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仙台フィル×山響楽団 たい平さんと異色の共演 石巻で語り付き演奏会

 仙台フィルハーモニー管弦楽団と山形交響楽団の合同演奏会が11月27日、マルホンまきあーとテラス=石巻市開成=で行われ、落語家で石巻観光大使の林家たい平さんがゲスト出演。組曲「アルザスの風景」の語り付き特別版で異例のコラボを実現し、約800人の聴衆を喜ばせた。

 たい平さんが登場したのは2曲目。オペラで知られるフランスの作曲家マネスの組曲をたい平さんの語りを入れて演奏する、この日だけの特別バージョンだ。数年前、仙台フィルが障害者の招待公演で企画した内容を石巻版に編成した珍しいプログラム。

 作品は、フランス西部、ドイツと国境を接するアルザス地方を「日曜の朝」「酒場で」「菩提樹の下で」「日曜の夕方」の4つの場面で構成。これを、石巻から飛行機でアルザスにやってきた大学生イシちゃんが、故郷に残してきた恋人マキちゃんに思いをはせながら、土地の情景を語っていくという物語にした。

仙台フィルたい平共演 (47)

「アルザスの風景」を語ったたい平さん

 はかま姿のたい平さんは「今頃マキちゃんはどうしてるだろうか」と恋人を思い出したり、酒場ではワインだけでなく「日高見、墨之廻を持ってきて」と石巻の地酒を注文するなど笑いを誘った。

 また、うぐいすの鳴き声や「ヒュルヒュル」と玉が上がって花火が音を立てる場面などお得意の芸も披露。持ちネタを演じるような自在な語りで約20分の異色の組曲を作り上げた。

 演奏が終わると、客席から大きな拍手。たい平さんは指揮のパスカル・ヴェロさんと笑顔でグータッチした。

 1年違いで誕生した山響と仙台フィルの約1年4カ月ぶりの公演は「ボレロ」など息の合ったスケールの大きな演奏で大成功を収めた。

 大役を終えた、たい平さんは後半の冒頭ステージに登場。「こんなに口が乾いて足が震えたのは初めて」と話して笑顔を見せた。終演後は「落語の人情話のような場面もあったし、古典落語もクラシック。より多くの方にクラシック音楽を楽しんでいただくお手伝いができればまたやりたい」とホッとした表情を見せた。【本庄雅之】


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