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地域と共に歩む玄関口 石巻駅開業 110周年 感謝の記念イベント

 鉄道の日(10月14日)とJR石巻駅開業110周年を記念したイベント「お客さま感謝DAY」が15日、同駅と駅前にぎわい交流広場で開かれた。ミニSLの乗車体験など鉄道に関するアトラクションのほか、キッチンカーなども出店し、多くの市民でにぎわいを見せた。午後2時半からはJR東日本のイベント列車「風っこ号」の出発見送りがあり、石巻好文館高校吹奏楽部の記念演奏も行われ、大正元年に始まった同駅110年の歴史を彩った。

 駅前にぎわい交流広場であったイベントでは、ミニSLの乗車体験に家族連れの長い列ができた。ミニでも石炭の熱で水蒸気を作って走る本格的な機関車であり、白い蒸気を噴き上げながら子どもたちを楽しませた。木村壮良君(5)=石巻市蛇田=は「乗り物が大好き。SLはかっこいい」と話していた。

本格的なミニSLに子どもたちも大興奮

 広場ではほかに踏切教室も実施。正しい横断を子どもたちに教えるため、JR職員が電車になり切って渡り方を教えた。線路点検を行う車両「レールスター」、線路補修に使う保線器具の展示もあった。

 今年は鉄道開業150周年でもあり、市外からも多くの鉄道ファンが訪れた。園部誉章さん(29)=東京都品川区=は「保線器具が展示されているのは珍しいので興味深い」といい、これから友人と青森まで鉄道の旅を楽しむという。

 同駅の後藤謙次駅長は「110年という歴史の重みを感じる。震災から11年、地域の人たちに支えられて駅がある。これからも地域とともに歩み、笑顔を増やしていければ」と話していた。

踏切教室で安全な渡り方を教えた

 駅舎内の売店では東北6県の駅弁を販売したほか、老舗パン屋の萬楽堂=同市立町=と同駅がコラボした「3色あんぱん」も110個限定で売り出され、人気となった。イベント列車「風っこ号」(仙台―女川間)の出発セレモニーもあった。

 石巻駅は大正元年、小牛田―石巻間を結ぶ私鉄・仙北軽便鉄道の開業とともに設置。軽便鉄道は同8年に国有化され、同11年には「石巻線」に名称変更した。

 その後、昭和14年に女川駅まで開通した。同8年に開通した宮城電気鉄道(現在の仙石線)の駅舎と2つに分かれていたが、平成2年に統合し、今の形になった。【渡邊裕紀】





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