自己紹介と経緯

こんにちは。今後の内容にも関わってくるのでこちらで自己紹介をまず。

先述の通りトロント大学Ontario Institute for Studies in Education(OISE)のM.Edプログラムを終わりかかっている(今学期で最後、且つ課題は全て出した)Kamijiです。

ここに至った経緯は以下の通りです。

・滋賀県某郊外のベッドタウンの市立中学を終え、高校1年生で、高校の交換留学団体(PIEE、何故か今は会社になってるが当時は非営利)経由でアメリカに1年留学
−実家は経済的には中の下ぐらいですが親が何となく勧めてきたので、特に断るでも無くノリで行きました。
−当時は勉強はそこそこするものの、受験概念があまり無くパッとしない中の中ぐらいの公立高校に入りました。
−全く英語出来ませんでしたが、同団体は当時4ヶ月の事前研修があったので「4月渡航→4ヶ月でなんとか仕上げる→9月から1学年高校で過ごす」という事が出来た。

・帰国後高校生活を興味なく過ごし、大学は
−近いので京都のどこか
−国公立は無理(センター試験向けの勉強、特に数学を全然やってない)
−私立、同志社か立命館ぐらいならなんとかなろう、
と調べ、立命館の国際関係学部が「英語の試験だけで入れて、アメリカ留学行ける枠がある」(DUDP-IR)のを見つけて、「まあ、受かるだろ」とそれだけ受けて無事受かる。(伏線1)
http://www.ritsumei.ac.jp/studyabroad/program/univ/advanced/program02.html/
−現地ではMajorがビジネス、Minorは哲学。(伏線2)

・卒業時点で興味の赴くまま授業を適当に取ってたので専門性が無いと思い、大学院を志望するも、学際系を受けて更に専門性の無さに気づき(伏線3)、そのまま国際関係の院でほぼモラトリアムを過ごす(伏線4)

・「留学関係の事ならそれなりに分かる」と私立大学の職員を中心に応募するも、Westernizedされた性格が災いして最終でいくつか落ちて断念。巡り巡ってレッドハット株式会社に就職(伏線5)。ただし専門性の無さから、どこかの時点で海外進学はしたいとは思い続ける。

・3年後「現地法人でHQから降ってくる謎の数字にこだわり続けられるほどの欲が無い」と感じて転職を試み、国際教養大学の採用を見つけて「留学歴あり、英語問題なし、同大学がビジネスと国際関係のメジャーなのでそれなりに分かる(伏線2回収)」と応募し採用・入職。

・3年程経った所でAPAIE出張で、大学の国際化のセッションを聞いた所「…自分留学もして、業界に3年居るのに、理論的な事何も知らない」と気づく。その後「高等教育という学問の対象がある」と気づき、キャリアアップの為にも本格的に検討する。

・翌年、通う前提で東大の大学経営・政策コース(http://ump.p.u-tokyo.ac.jp)を受け(伏線6)、筆記は通って面接で落ち「キャラとプログラムの方向性が合ってないっぽい…」と感じる。

・2018年に政治情勢や、オリンピックなど日本に居られんと思い、海外進学案件とキャリアを合わせて「高等教育の勉強を出来る大学院って、そもそもあるのかしら」(伏線3回収)と8月に探した所、UofT、UBC(カナダ)、Oslo(ノルウェー)、MaRIHE(Erasmus Mundus、拠点はフィンランド)を見つけ、英語圏の学位があるため英語のテストが追加で不要と明記(伏線1回収)されていた為、本格始動。
(※アメリカはGREの手間と、4年弱居たので他を、と思ったため避け、イギリスは1年と短いため除外しました。)

・UBCは費用面では本命、ヨーロッパは業務でも携わっており行ったら楽しかろう、UofTは格上なので厳しいだろうな(しかも学費高い)、と思いつつ、実務経験と業界の基礎知識(伏線6回収)を元に、Higher Educationの理論(下記1、2、7、10)を読んで勉強して3ヶ月後に上記へ出願。
https://www.eaie.org/our-resources/essential-reading.html

・2019年3月初旬、「全く期待していなかった」UofTから合格通知(ただしMA不可で、M.Ed.で良いですかという確認)が最初に来て驚く。以降Oslo、UBCと合格通知が。MaRIHEは結局英語の試験結果が必要で条件を満たせなかったものの、結果3/4。
−アメリカ滞在時の成績は出願下限であるギリギリ3.00は超えたものの、心許ない所を「モラトリアムだったが成績は悪くなかった大学院の成績」(伏線4回収)が足しになったっぽい、という読み。あとは実務経験。
−UBC、Osloは2年400万という概算(授業料滞在費込み)で、UofTは800万だったが、レッドハット株がIBMによる買収により値上がりしたため、強力な足しになる。(伏線5回収)

・そして2019年8月、14年振り3回目の留学へ…。

…と、ここでのポイントは
「やりたいことを見つけた」「行けると思ったタイミング」「その時に持っていた能力」「資金」が合ったのが2018年だった
・それまでの経緯、伏線が上手に途中途中で回収されていった。
短期的に準備出来るもの(その時可能な選択肢や志望動機)、長期的にしか準備出来ないもの(まとまった資金や実務経験、基礎知識)がある
の3点です。

言い換えれば「長期的に準備出来るものは日々蓄えておいて、やりたい事が見つかった時に動ける様にしておく」「可動性(mobility)」という発想が大事、という事です。私の場合は、そもそも伏線3の「5−10年で何かしに外へ行く」という事を考えていた時点で、ローンを組む様な大きい買い物や、ペット、自分の健康上負担になる事、大がかりな趣味等々は避けていましたが、そういったしがらみや制限が無く、また公立大学の年俸も安かったので(ここは後日の機会原価や損失にも関わる話)、いざ定まった時に「出て行くのが惜しい理由が無かった」とも言えます。

これは一方で、家族やパートナー、その他社会的なつながり等々、「多ければ多い方が良くも悪くも動きづらくなる(可動性が低くなる)」ということも意味します。(学部生に関してはTintoのTransition (Tinto, 1993)もそういう発想で、それ以前の状況から、新しい状況へは断絶が発生するから以前の状況と新しい状況との文化差がある場合には適応がより大変になる、と。)それは減らせとも増やせとも外野が言えるものではなく、「当人と当事者の選択として何に重きを置くか」という話ですので、今後はそれも踏まえながら「海外進学をする、という選択はどういう事なのか」少しずつ触れていきたいと思います。

Tinto, V. (1993). Leaving college: Rethinking the causes and cures of student attrition (Second edition) [Electronic resource]. The University of Chicago Press. 

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