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自由に楽しく「ミートフリー1DAY」

「ミートフリーマンデー」という言葉をご存知ですか?
元ビートルズのポール・マッカートニーが提唱した言葉で、週に1回動物性食品を食べない日をつくろうという運動です。

「週一から菜食を実践してみる」ことで、地球温暖化などの環境問題や、かけがえのない資源を未来に繋ぐこと、動物の命を過剰に奪うことに対して、ポジティブなインパクトを与えることができます。
何より、実践する自分自身が健やかな身体を手に入れることができるっていうのが嬉しい。

現在はフリーランスで「食」に関わるあらゆる仕事に手を出している私。
ビーガン料理教室、ビーガン検定の講師、ビーガンシェフのアシスタント、企業へのビーガンメニューの提案など、様々なビーガンに関する仕事をさせていただいています。
(ビーガンとは全く関係のない仕事もしています)

私にとってビーガンは、食のジャンルの一種であり、強い使命感を持ってするものではなく、ただ楽しく美味しくて、ハッピーな気持ちでやっていること。
自分が幸せにやっていることが、周りにもいい影響を与えられるならラッキー!っていうくらいラフで自由です。
「〜ねばならない」からのスタートではなく、のびのび楽しく食生活を変えてみませんか?という提案をさせてください。


そして私、完全なるビーガンではありません。
完全なるビーガンになろうという想いもありません。
ピュアなビーガンの方には怒られてしまうかもしれないけれど…。
珍味と呼ばれるものも好んで食べるくらい雑食な私の暮らしの中に、なぜこんなにもビーガンが馴染んでいるのか。


少し私のことをお話しさせてください。


小さい時から食いしん坊。
食べるのも好き、料理するのも好き、親戚の畑仕事を手伝うのも大好きで、大学を卒業する頃には「食」関係の仕事に就くぞ!なんて意気揚々と就職活動をしていました。
しかし時は超就職氷河期。
やっと都内の食品会社に内定をもらったものの、地元に残ってほしい父から「1社だけでも地元の会社を受けてくれ」と懇願され、職安で進められるがままに渋々面接に行った会社。
やる気なしがかえってよかったのか、とんとん拍子に最終面接まで進み結局その会社にお世話になることになりました。
そこは建築資材総合商社、仕事はブラック超ハード。
けれど人間関係はすこぶるホワイト、手厚い福利厚生にも恵まれ、転職することもなく気づけば30歳目前。
時折やってくる「私このままずっとこの仕事だけしていくのかな?」って不安を埋めるかのように、好きな「食」の世界にのめり込むようになります。
そこからの約10年は仕事を続けながら、あらゆる料理教室に月2-3ペースで通い、月イチ八百屋へ丁稚奉公に行き、副業禁止なのにこっそりカフェでバイトし、有休をとってシェフのアシスタントし、失われた20代を取り戻すが如く「食」を学び、「食」を通して人と繋がることに夢中でした。


興味の赴くまま、学ぶことがただ楽しくて動き回っていたけれど、全てに共通するキーワードは確かにあって、それは「野菜」と「本物の調味料」そして「素材を活かしきる料理」でした。
今振り返ると手当たり次第だったわけじゃないってことが、自分の好きと興味の矛先がはっきり分かるんです。

八百屋で野菜の旬を知り、見たことも食べたこともない野菜を味わい、料理教室では調理法でどんな味の変化が起こるのかを学び、それまで以上に野菜が好きになった私の食卓は野菜料理だらけになっていました。
毎日の献立も、【肉or魚のメインディッシュ+副菜】という思考から外れ、主菜と副菜の区別なくその時にあるものでつくるものに変わっていきます。
八百屋で購入した野菜、実家から送られてくる野菜、ありがたいことに我が家にはいつもふんだんに野菜があり、必然的にあるものでつくる=野菜料理となっていったのです。

同じ頃に通っていた料理教室で、多くのホンモノの調味料に出会い、味わう機会を得たのもまた大きな変化でした。
本来必要な工程と期間を経て作られ、なおかつ必要なもの以外は使用しない調味料。
程なく我が家の調味料は総入れ替えとなり、同時につくれるものは自分でつくるという方向に進んでいったのでした。
いい素材とホンモノの調味料があれば、だいたいのものは作れるし美味しいということは確信となり、これはみんなにシェアしたいぞ!と思い始め、OLをしながら自宅で料理教室をスタートしたのは2014年のこと。

スタート時から、すべて植物性の素材をつかった料理教室でした。
お肉やお魚料理が人より得意だという自信もなかったし、普段から野菜料理ばかりしていたので、必然的にそうなりました。
ビーガンと謳ってはいなかったのは、どうしてもビーガンという言葉に排他的な香りが漂うから。
それは料理教室を始めて8年ほど経った今も、体感としてあまり変化がないように思います。
あれから今もずっと野菜メインの料理教室を続けているけれど、ビーガンの料理教室ですと大々的にアピールをすることはありませんでした。
「ビーガン」と看板を掲げることで、逆にビーガンに触れる機会を失ってしまう人が増えてしまうのではないか、という懸念が今現在もあります。


料理教室を始めて数年経つ頃には、様々なツテもでき、30代も半ばを過ぎてやっと転職をし(最初の転職は食関係ではなかったけれど)、様々な「食」に関する仕事を経験させていただきました。
そしてフリーランスとなった今、仕事の半分はビーガンに関わるものです。
好きだから、得意になり、楽しんでいたから、仕事に繋がったのだと思っています。


長くなってしまいましたが…。
そんな過去を経て、今の私の暮らしの中にビーガンはすっかり馴染んで溶け込んでいます。
「ねばならない」も「こうするべきだ」もない、ゆるっと時々ビーガン。
私の周りにはそんな風にビーガンを楽しむ人がたくさんいます。

ビーガンって、お肉もお魚も食べられないんでしょ?
その通りなのですが、それによって逆に食の選択肢が増えるように私自身は感じています。
その分、野菜や果物や乾物を食べる機会が増えて、新しい味に出会うきっかけになることも多いんです。
食卓に多様性がやってきます。
少なくとも私はそうでした。

それが楽しくて。自由な感じがして。とても好き。
ビーガン料理を選択することで、少しだけ未来に貢献できるというところも好き。
週に1回野菜メインのビーガン料理を楽しむことで、未来に残せるものが少しだけ増えるかもしれない。
食べるという毎日の行動をちょっと変えるだけで、しかも楽しく変えるだけで、明日が変わるなら、そんなにパッピーなことはない。

私はそう思っています。


2022年9月。
料理教室を始めてから8年目の年に、初めて「ビーガン」を冠したクラスをスタートします。
ビーガン料理を知ることで、毎日のご飯作りはもっと軽やかになります。
料理から、「〜ねば」が消えると気楽にサササーっとご飯を作ることができるようになる。これ、嘘じゃないんですよ!


手に入りやすい野菜、美味しい調味料、あると心強い乾物などを使って、毎日食べたくなるような、ビーガン料理をご紹介します。
あれでもこれでもそれでもできる、そんな柔軟性抜群のお家にあるものでできるビーガン料理。
週に1回、野菜が主役になる食卓を一緒につくってみませんか?







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