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石巻市調査 喫煙者割合5人に1人 分煙化進み受動喫煙は減少

 きょう5月31日は世界保健機関(WHO)が定めた「世界禁煙デー」。石巻市が本年度に第2次健康増進計画(平成27年度―令和8年度)の中間見直しをするのに当たって昨年10月に行った調査の結果では、たばこを吸っている割合は5人に1人で、健康志向の高まりとともに減少傾向にある。分煙化が進んでおり、他人が吸ったたばこの煙による受動喫煙の機会も減っている。

 調査は20-64歳から無作為に抽出した2700人を対象に実施し、1209人から回答を得た。たばこに関する調査項目では、その時点の喫煙状況や受動喫煙について尋ねた。

 喫煙は「以前から吸わない」が約半数の50.3%、「以前は吸ったことがある」は25.3%、調査時点で「現在も吸っている」と答えたのは22.6%。喫煙者の割合は平成27年の前回調査時が22.9%、24年の前々回は26.3%と調査のたびに減っている。

 24-27年の減少の増加は26年の消費税引き上げが関係していそうだが、近年は毎年のようにたばこが値上げされ、増税に慣れてたばこをやめるきっかけになっていないのかもしれない。

 たばこを吸っている割合は男性37.4%、女性12.7%。年代別では男性の30代(45.6%)、40代(42.2%)が共に4割を超え、女性は30代が17.8%で他の年代に比べて高い。喫煙者が減少しているとはいえ、県の圏域別調査(平成30年度)では、石巻圏域2市1町の喫煙率は男女とも県内トップにある。

 健康を尋ねた別の質問との関係では「健康でない」と答えた人のうち約30%が以前にたばこを吸っていた人で、「健康」と答えた人に対して以前の喫煙者が占める割合(約24%)より高かった。

 受動喫煙は「全くなかった」が家庭、職場、飲食店、その他(パチンコ店、ゲームセンターなど)の全部の場所で最多。一方で「ほとんど毎日」と回答した人の場所は家庭16.1%、職場16.2%、飲食店0.6%、その他1.0%で、いずれも前回調査から減少した。数値が低い飲食店とその他は「行かない、分からない」の回答も多く、分煙化や全面禁煙化の取り組みだけでなく、コロナ禍での外出自粛の影響を受けていると見られる。

 市は今後も医師会や薬剤師会と連携し、若年層からのたばこの害の周知や禁煙指導に努める考え。しかし、別の調査では気になる結果も出ている。1次産業従事者が多く加入する国保の特定健診における喫煙率は、平成29年の14.8%に対して30年が15.1%、令和元年が15.5%と上昇していた。

 ちなみに、たばこの売上げ本数に応じて配分される石巻市のたばこ税収は平成25年が最多の15億6379万円。喫煙者の減少で元年は12億6612万円だが、税率改正で前年よりも多くなっている。【熊谷利勝】


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