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内海橋供用で変化再び にぎわいと交流の拠点

石巻市中央 橋通り

 石巻市中央を東西に通る橋通りには、旧北上川を逆流した津波が押し寄せ、自動車や岸壁に係留されていたボートが流れ込んだ。それらの衝突で一部の建物が倒壊し、波の引いた後は散乱したがれきとともに交通網を一時寸断した。【近江  瞬】

まちなか3月15日午前11時30分前後 (1)

打ち上げられたボートが道を寸断した(平成23年3月15日)

 橋通りはまちの中心部と中瀬をつなぐ内海橋に通じる重要な通り。かつては商店が軒を連ね、中でも中華料理店「中華楼本店」のラーメンには多くのファンがいた。店は被災でのれんを畳み、その後、周囲の一部建物と同様に解体された。

 にぎわいを失いかけた橋通りだが、震災後は地域内外の若者らの出会いの場にもなった。その拠点が平成27年に(株)街づくりまんぼうが開設した仮設屋台村「橋通りコモン」とその後の「コモンシップ橋通り」。地元住民やUターン、移住者たちの縁を生んだ。

定点2020橋通り (2)

コモンシップ橋通りや情報交流館などが立ち並ぶ(令和2年10月16日)

 こうした新たな活力に地元商店主らが応え、28年には震災後に途絶えていた夏の風物詩「橋通り夜店」が復活。翌29年は石巻商工会議所の会館が通り沿いに新築移転した。震災の記憶を伝承する機能も多く、24年に石巻日日新聞社の震災伝承施設「石巻ニューゼ」が開館。27年には市の復興まちづくり情報交流館中央館もオープンし、教訓をつないできた。

 そうした中、今年9月には新たな内海橋が橋通りを通過しないルートで供用された。年度内には現在の西内海橋も架け替えられ、橋通りは「橋につながらない通り」に変わる。来月8日にはコモンの閉場も控えており、橋通りは震災10年を前に再び変化の時を迎えている。


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