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100年後も続く祭りへ 「青い鯉のぼり」450匹 未来の子どもに希望託す

 子どもの日の5日、「青い鯉のぼりまつり」が東松島市の矢本海浜緑地公園近隣の広場であり、全国から寄せられた約450匹のこいのぼりが掲げられた。市内外から多くの人が訪れ、東日本大震災で犠牲になった子どもたちへの鎮魂の思いと伝承の決意、未来への希望を共有した。

 掲揚は震災で家族4人を失った伊藤健人さん(30)=東松島市職員=が亡くなった弟の律君(当時5歳)が好きだった青いこいぼりを大曲浜の自宅に掲げ、「天国でも寂しい思いをしないように」と祈ったのが始まり。

鯉のぼりの下で繰り広げられた和太鼓演奏

 これまでは子どもの日に合わせ「青い鯉のぼりの下に腰を下ろす会」という名称で追悼してきたが、今年からは震災後に生まれた子どもたちにも楽しんでもらえるよう、「青い鯉のぼりまつり」に変更。震災の教訓伝承のほか、にぎわい創出にもつなげ、「100年後も続く祭りにしよう」との思いも込めた。

悠々と泳ぐ青いこいのぼりを見上げる親子

 風に舞うこいのぼりの下では、復興を祈願した力強い和太鼓演奏や、よさこい、ダンスなど多様なステージが繰り広げられ、子どもたち向けにトランポリンやフラフープなどの遊び場も設置。軽食販売のキッチンカーも出店し、会場では親子が思い思いの時間を過ごした。

鯉のぼりを背景に関係者で集合写真を撮影

 実行委副会長も務める伊藤さんは「青い鯉のぼりは、今を生きる僕らと未来を生きる子どもたちの希望を託す存在。今後は私だけでなく、皆の『青い鯉のぼり』としてあり続けてほしい」と話していた。【山口紘史】





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