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震災10年ドラマ 舞台は石巻 NHK・ペペロンチーノ 来年3月BSで放送

 東日本大震災から10年を迎える来年3月に放送を予定するNHKドラマ「ペペロンチーノ」の撮影が県内で始まった。ドラマは石巻市の牡鹿半島を舞台とした物語。4日は大郷町で撮影があり、主演の草彅剛さんは「石巻は以前訪れたことがあり、震災を風化させない気持ちは強い。真心で作り上げたい」と話していた。ドラマでは石巻市出身の女優、蒼波純さんや同市在住の女優、齊藤夢愛さんも重要な役どころを演じる。【近江  瞬】

 物語は牡鹿半島の海を望むイタリアンレストランが舞台。主人公でオーナーシェフの小野寺潔は、店が津波に流されて自暴自棄の生活を送るも、何とか再建を果たす。そして発災10年となる3月11日に仲間たちを店に招き、特別な思いを込めた宴を開く。登場する8人の姿から被災者の10年間の葛藤と日常の再生への歩みを描く。

 ドラマはNHK仙台放送局による企画であり、脚本は日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞している一色信幸さん。一色さんは何度も女川町や石巻市を訪れており、平成25年には女川さいがいFMに注目したドラマ「ラジオ」の脚本も手掛けた。

宮城発地域ドラマ震災10年「ペペロンチーノ」現地取材会 (70)

県内での撮影に臨んでいる(左から)吉田羊さん、草彅剛さん、矢田亜希子さん

 俳優陣は主人公の潔役を草彅さん、潔の妻灯里を女優の吉田羊さん、潔の同級生阿部より子は女優の矢田亜希子さん、被災地支援に来た整形外科医役を俳優の國村隼さんが演じる。蒼波さんはより子の娘役、齊藤さんはウェブマガジン編集者という重要な役を担う。

 撮影は3日から始まり、4日は大郷町にある台風19号被災者が暮らす仮設住宅を震災の仮設住宅に見立て、草彅さん、吉田さん、矢田さんらが被災後の登場人物たちの暮らしを熱演した。

 被災地訪問は初めてという吉田さんは「オファーをいただいた際、大変な思いをすると覚悟したが、大切な方の笑顔を思い浮かべて見ていただける作品にしたい」。矢田さんも「震災の日のことは今も鮮明。容易に演じられるものではなく、被災者の気持ちに精一杯寄り添いたい」とそれぞれ話していた。

 草彅さんは「大変な災害であり、悲しみが癒えていない方もいることを考えると重圧はある。出演者、スタッフが一致団結して頑張らないといけない」と強調した。ロケ地は石巻市、女川町、塩釜市などで撮影は12月20日ごろまで行われる。

 ドラマは約60分間でBSプレミアムとBS4Kで放送予定。詳細は「ドラマ ペペロンチーノ」の公式ホームページ。


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