通り行われた。ディズニーパレードが人を呼んだ前回ほどの来場者数に及ばなかったものの、「祭りはやっぱりいい」と思わせるにぎわい。しかしながら最大のメインである花火大会は打ち上げ場所が変わり、3年ぶりの感動を加味しても少し物足りない印象。100回の節目へ何かしらの工夫が必要だろう。

 花火は石巻大橋―内海橋の旧北上川に浮かべた台船から約6千発を打ち上げ。右岸に用意した500席の有料観覧席は完売した。無料の観覧場所はごった返しており、4千円を払って席を買う価値はあった。

 煙も適度に流れ、絶好の花火日和。打ち上げ発数は中瀬が会場だった前回と同じだが、川幅が狭くなり、大きさが最大3号玉から2.5号玉へとスケールダウンした。震災前を知る人は「ドーンと体に響く尺玉がない」「ワイドな打ち上げがなく、ワンパターン」と寂しがる。

花火をゆったり観覧できた有料席

 震災後の花火大会は中瀬での打ち上げは定着。しかも安全性の問題で難しくなり、実行委は協賛団体を交えて震災前の開北橋か石巻大橋―内海橋間、その他の3択で場所を再検討。ほぼ全員が石巻大橋―内海橋間を支持した。「中心市街地から離れれば経済効果が薄まる」との見方があるようだ。

 川開きは石巻町だった大正4年、北上川を改修した川村孫兵衛翁に感謝を示す祭りとして始まった。市博物館で21日まで開催中のミニ企画展によれば、東京や新潟の花火大会の評判を聞いた当時の町長に「石巻でも花火大会を名物にしたい」との思惑があったという。「花火だけで人を呼べる時代でない」と言う人もいるが、川開きと言えばやはり花火。

 震災後は7月31日と8月1日だった開催日は今年、8月最初の土日に変更。震災前は8月1、2日、それより前は8月第1土日だった。市民が参加しやすい土日か、分かりやすい日にち固定か。今回の変更でも賛否両論があるが、実行委は当面、第1土日を軸に開催していく考えだ。

 実行委員会会長の青木八州石巻商工会議所会頭は「人出もあり、感染対策のさまざまな制約があっても楽しんでいただけたと思う」と総括。「100回の記念へふさわしい内容を企画していきたい」とした。【熊谷利勝】





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