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一様にコロナ対策重視 石巻市長選 投票まで1カ月 4新人が立候補表明

 任期満了に伴う石巻市長選(4月18日告示・25日投開票)の投票日まであと1カ月となった。現在まで立候補を表明したのはいずれも無所属で市議の阿部和芳氏(61)、元衆院議員の勝沼栄明氏(46)、元県議の齋藤正美氏(66)、元石巻市・市立病院職員の長純一氏(54)の4人。現職の亀山紘氏(78)が4選不出馬を決め、16年ぶりに新人同士の戦いとなる。少子高齢化と人口減少が進む中、市政は10年の東日本大震災復興期間終了後も持続可能な行財政運営が課題。市民の安心安全の担保も求められ、一様に新型コロナウイルス対策を訴える。【熊谷利勝】

 3度目の挑戦をいち早く表明した阿部氏は、13日に中央に後援会事務所を開設。「笑顔あふれる石巻再生をスローガンにコロナに打ち勝ち、新しい時代にふさわしい石巻を作る」と震災復興と疲弊した経済再生を注視する。
公約の柱は①稼げるまち②にぎわうまち③備えるまち―。「徹底した現場主義」を唱え、事業仕分けによる行財政改革の推進や地場産業の育成、健康寿命の延伸、いきがいづくりの必要を訴える。

石巻市長選_立候補者

 4人の中で最年少の勝沼氏は市議や市民有志の要請に応え、2月8日に出馬表明。公約発表で「市民と一緒に新しい街を作り、県北地域を引っ張る市にしたい」と語った。公約の柱は再生・共生・可能性。高校生までの医療費無償化やアニメや実写ものの聖地化、スケボー公園整備など若年層にも訴える。医師の視点でのコロナ対策、総合支所、支所の権限強化も主張する。大街道東に後援会事務所を構えた。

 県議会副議長だった齋藤氏は、市民有志の要請を受けて3月6日に立候補を表明。「亀山市長の取り組みを継承して発展させる」とし、亀山氏も後継指名した。19日の県議会で辞職が認められ、24日に大街道西に後援会事務所を開所。自民、立憲民主党各県連の推薦を得る見通しで、特定の政党に組みせずオール市民で戦う。コロナで影響を受ける事業者への支援や原発避難計画・訓練の徹底などを政策に掲げる。

 市職員として医療復興に貢献してきた医師の長氏は、〝同志〟である医療・介護・福祉職有志に背中を押され、18日に「かけがえのない命を守り、育み、未来につなぐ、輝く石巻を目指す」と出馬を表明。市立病院を最大限に生かした新型コロナ対策や在宅医療の推進を訴えの中心にし、女川原発再稼働や復元船サン・ファン・バウティスタ号の解体に慎重な意向を示すなど独自色を出す。長氏を推す有志が蛇田に活動拠点を設けた。


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現職渥美氏盤石の体制 東松島市長選 無競争の公算
市議選は少数激戦か

 任期満了に伴う東松島市長選(4月18日告示・25日投開票)は現職の渥美巖氏(73)が再選に向け、無所属で立つ。対立候補の動きはなく、無競争が濃厚となってきた。同時に行う市議選は定数18に対し、19人が出馬を検討しており、少数激戦を呈している。【横井康彦】

 東松島市の震災復興はハード事業がほぼ完了。今後は心の復興を軸に中長期的な対応が求められるほか、コロナで疲弊する地域経済の再生も課題。新年度からは第2次総合計画後期基本計画に基づく行政運営となり、市長は着実な遂行、市議にはチェック機能が求められる。

東松島市長選_立候補者

 2期目を狙う渥美市長は、SDGs(持続可能な開発目標)の認定や全寮制私立高校の誘致、民間保育所誘致と保育時間延長、放課後児童クラブ、聖火誘致などに取り組み、復興をけん引。人口減少対策や震災に伴う未利用地の利活用など課題もあり、市民の評価が注目される。

 渥美市長は「政策を出し合い、論じ合う立場からすれば選挙はあるべき」と話すが、他に動きはない。渥美市長は28日に後援会事務所を開く。

 市議選は平成29年に死去した古川泰廣氏の欠員分に加え、現職は熱海重徳氏(47)上田勉氏(77)、五ノ井惣一郎氏(81)、佐藤富夫氏(80)が引退する。立候補予定者説明会には現職13人、元職1人と新人5人の陣営が出席した。

 ある現職は「コロナ禍では告示後の個人演説会もイメージは良くない。地縁血縁が頼り」、ある新人は「コロナで対面を避けてパンフレットをポストに入れているが、顔が見えないだけに有権者の反応も見えない」と頭を悩ませた。


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