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新型コロナウイルス情報掲示板⑦

新型コロナウイルスに関して、知りたいことや今、感じている不安など、当掲示板にお寄せください。
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歯と口のケアで対策-01

ことぶき歯科 山本院長アドバイス
口から始める健康づくり 清潔保ち感染を予防

◆昨日に引き続き、新型コロナウイルス感染症(以下COVID19)対策を考える上での歯と口のケアについて、アドバイスをしてもらいました。

 新型コロナウイルス感染症(以下COVID19)に関する学術的なデータは、毎日のように世界中の専門家が報告しています。注目度の高い報告はニュースとして私たちのもとに届けられますが、研究が進むとデータの信憑性が低いとして取り消されるものも少なくありません。〝事実の検証〟はとても難しいということです。

 実際、今年3月ごろの国からの通達では、感染予防のひとつに「適切な湿度」とありましたが、今は否定され消去されています。まだまだこのようなことは起こるでしょう。

 そのため、ここでお伝えする「口腔ケアによるCOVID19への予防効果」ついて、100%間違いなく正しいとは断言することはできません。しかし、口腔ケアが特に感染後の重篤化を予防する可能性が大きいとする研究結果があることは事実です。

 同じウイルス性感冒であるインフルエンザウイルス感染症に関しては、ウイルスが生体の細胞に感染する経路において、多くの場合歯周病菌がその手助けをしていることが分かっています。よって口腔ケアがインフルエンザウイルスに対する免疫力を高めるということが言えます。

 COVID19に関してはまだ実証されていませんが、ウイルスの性質上、同じような効果が期待できるという報告もあります。

 最近の研究結果ではCOVID19は感染力が強いが毒性は弱いと言われています。感染が起こっても症状が現れない場合が多いということです。しかし、重篤化する方もいるのは、感染後に他の細菌感染による二次的な肺炎を要因としている可能性が高いということです。その二次的な細菌感染の原因として問題とされているのが口腔内の清潔度です。

 また、忘れてはいけないのは基礎疾患を持っているかどうかも重要です。

口呼吸のリスク

 今回は諸外国を含め、マスクの効果についてさまざまな議論が起こっています。私も感染拡大の前から時折マスクの問題をSNSなどで発信していました。

 マスクの網目の大きさとウイルスの大きさの違いはどのくらいか知っていますか。

 例えばマスクの網目を〝トンネルの大きさ〟とするとウイルスは〝アリ1匹の大きさ〟になります。呼吸によって容易に通過できるのです。

 ただ、今回の感染症の問題でマスクの効果の報告も多くなされています。例えば網の目の大きさではなく、マスクの繊維の静電気がウイルスに対するトラップとなっているという報告もあります。

 マスク不足の頃は除菌して再使用することも行われていましたが、除菌の仕方によってはその静電気も失われるので推奨しないとの報告もあります。

 逆にマスクの使用で問題なのは口呼吸になりやすいという点です。マスクはフィルターであり、しない時よりも息を吸うのに抵抗力が強くなります。

 人には鼻という息を吸うにはとても素晴らしいフィルター器官があります。まず鼻毛で空気中の汚れをとらえ、それを鼻水で外に洗い流します。さらに乾燥した空気には適切な湿度を与えて肺に送っています。

 まったくフィルター効果がない口は呼吸に対して抵抗力がないので鼻よりも楽に呼吸ができますが、口からの呼吸では肺にとってダメージだらけの空気が送られます。

 マスクはその呼吸の抵抗をさらに増やすことから抵抗の少ない口呼吸を助長し、普段は鼻呼吸している人も口呼吸しやすくなってしまいます。

 COVID19ではありませんが、インフルエンザウイルス感染症ではその効果が実証されています。口呼吸から鼻呼吸に変えていくトレーニングを行った集団は、行っていない集団よりもその罹患率が低いという報告もあります。

 私見ですが、私はマスクをして口呼吸をするより、マスクをしないで鼻呼吸をする方が呼吸器系の疾患の予防になると思っています。

全身の健康を目指して

 これからの歯科は「歯」の治療だけではなく、「口腔」の病気を治療・予防して全身の健康を目指していく必要がありますし、それを理念に実践している歯科医院が増えています。歯医者は痛くなってから行くところではなく、ぜひ「口腔ケア」だけで通院し、口腔の病気の予防から全身の健康のためというイメージを持ってもらいたいです。

 「口は災いのもと」ということわざがありますが、私は「すべての病は口からはじまる」可能性は高いと思います。

 これは歯科をはじめ口腔に携わっている人のほとんどが実感していることです。

山本医院長_プロフ用

ことぶき歯科 院長 山本 寿則

 昭和47年生まれ、門脇小学校、門脇中学校、石巻高校、東北大学大学院歯学研究科卒。歯学博士。日本歯科保存学会専門医、日本口臭学会認定医、日本障害者歯科学会、日本摂食嚥下リハビリテーション学会等複数所属。石巻圏摂食嚥下研究会「食べる輪」役員などにて活動。小学生から剣道を始め大学まで継続、社会人になって中断したが息子が剣道を始めたことをきっかけに再開。現在、石巻専修大学大学院科目等履修生。


石巻保健所 健康づくり支援班コラム
免疫力を低下させない体づくり

 睡眠には、心身を疲労から回復させる働きがあります。睡眠時間の不足や睡眠の質の悪化は、生活習慣病等のリスクにつながることが分かっています。※睡眠時間が長ければ長いほど、健康に良いというものではありません

 適度な運動、朝食を摂ること、入眠前にリラックスする等の習慣が、睡眠の質を高めます。一方で、就寝前の激しい運動、夜食の摂取、寝酒や喫煙は睡眠の質を下げてしまいます。今回は、体と心の健康づくりを目指す「健康づくりのための睡眠指針~睡眠12箇条~」をご紹介します。

健康づくりのための睡眠指針2014 ~睡眠12箇条~ (厚生労働省)

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
★寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
★年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を
★適度な運動は睡眠を促進
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえず
に、専門家に相談を。

生活リズムを崩さず、質の良い睡眠を。


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



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