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管楽器似の芋収穫が縁 練習重ねサックス披露桃生町の若山さん 自然薯は食品サンプルに

 昨年12月、自宅の畑から管楽器のサクソフォン(サックス)によく似た自然薯(ジネンジョ)が収穫されたことで話題となった石巻市桃生町津山の土地家屋調査士若山智彦さん(64)。収穫を契機にサックスに興味を持ち、1年が経過した18日に地元で腕前を初披露した。プロサックス奏者安田智彦さん(65)のクリスマスミニコンサートにゲスト出演。これまでの自然薯エピソードを交えつつ、クリスマスソングを奏でた。

 若山さんは、以前からとろろ芋などの栽培を行っており、親戚に種芋を譲り受けた3年前から自然薯の栽培も始めた。10―30と徐々に本数を増やす中、昨年12月にサックスに似た自然薯を収穫した。

 松島町であった安田さんの演奏会に出向き、「先生、サックス型の自然薯が出ました。これは運命」と興奮気味に報告。本物のサックスに挑戦したいと、安田さんが指導する仙台ジャズスクール=青葉区=に今年1月から通い始めた。

 「仲間内で『サックスいいよな』と話しており、いつかは、でも難しいかなと二の足を踏んでいた。自然薯がきっかけをくれた」と若山さん。

 一方その自然薯だが、日数が経過するに連れて水分が抜けて徐々に細くなった。サックスを始めるきっかけを作ってくれた自然薯。「何とか形に残したい」と、若山さんは関西の食品サンプル業者に依頼。本物によく似た形が完成した。

 若山さんは「安田先生から楽器をレンタルしていたので、楽器じゃなくサンプルにお金をかけたと笑われた」とエピソードを紹介。現在は親戚が使っていたサックスを譲り受け、練習に励む。

師匠の安田さんと演奏した若山さん(右)

 迎えた初めての演奏の場。桃生町で開かれた安田さんのクリスマスコンサートの2部から出演し、「ホワイトクリスマス」「きよしこの夜」を演奏。緊張から音ズレはあったものの、会場から惜しみない拍手が送られた。

 安田さんは「サックスを初めて1年目は基礎の基礎を身に付ける時期だが、若山さんは熱心に励み、2オクターブの曲なら演奏できるレベル。一曲一曲着実に演奏できるようになってほしい」と期待した。

 若山さんは「自然薯をきっかけにサックスに熱中することができた。せっかく得た縁であり、これからも演奏を楽しみたい」と意気込んだ。【横井康彦】





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