女川スタジアムこけら落とし コバルトーレホーム戦 大量点で快勝 拍手に湧く
女川町清水地区に整備された女川スタジアムのこけら落としとなるコバルトーレ女川のホーム戦が5日、有観客試合で行われた。感染対策で声を出す応援は制限されたが、約600席のメインスタンドがほぼ埋まり、拍手や手拍子で選手たちを応援した。
女川スタジアムは、東日本大震災の災害公営住宅整備で解体された旧町陸上競技場の代替えとなる球技専用施設。昨年3月に完成し、昨季コバルトーレが利用を予定していたが、コロナ禍の影響でリーグ戦が中止。冬季の芝生の養生期間を経て、今回、完成後初の公式戦での利用となった。
試合前のセレモニーで須田善明町長は「いよいよ、きょうがスタート。いろいろあったがチームも我々もここまできた。ここから皆で盛り上げよう」とあいさつ。キックインセレモニーが行われ、試合が始まった。
コバルトーレはＦＣプリメーロ（福島県郡山市）と対戦し、野口龍也選手のハットトリックなどで6―0の大量得点で快勝した。石巻好文館高校のチアリーディング部「ピーナッツ」は選手入場を盛り上げ、ハーフタイムではパフォーマンスも繰り広げた。
女川町は、6月に開催される試合をこけら落としに位置付けている。コバルトーレは12日（午後1時キックオフ）と19日（午前11時キックオフ）も女川スタジアムで対戦。19日にはヨーロッパで活躍する女子サッカー選手と、早稲田大学ア式蹴球部女子によるチャリティーマッチが午後3時から行われる。【石森洋史】
コバルトーレ女川 野口3点 響く手拍子
ホーム開幕6－0快勝 得失点差で1位に浮上
東北社会人サッカーリーグ1部第3節が5日に行われ、コバルトーレ女川はＦＣプリメーロと女川スタジアムで対戦した。ホーム戦の有観客試合は約1年半ぶりとなり、510人が来場。サポーターの応援を受け6―0で快勝した。勝点9で3チームが並ぶが得失差で上回り順位は3位から1位に浮上した。
女川スタジアムのこけら落としとして開催したリーグホーム開幕戦。有観客に伴い、焼きそばや焼き鳥など飲食を提供するキッチンカーなど4店舗が並んだほか、2019シーズンの開幕戦以来、石巻好文館高校チアリーディング部「ピーナッツ」が登場し、選手入場やハーフタイムの応援パフォーマンスで会場を盛り上げた。
この日の先発はＧＫ末次、ＤＦに右から山内、小川、酒井、ＭＦのダブルボランチに吉森と田原、ウイングバックの右に増崎、左に池田、トップ下に黒田。ＦＷに西山と野口を起用した。このうち、小川、黒田、池田は自身の子どもと一緒に応援に駆けつけた女川町観光協会公式キャラクター「シーパルちゃん」と、試合前の記念となる集合写真撮影をした。
試合はキックオフ直後から主導権を握り、敵陣に押し込み続ける展開。8分、黒田がゴールへ向かうコーナーキックを蹴ると相手が頭でクリアしきれずオウンゴール。先制点を奪った。
立ち上がりからスコアで優位に立つと、余裕を持って敵陣でパス交換。30分には18本連続でボールを回し末次からのビルドアップで攻撃。相手を前後左右に揺さぶり続け、前半を1点リードで折り返した。
後半、立ち上がりから相手の足が止まり始めると52分、敵陣でセカンドボールを拾い続け、右サイドの増崎、中央の野口とつなぎ、西山が振り向いてシュート。2点目を奪った。
65分には黒田のボールを受け取った増崎がゴール前へ高さのあるクロスボールを配球。ゴール前で野口がヘディングで競り勝ち3点目。その3分後、吉森からのスルーパスを受け取った吉田が黒田とワンツーで相手を崩すと、ラストパスを受けた野口のシュートが決まり追加点。
83分には田原がハーフウェーライン付近で得たフリーキックを蹴り、前線の野口がヘディングで競ったボールを吉田が頭で押し込み5点目。2006年のチーム創設時から在籍する吉田が女川スタジアムこけら落としゲームで1点を記録した。
攻撃の手を緩めずに攻め続け、試合終了直前の91分にスローインを受けた田原がゴール前へロングボールを配球。野口が頭で合わせてハットトリックを達成し大量6点を奪い、無失点で勝利した。
中村雅昭監督は「良い雰囲気の中で選手たちを応援してもらえた。次節も勝ちを届けられるよう、しっかり準備して臨みたい」と話していた。次節は12日、女川スタジアムで学生チーム「富士クラブ2003」（6位）と対戦する。【石森洋史】
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