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港区と高校野球

前回は「大田区」の野球部を紹介させて頂いたが、今回は港区である。台場・汐留・赤坂などにはテレビ局が構え、白金・六本木などセレブ街を代表するように日本国内の世帯別年収ランキングでも堂々一位を誇る「港区」

見渡せば高級ビル群。あるいは聳え立つ高層マンション。
日本トップクラスの一等地の中に校舎を構える高校の多くは敷地も限られ、目一杯に野球に取り組める環境は無いと言える。

地方球場や、他の練習場を借りて工夫を凝らしながら白球を追いかけている。

①東海大高輪台

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2度の夏季東東京大会「準優勝」そして春季関東大会への出場等の実績を並び誇る強豪校。
平日は「さいたま総合グラウンド野球場」まで移動し、悲願の甲子園出場を目標に日々練習に取り組んでいる。

東海大系列13校で唯一甲子園出場がなく、都心の一等地が故、さいたままで移動し練習に取り組む環境等恵まれないが、実力は確かなものがあり、全国で「高輪台」として、「TOKAI」の縦縞が駆け巡る日は遠くはない。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会準優勝
●練習場所/さいたま総合グラウンド野球場
●練習時間/週6日
●主なOB/金子 隆浩(琉球BO)等

②広尾学園

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女子校から共学へと移り変わり、創部5年目の非常に若いチーム。
他の部活動との兼ね合い等あり、週3日の練習時間しか確保できずそのうち1日は「埼玉県三郷」にある室内練習場へ行き練習に励む。

公式戦での初勝利はまだないが、その喜びを掴み取った瞬間に広尾学園の野球部の歴史は大きく動き出すことになるだろう。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会2回戦
●練習場所/校庭・埼玉県三郷市室内練習場
●練習時間/週6日

③正則

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上記でも紹介させて頂いた正則高校。

東京タワーがすぐそばの一等地に校舎を構える同校も、やはりこちらも他の部活と併用の狭い校庭を使いながら、地方球場やグラウンドまで移動し練習に取り組んでいる。

それでも強豪相手に力強いスイングを放ち、大崩れしない守備を作り上げる事が出来ており、ベスト32の壁を超え16以上も充分に可能性を感じる。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会4回戦
●練習場所/校庭・江戸川球場 他
●練習時間/週6日

④高輪

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高校からは新規生徒を募集しない「完全中高一貫校」であり、多くの国公立・私立大学への進学者や、著名人を輩出している。
野球部も過去にはベスト8まで勝ち進んだ歴史を持つ。

「泉岳寺駅」「高輪ゲートウェイ」最寄りの一等地で、校庭を使用し練習に励んでいる。
6年間共にする為に団結力は大変強い。再びベスト8まで勝ち進めるか楽しみに期待したい。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会ベスト8
●練習場所/校庭
●練習時間/週6日

⑤芝

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芝〜慶應大学と活躍し、「侍JAPAN大学日本代表」に選出された「田中 裕貴」を輩出するなど、毎年実力のある選手を作り上げている。

中高一貫の男子校である同校は、東大・早慶始めとした名門大学への進学者を毎年多く出している事でも知られている。
大都会のど真ん中に校舎を置き、土のないグラウンドかつ週に2日は練習のできない環境でありながら、チームとしても2013年秋季大会にはベスト16へと進出するなど「文武両道」を掲げ、確かな力はある。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会4回戦
●練習場所/校庭
●練習時間/週5日

⑥都立三田

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東京でも随一の「進学校」としても有名な三田高校。

他の部活動と併用しながら、芝公園周りを走ったりトレーニングルームを使用してのウェイトに励むなど恵まれない環境下でもひたむきに練習に取り組む。
父母会による特設の応援サイトも充実しており、三田高校を検討中の中学生球児は一度覗いてみてはいかがだろうか?

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会3回戦
●練習場所/校庭
●練習時間/週6日

⑦麻布

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最難関レベルの大学進学者を毎年多く輩出する言わずと知れた「名門校」であり、「完全中高一貫校」である。

毎年部員不足に悩ませながらも、公式戦に出場し続け勝ちを諦めない。
夏の甲子園大会第1回(1915年)の予選会から出場し続けている非常に長い歴史を背負い、まさに東京の高校野球を語る上で外してはいけない高校だろう。

【プロフィール】
●夏季最高成績/都大会準優勝
●練習場所/多摩川グラウンド
●練習時間/週4日
●主なOB/安藤忍(元東映※現日ハム)


港区という都内一等地に校舎を構える高校において、野球に限らずグラウンドを使用する運動部にとってはやはり環境は恵まれてはいない。

それでも他の球場を使用したり、限られたスペースで練習に取り組み公式戦での1勝。そして聖地を追い続けている。