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#小説
「君の唄が聴こえる#5」
「寝起きの端の夕暮れ」
聞いてない。
聞いてない。
聞いてない。
朝活だーとか言って、こんなこじゃれた街に繰り出して来た、
この人の朝イチのテンションにあきれながらも、
でも、
来なきゃよかった。
やっぱり来るんじゃなかった。
1時間前の私に警告したい。
せめて30分前の私の首根っこを掴んで、
いっそ15分前の私を羽交い締めにしてーーー
「すごく険しい顔してるけど、怒ってるわけじ
「君の唄が聴こえる#4」
「約束」
リビングにあるテレビは、私の両手を広げたよりも大きい。
彼がテレビを見ているところを、見たことがない。
大抵はソファに寝転がって、るんばをあやしている。
この家に彼の部屋はあるけれど、なぜかいつもここにいる。
私もいつの間にか、自分の部屋(と私が勝手に使っているだけ)へ戻るよりも、夕食の後はここにいることが多くなった。
なにせ部屋に戻っても彼が猫たちを連れて勝手に入って来るし、それにあ
「君の唄が聴こえる#3」
「暗い部屋」
その時初めて、私は彼の名前を知った。
「・・・」
私が声を忘れた理由はそれだけではなかった。
目の前に、超絶ウルトラスーパーハイレベルなイケメンが立っていたからだ。
イケメンていうのは声もイケメンなのだなぁ。
目の前の幻を見上げたまま、私の頭にそんな声が浮かんだ。
モデル?
俳優?
このキラキラは何だ?
嘘でもなんでもなく、その人は光っていた。
まるであの有名な妖精