外教(外国人講師)と日本人日本語講師に対する私見
中国某大学では、外国人講師を『外教』と呼んでいる。(外国人教師の略だと思われる)
最近、その『外教』の扱いが目に見えて悪くなってきた。
明確に表に出ている事例として、これまで外教専用に貸し出していた校内にある2Kのアパート無償提供を廃止し、代わりに住宅手当(1,500元=約3万円)を出すようになった。
『いや、住宅手当の方が良いのでは?』と思う人もいるだろうが、中国で外国人がアパートを借りるのは非常にやっかいである。ネットで良い部屋を見つけても、外国人と言うだけで大家に断られる事が多い。
これには理由があって、外国人に部屋を貸す場合は、大家が借りる外国人と共に管轄地域の警察にわざわざ出向いて、届け出をださなければいけない。
これを怠ると、借りた外国人がアパートの住所を使って、居留届を警察に出したタイミングで未届けが発覚し、大家は警察に呼ばれてしまうのである。(ちなみに、駐在員は会社がやるのでこれらを全く知らない場合が多い)
なにより、大学構内は非常に安全だ。コロナ前は誰でも大学構内に入る事が出来たが、今は殆どの大学で関係者以外立入禁止になっている。中国語が全く出来なくても、校内なら外国人の先生と言う肩書で、快適に生活する事が出来る。
話しを戻そう。では、これまで外教に貸し出していたアパートはどうなったのか?
今は大学が外部から招いた教授や副教授に福利厚生として無償で提供されている。
「大学で外国語が重視されなくなった。」これが外教に対する待遇悪化の原因だと聞いている。
あくまでも、私の個人的な見解だが、元々、中国の大学で日本人日本語講師と言えば、60歳で定年退職したお爺さんか、20前半の若者が多かった。理由は給料が低く、家族を持っている人間だと到底生活出来ないからである。今でも、額面8,000元~10,000元(約16万~20万円)なので、結婚相手が中国人じゃない限り、中国で生活する事は出来ないし、日本の家族に仕送りする事も不可能だろう。
基本、全ての食事を大学構内で済ませ、駐在員に気を持たせて、高い食事を奢らせたり、高い物を貢がせたりして、毎月日本円換算で10万円以上を貯金したツワモノ(20代半ばの独身女性で中国人彼氏持ち)も知り合いにいたが、そんなのはごく一部だ。
中国で労働ビザが点数制になってから、60歳以上の日本人日本語講師は自動的にいなくなった。どうなるんだろうと思っていたら、30~50代の日本人男性が代わりにやるようになった。
1、2年、気の迷いや自分探し、もしくは年の離れたパートナー探しでやるなら問題ない。(20歳下と結婚したのに、最後は捨てられて、帰国した知り合いもいる)
だが、ずるずる続けると、必ず老後に影響する。私は2年以上やる事を絶対にお勧めしない。