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スプーンも瓶も楽器に 演出家の寺本さん大谷地小でコンサート 音楽の楽しさ伝える

 演出家として数多くの市民ミュージカルを手掛けてきた寺本建雄さん=東京都小平市=のコンサートが13日、石巻市立大谷地小学校で行われた。作詞作曲や歌、楽器の演奏を一人でこなす多才な寺本さんは、スプーンや栄養ドリンクの瓶を使って曲を奏で、音を鳴らす楽しさを伝えた。

 コンサートは上級生と下級生に分けて開いた。4―6年生55人の前で寺本さんは、東京で1位になったことがあるリコーダーの腕前を披露。学校でリコーダーを習う児童たちは、その音色のきれいさに圧倒されていた。

児童と協演する寺本さん(左)

 「みんなそれぞれ1番のものを持っている」「音楽は楽器になく、弾く人の心にあるもの」と寺本さん。音が鳴る物は何でも演奏する寺本さんは、有名ホテルのスプーン2本を打楽器に演奏。「給食でやっちゃだめだよ」と笑わせた。

 寺本さんにかかればドリンクの瓶も楽器に。中身の量で音が低くなることを実践して見せ、ぐいっと飲み干した。高音が響く口笛と共に、東日本大震災で被災した松から作ったギターの音色も聞かせた。

 篠笛を吹く寺本さんと打楽器で協演した永沼好将さん(4年)は「(寺本さんの初見は)怖そうに見えておもしろい人。ピアノを習っているが、いろんな楽器がうまかった」と特別な授業で音楽の世界を広げていた。

 寺本さんは北海道の寺の出身で、元東京都職員。これまで900以上のミュージカル曲を作り、東松島市コミュニティセンターを会場に3月4日に披露される「心の復興13回忌ミュージカル100通りのありがとう」では演出から、音楽、ポスターのイラストまで手掛ける。大谷地小の鹿野宏美校長が同ミュージカルのスタッフであることから、同校でコンサートを行った。【熊谷利勝】





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