見出し画像

震災・鎮魂の650匹 青空泳ぐ青い鯉のぼり 子どもの日に心寄せ

 東日本大震災の津波で犠牲になった子どもたちへの鎮魂の思いを込めた「青い鯉(こい)のぼりプロジェクト」が5日、東松島市大曲の上浜橋付近で開かれた。約650匹の青い鯉のぼりが青空を悠々と泳ぎ、その下では復興への願いを込めた和太鼓の演奏も行われるなど多くの人が足を運んだ。

 同プロジェクトは震災当時、大曲地区に住んでいた伊藤健人さん(29)が、津波の犠牲となった弟の律君(当時5)を思って平成23年から始めた。毎年3月11日とこどもの日に鯉のぼりを掲げてきたが、コロナ禍でここ2年は規模を縮小。通常開催は3年ぶりとなった。

青い鯉のぼりと和太鼓の音色が会場を彩った

 「青い鯉のぼりの下で腰を下ろす会」と銘打ち、正午前にスタート。キッチンカーでの飲食販売もあり、市内外から多くの人が訪れた。市内外の和太鼓団体が共演する復興祈願和太鼓合同曲「陸奥」(みちのく)の演奏が行われたほか、大曲浜獅子舞、よさこい、バンド演奏もあった。

こどもの日とあって多くの家族連れが来場

 伊藤さんは「自分の家族から始まったプロジェクトが、多くの人の協力を受け、多くの人が訪れる行事になった。未来を思い、前に進む糧になってくれれば」と語った。

 石巻市南境から訪れた吉田陽樹君(8)、和樹君(6)は「たくさんの鯉のぼりがあってすごい」と語り、東松島の青空を泳ぐ青い鯉のぼりの姿を兄弟で眺めていた。【渡邊裕紀】





最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。