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コンサルタントの今と昔2

こんにちは、Hi_Kickです。
以前書いたコンサル関係の記事、(僕が書いたものにしては)反響があった為、少し深堀しようかなと筆をとりました。

前回は今と昔(10年前)を比較して外観から変化を見ていきました。
本日は「コンサルタントの種類」の変化について。

というのも、昔は人も少なく専門性やら種類やら言っている場合じゃなかったのですが、今は(問題が複雑化している?)自身のカラーを付けていくことが求められています。

むかし(10年以上前)

私がJoinした総合ファームでは戦略・非戦略(IT)みたいな分けでした。
戦略ファームでは「コンサルタント」、以上だったと思います。

私は非戦略としてJoinしたわけですが、ITが分かれば良いということはなく、クライアントのビジネスモデル、将来像に思いをはせよと言われ続けました。(実際、IT案件だけでなくビジネスケースのアサインもあった)

パートナーとの飲み会の度に、決算発表は読んだか、クライアントの競合はどのような動きをしているか、マネジメント層の課題は何か。クイズの如く問われ続け、自分が担当しているプロジェクトの話をすると「視座が低い」とよく怒られたものでした。

背景には、以前の記事にもあった通りコンサルタントの人数が少なく、且つ案件も今ほどには多くなかったことがあります。

専門性を盾に、選り好みしていると仕事がなくなる

ジェネラリストになりましょう、との号令の下でロジカルシンキング等々、ベーシックなコンサルティングスキルを磨きつつ、ワイドレシーブに案件を受けるや否や猛烈に勉強する時代でした。

結果、システム案件は勿論のこと、新規サービス第三者評価、営業KPI再定義、需要予測データ分析、デジタルマーケ中期戦略、SCM領域DX5ヵ年構想等々、色んな案件に関わってきました。(逆に戦略Tは専門性が邪魔し、デリバリーが出来ず、当時は不景気も重なり仕事がありませんでした)

体感として、15年選手、20年選手と古い人ほど何でもできる人が多い気がしています。

いま(2021年)

私も今のファームに転職したのが2021年、2020年後半に大小様々なファームとの面談を繰り返していました。

「Hi_KickさんはSCM軸で動いてもらおうかな」

50人にも満たない小さいファームから有名な戦略ファームまで受けましたが、軸≒専門性について問われ、ディスカッションする機会が多かったです。

役職もシニアマネージャー、という中途半端な立ち位置だったこともありますが、「何でも屋」では通じなかったのが実情です。
(結果、”小売業”、”SCM”、”データ分析”というラベリングをしました。)

専門性がないと、本人も会社も売りにくい

コンサルティング会社はとにかく人が増え、組織も細分化され、会社としても注力領域を設定しながら案件獲得、人材採用を行っています。
かつてTopファームと言われた戦略ファームですら業界カットでチーム編成を行い、データ分析を請け負っていると聞いております。

建前として「問題が複雑化している世情、より深く理解する必要がある」とよく耳にしますが、昔と比べてソリューションが増えただけで、課題自体は大して変わらないのではないかなと感じているところです。

いまのコンサルタントの種類

各ファームの組織構造を見れば何となくわかると思いますが、
「業界×ソリューション」で分かれていることが多いと思います。

■業界コンサルタント

特定業界(金融業とか小売業とか)のクライアントを対象として活動。
業界固有の世情や課題を理解して、中期的な良きパートナーとしてファームの顔になります。
ずっと同じ業界、クライアントと仕事をしていると嫌でも詳しくなりますが、昨今では協業などの案件も増えており、「業界内での顔の広さ」も重要になります。

ちなみに、「むかし」の非戦略はこちらの業界コンサルタントに当たります。

■ソリューションコンサルタント
特定のソリューション(ITや戦略)をデリバリする部隊。
ソリューション自体が経年により陳腐化しない程度の粒度でカット。
デリバリの知見が蓄積されやすいため、業界やクライアントが変わったとしても一定の付加価値を出しやすい体制。
ソリューションを導入する時のみ参画する部隊であり、クライアントとの中期的な関係構築はあまり必要とされない。
特に細分化が進んでいる部隊で、戦略、Fin/Tax、Sales、SCM、CRM、IT(APP/Infra)、デジタル(無数に存在)等々

シニア層になると、ファーム内のKPIとして売上が求められるケースが多く、所属に関わらずクライアントとの継続的な関係性を構築する動きが必要になります。

感覚として、「いま」はソリューションコンサルタントの人数比が多いでしょうか。
以前からの案件で特定クライアントにお世話になっている人以外、特に新しく入社する人はソリューションコンサルタントに配属される傾向にあります。

一部のファームでは、一歩進んで「コンサル or デジタル」、業界カットをなくす動きも見られます。
建前としてはVUCA時代に”業界固有”という概念は古い、との判断の様ですが、内情としてはファームの人材枯渇にあり、人材のフレキシビリティを高める目的がある様に思えます。
(クライアントリレーションでKeyとなるコンサルタントは継続して業界コンサルタントの様な動きになっている)

(以前はというと・・・)
圧倒的に非戦略(≒業界コンサルタント)が多い状況でした。
「色々やってきたけど、得意なものがあるわけでもない・・・」
そんな感覚の中で働いており、不安に感じていた部分もありました。

今と昔、どちらが良いか?

元も子もないが、人によると思います。

昔は色んな経験が積めたが、専門性のなさから自信を得られにくく、その過程で潰れてしまう人も多かった。(同期の3分の1は1年以内に辞めた)

今は自身の成長を実感しやすい反面、自分がコンサルタントなのか疑問に思う働き方になってしまう人もいる。(が、気を病まず長く働ける)

【昔のコンサルタントが得られる能力】
・経験の幅(扱えるテーマ)
・独力、地頭(知らなくても何とかなる力)
 ⇒心のヘルシーさが少なく、メンタルタフネスが必要

【今のコンサルタントが得られる能力】
・専門性(パフォーマンスの出しやすさ)
 ⇒必要とされている反面、コンサルタントなのか悩む

昔のコンサルタントが良いと思う人は

せめて業界コンサルタントまたは、DX推進の様な扱うテーマが多岐にわたるソリューションコンサルタントとしてJoinすることをお勧めします。

SCM等の特定ソリューションコンサルタントとしてJoinした人でも社内で声を上げれば所属替えまでいかずともプロジェクトアサイン時にチャレンジさせてもらえる可能性もあります。

ソリューション軸で専門性を高め、事業会社にJoinし、また数年後に業界コンサルタントとしてファームに戻るのも一つの選択肢だと思います。

最期に強調しておきたい点として、
流されず、自分がなりたいコンサルタント像を明確にすること

たぶん今のファームはとても居心地が良い仕組みになっております。給料も良く、WLBもかなりケアされています。故に辞めずらい環境であり、ファーム側もそれを狙っています。

コンサルタントになりたかった理由は何ですか?

参謀としてベンチャー参画、起業、大企業の重役、色々あると思います。
楽して大金を稼ぐ、でも悪いとは思いません。

目的を忘れずにキャリアを歩んでいただければと思います。
というのも、まだまだ定年退職する人が少ない業界であるのも事実だからです。

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