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飲食を通して福井の可能性を広げていく 〜後編〜

2019年に仕事がきっかけで福井を訪れ、その後家族とともにIターンした神奈川県出身の髙田太賀さん。2020年5月には越前市に『bistro Un(ビストロアン)』を立ち上げ、2021年には業態の異なる2店舗をオープンしました。続々と新たなお店を展開する髙田さんの目指すこととは何なのでしょうか。後編では、福井でのビジネスの可能性について伺いました。

前編はこちら

飲食業で働く人たちのために決意した出店

ーー2021年になって2店舗お店をオープンされたとか。どんなお店か教えてもらえますか?

はい、フレンチの要素を取り入れたまぜそばのお店と、炭火を使った熟成肉料理のお店を福井駅前の目抜き通りにオープンしました。一店舗目のフレンチのビストロに比べると、よりカジュアルな雰囲気で楽しめるお店ですが、どちらも福井県ではここでしか体験できない、「非日常感を味わえる」空間を目指しています。

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▲新感覚のまぜそばが楽しめる『noeUd(ヌウ)』

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▲旨みが増した熟成肉のステーキを炭火でじっくり焼き上げる『U(ユー)』

ーー1年で2店舗もオープンとはすごいですね。社会状況的にも大変な時期の出店だったかと思うのですが…。

そうですね。コロナ禍で飲食業はどこも大変で、閉店を余儀なくされたところも多かったかと思います。私たちも例に漏れず厳しい経営状況だったので、新規出店は悩みました。

飲食業の仕事を続けていて、お客さんに喜んでいただくことはもちろんなのですが、そのためにはスタッフが幸せであることが重要だと僕自身思っています。この業界で働く人たちに「飲食業の楽しさや可能性をもっと伝えたい」という思いが出店の決め手となりましたね。

福井で起業する良さとは

ーー移住して2年でさまざまなチャレンジをされていますが、髙田さんが福井に感じているビジネスの可能性はどんなところにありますか?

一番はやっぱり「起業のしやすさ」かなと思います。

ーー起業のしやすさ?

はい、都内だとありとあらゆるお店があるので何か始めても埋もれてしまいがちです。それに比べると、福井は圧倒的に「個」が目立ちやすい環境ですね。新しいことにチャレンジするとすぐにメディアに取り上げてもらえますし、そこから人のつながりがどんどん生まれていくなと感じています。

オープンした2店舗も人のご縁で紹介いただいたことから具体化していったんですよ。

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ーー特に飲食業は立地なども大切だと聞きますし、情報は大切ですよね。人のつながりを生むために普段から心がけてることはありますか?

自分が過去やってきたことよりも、未来のことを語るようにしています。「地方から、飲食業の分野で給料が良くてイキイキと働ける仕事をつくっていきたい」と。

未来を語ることで、「応援するよ」と気にかけてくださったり、情報を提供してくださったりする方が集まってくるんです。僕みたいな29歳の若造であっても将来を見据えて伸びしろを評価してくれる方が福井には多いなと思います。そのためにはもちろん行動で示すことが大切ですけどね。

ーー福井で起業する方にアドバイスはありますか?

僕がアドバイスするのは「好きなことをやりたいから起業するのは間違い」ということですね。財務や労務、スタッフの教育などすべて自分の責任で回さないといけないので、むしろ、起業すると好きなことができなくなると思っています。

あとは、会社勤めと違って、自分で起業・開業すると厳しい意見をくれる人がいなくなります。開業した後に自分がどれだけシビアになれるか。それはどこで何を始めても同じだと感じています。

地域の若者の未来を応援する

ーー最近では本業以外にも移住やまちづくりなど、さまざまな分野で活躍されていますよね。

もっと仲間がほしいので、声がかかれば積極的にいろんな場所に出向くようにしています。福井には志のある若者が多いので、微力ながらいろんな方の背中を押すお手伝いができるといいなと思って。さまざまな活動に参加することで、地域の未来、そして僕自身の未来に対してもプラスになればと考えています。

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▲パネリストを務めた「ふくい若者ミライ会議」のひとコマ

2021年の6月には県の「ふくい移住サポーター」にも任命していただき、福井に興味を持っている方や飲食で働くことに興味がある方から相談されることも増えてきました。福井に住んで2年ほどですが、ネットで調べたら出てくるようなことではなく、僕自身が感じたことをお伝えできればと思っています。

ーー髙田さんが感じる福井の暮らしはいかがですか?

福井の暮らしはいろんな面でストレスがなく、心地が良いですね。人間関係は地方にありがちな濃い感じかなと思っていましたが、いい距離感があるし、意外に県外にも行きやすいので不便を感じることはありません。

東京での暮らしが長かったので、雪が降った時は驚きましたが、今では好きな景色の一つです。これまで足跡がない雪景色を見たことがなかったんですよ。田んぼ一面に雪が降った後の新雪の野原を歩くのが好きです。

経営者としても、常に新雪の野原を歩く気持ちで進みたいと思っています。「ここは歩けるんだよ」と誰かから言われるのではなく、自分で新たな道をつくる人になりたいですね。

ーー最後に、今後チャレンジしたいことを教えてください。

コロナ禍で、旅行や外食など外に出られないことで、よりその価値が本質的になったと思っています。福井の圧倒的な食のコンテンツと、この土地で育まれてきた歴史や自然と掛け合わせていくことで、観光の分野でも盛り上がるのではないでしょうか。

そのためにも、まずは飲食業として、日本国内から認知される存在を目指すことが今の目標です。資産やノウハウ、人材をあせらず育てていき、いずれは世界から注目される場所になるよう、福井全体を盛り上げていきたいですね。



noeUd(ヌウ)
住所:福井市成和1−3106 KENJIビル 1F
電話: 0776-43-6889
営業時間:11:00~15:00、18:00~22:00
定休日:月曜
https://www.instagram.com/noeud_fukui/

U(ユー)
住所:福井市大手3-7-1 104
営業時間:17:00-27:00(日曜は23:00まで)
定休日:月曜
https://www.instagram.com/u__fukui/


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福井暮らすはたらくサポートセンター ( 福井Uターンセンター )
〒910-0858 福井県福井市手寄 1 丁目 4-1 AOSSA7 階
電話:0776-43-6295 ( 東京、名古屋、京都、大阪にも窓口があります)
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福井県公式就職情報サイト「291JOBS」
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