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寒い日記

巨大な寒波がやってきて、僕らを冷たさでおおう。冷たい心に、外的な冷たさをくらうなんてたまったもんじゃない。
あたたかさとぬくもりが欲しくてたまらないのに。

雪国生まれの母さんから、水道管が凍らないように、水を少し出しておくんだよとLINEが来てる。

友達から栃木の那須にある、モンゴルのゲルを模した宿泊施設に泊まらないかというLINEも来てる。
ちなみにモンゴルは今日マイナス27℃らしい。

関東の西は雪が積もらなかった。一瞬ちらっと雪が降ったその瞬間は、故郷を思い出した。腐っても僕は雪国で生まれ育ったのだ。
あの雪の中の日々の温度感を思い出しては、寒くても我慢して歩いた道のりを思い出す。
雪を見るとどこか、この冷たさを乗り越える力が僕にはあるはずだと思ってしまう。

10年に一度の大寒波らしいけれど、あと50年生きるとして、5回はこれほどの大寒波が来るのだろうか。だとしたら、残りの50年寒波以外の衝撃は何度やってくるのだろうか。僕たちは何度もあらゆるものに対峙しなくてはならないらしい。
ちなみにモンゴルはきっと明日もマイナス27℃だ。

春が喜びの象徴なのは、厳しいお冬様が盛大に振ってくれたからだ。美しい虹が掛かるのも、お雨様が振りをきかせてくれたからだ。

だとしたら、苦しみだって、喜びの振りなんだろ?そしたらいつかお苦しみ様と呼んであげるよ。そう思うしかやってられない。

それが溶けるのを辛抱強く待つしかない。

腐っても僕は雪国生まれだから。

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