Jリーグの異変(Jリーグはレベルが低い?)

ここに書く内容は2024年5月24日のデータをもとにする。

昨シーズン、高校の名門校である青森山田の監督を務めていた黒田監督が町田ゼルビアの監督として就任し、就任初年度でJ2を優勝、J1昇格に導いたことで、今シーズンJ1でどれだけできるかが注目となっていた。

ふたを開けてみると、今現在(2024/5/24)、町田ゼルビアが首位となっている。

さて、この黒田監督と言えば、「足元でチャカチャカして、何本パスをつないで得点をとるというサッカーに、日本の甘さがある。」という表現をされてサッカーファンの間ではいろいろと話題にもなっている。

実際のところ、町田ゼルビアはJ1で現状首位にいるわけで、ポゼッション派としてはなかなか反論のしにくいところである。


そもそも、ポゼッションに関しては以前からいろいろと議論が巻き起こっているわけだが、個人的な見解を言うと、ポゼッションを高めて得点を取るというのは非常に難しいと思っている。

というのも、現代のサッカーでは守備が非常に組織化されていて、その陣容が整った状態をくずして点を取るのには高い技術とチームワークが必要だと思っている。つまり、「サッカー」が上手くないとできないのである。

その一方、相手がポゼッションをして前がかりになっているところをカウンターで点を取るのは、守備陣形が崩れている状態であり、得点をしやすい。

つまり、ポゼッションを低めてカウンターをするのはインテンシティがあればよく、言い方は悪くなるが、ボールを扱う技術や攻撃におけるチームワーク、要するに「サッカー」が下手でも良いわけである。

そこで主題の「Jリーグはレベルが低い?」の発言につながるわけだが、ここで2023-24シーズンの主要なリーグとJリーグのボール支配率を見てみる。

順位→クラブ名→ボール支配率→ボール支配率の順位
プレミアリーグ
1マンチェスター・シティ→65.84%→1位
2アーセナル→58.5%→6位
3リヴァプール→61.87%→3位
4アストン・ヴィラ→53.32%→7位
5トッテナム→61.89%→2位

ラ・リーガ
1レアルマドリード→59.22%→3位
2バルセロナ→64.27%→1位
3ジローナ→57.13%→4位
4アトレティコマドリード→51.11%→6位
5アスレティック・ビルバオ→50.27%→9位

ブンデスリーガ
1レバークーゼン→62.0%→1位
2シュツットガルト→60.21%→3位
3バイエルン→61.62%→2位
4ライプツィヒ→55.38%→5位
5ドルトムント→58.26%→4位

Jリーグ
1町田ゼルビア→43.2%→19位
2ヴィッセル神戸→48.8%→10位
3鹿島アントラーズ→52.0%→7位
4ガンバ大阪→50.8%→9位
5名古屋グランパス→45.0%→18位

どうだろうか?
明らかにJリーグだけが異質であることがわかる。

もちろん、ポゼッションは高いと言っても、得点時はカウンターかもしれないし、カウンターされても得点されない「個」の高い守備陣がそろっているということもあると思う。

しかし、それを差し引いてもポゼッションを軽視するには無理があるデータであり、Jリーグは「サッカー」が下手なのではないかと思っても仕方がないのではないだろうか。

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