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休校、休業で生産者苦境 「持ちこたえるしかない」「長期化不安」

 新型コロナウイルス感染拡大で再び休校が延長され、学校給食に関わる業者や生産者にも影響が出ている。さらに飲食店の休業も重なり、農水産物の流れも鈍く、価格の変動も生じている。【渡邊裕紀】

 石巻市大瓜の相澤製菓(相沢茂利代表)では、市内17校約4千食分の炊飯を担う。定期収入が見込める業務の柱だけに休校の影響は多大。収益は昨年同期比で8割以上減り、補償がなければ継続は難しい。

 相沢代表は「全国的な問題で仕方ないことだが、感染が学校にも広がれば今以上の打撃になるのは確か」と苦悩する。建物は東日本大震災の津波で被災しており、再建に伴う借入返済ものしかかる。

新型コロナ地域の声 飲食店休業、給食ストップで

休止となっている給食の炊飯設備

 一方、東松島市の全11校約3500人分の炊飯を請け負う同市矢本の「大勇堂」(大村誠一代表)も同じ。「従業員の人たちに協力を求め、休んでもらうしかない」と大村代表。震災で被災した店舗の借り入れもあり、「持ちこたえるしかない」と自らを奮い立たせた。

 石巻青果市場では給食に使う野菜、果物の流通にも変化が出ている。市場全体で給食用食材が占める割合は小さいが、休校で使われなくなった野菜類は市場に流れた。スーパーマーケットなど一般消費が好調で価格に多少の変化はあるものの大きな値崩れはない。しかし、影響が長期化すれば市場の変動も予測が難しいようだ。

 東松島市大曲で長ネギを生産する阿部亮さん(56)は、給食用にも出荷している。全体の1割以下で休止の影響は大きくないが、阿部さんは「3人のネギ農家で石巻市、東松島市の公立学校の給食用に出している。仮に学校再開後に3人の中で1人でも感染者が出れば、他の生産者で補わなければならない」と危惧した。

 石巻魚市場は、3月は取扱高が昨年を上回る好調だったが、4月に入ると飲食店の休業が響き、高級魚のハマチやタイなどの値段が3割減。ギンザケ、イワシも4割近く下落するなど、需要減から全体的に下降した。

 農産物と同じくスーパーなどでの消費があるため、今のところ休校、休業に伴う落ち込み幅は少ないが、海水温の上昇など他の要因が大きい。同市場の佐々木茂樹社長は「春漁は厳しいため、カツオ・マグロなど夏漁に期待したい。新型コロナの影響が長期化すれば、流通の影響が広がる」と不安をにじませた。


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