見出し画像

ダンボルギーニは永遠に不滅 11月3日で女川店舗閉店 今野社長「次のフェーズに」

 シーパルピア女川のテナントで、強化段ボール製のスーパーカーの実寸大模型〝ダンボルギーニ〟を展示し、注目を集めた「Konpo Factory」が11月3日で閉店することを決めた。7年間運営した今野梱包(株)=石巻市桃生町=の今野英樹社長(50)は「震災復興から次のフェーズに進む前向きな幕引き」と強調。「ダンボルギーニは永遠に不滅。今後は次代の若者が新しいコンテンツを生み出してくれることを期待する」と話した。

 ダンボルギーニはイタリアの高級スポーツカー「ランボルギーニ・アヴェンタドール」を、強化段ボールで作った実寸大模型。技術と遊び心を注ぎ、平成27年に発表した。派手なピンクが目を引く作品であり、細部も忠実に再現。見た目は本物と見間違うほど。

多くの話題をさらったダンボルギーニと今野社長

 同じ頃、女川町では駅前商店街のシーパルピアが開業。管理する女川みらい創造(株)から出店を勧められ、「復興に役立つのなら」とダンボルギーニの常設展示を始めた。当時の天皇皇后両陛下(現在の上皇ご夫妻)も復興地域の訪問で、ダンボルギーニを視察されている。

 それから7年。震災から11年が過ぎた。復興の象徴ともなったダンボルギーニを前に今野社長は「町も住民も私たちも復興から次のフェーズに進む。そんな中、ダンボルギーニが『ここにあり続けて良いのか』との考えに至った。だからこそ前向きな閉店」と幕引きを決めた。

 21日に開かれたシーパルピアのテナント会議で、今野社長は店主らに経緯を説明。「ダンボルギーニなどのコンテンツはいつか廃れてしまうもの。その前に幕引きし、次に移るべきと考えた。地域のための決断」と話し、店主らは労いを込めた拍手を送った。

 「正直、寂しい気持ち」と今野社長。「だが女川を離れても気持ちは女川と共にある。持てる技術で働く人の価値を高め、誰かのため、何かのためのモノづくりを継続していく」と決意を語った。ダンボルギーニの今後の活用法は未定。「もし活用したいと声があれば、町や観光協会、みらい創造などに贈りたい」とも話した。【山口紘史】





最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。