[2021]IT投資動向 Report Memo
JUAS IT投資動向調査
調査期間:2021 年 9 月 10 日~10 月 27 日
調査対象:東証一部上場企業とそれに準じる企業 の計 4499 社
調査方法:ユーザー企業の IT 部門長に対し、WEB によるアンケート調査
(21 年度の回答数は 1132 社(有効回答率:25%)
出典1:https://juas.or.jp/cms/media/2022/04/JUAS_IT2022.pdf
出典2:https://www.itr.co.jp/company/press/211111PR.html
1. 業績とIT予算及びIT寄与度
企業業績 → 2018からの景気V字回復が顕著
「増収増益」30.4→52.6% 大幅増見込み
「減収減益」割合が42.1→21.2%に減少
IT予算 → 2022は更なる増 DXの進捗度合いが高い企業ほど増加傾向。今後、DXがさらに進む 企業とそうでない企業の二極化が進む予想
DI値 21年計画 29.6ポイント 新型コロナ禍前の水準 まで回復 22年予測 32.4ポイントと過去最高水準見込み
増加の主な理由
20年と同様に「業務のデジタル化対応」「基幹システ ムの刷新」「基盤整備・増強」
22年は「事業変革に向けたデジタル化対応」が大幅増。
企業経営における喫緊3大課題【IT寄与度】
業務プロセスの見直し・働き方改革 【IT寄与度:大】
サービス提供方法・顧客関係の変革・次世代ビジネスの創出 【IT寄与度:中】
人材育成・組織開発 【IT寄与度:小】
2.DXの推進
データ活用とレガシーシステム更改の2本軸。
DX推進課題は人材・スキル、体制、戦略の不足。(特にDXの企画推進およびデータドリブンでの業務革新人材)
「ワークスタイルの変化に伴うツール展開」、「紙媒体の電子データ化」は成果がでている 一方、「新たな価値創造」、「ビジネスモデル刷新」は検討されているものの具体的な取組 みや成果には至っていない
新規技術やフレームワークは、テレワーク(在宅勤務)を実現するためのテクノロジーやフレームワークの新規導入進む。(VPN,Saas,RPA,chat,「電子決裁、押印システム、電子契約システム」,MDM)
ゼロトラストセキュリティの概念は普及。
金融保険業種は導入が進む。ついで建築・土木、組立製造業など。テーマとしては、建築・土木は「働き方改革」、素材製造は「低炭素社会 への対応」、機械器具製造は「サプライチェーンの見直し」
3.セキュリティとガバナンス
今後(3年)のセキュリティ関連費用は半数以上の企業が増加を見込まれ今後も継続的に対策は強化される予想
セキュリティ施策の重点箇所は売上高や業種グループにかかわらず「防御」「検知」が中心
4.IT基盤・システム開発
DX推進には開発内製化率を高めることが有効。外部スペシャリストの一時的な活用で 進展するものではなく、継続的に全社的に活動を進めることで効果が出る。
5.データ活用の対応
データマネジメント強化への取り組みが増
データ活用の取り組みを進める企業の増加傾向が継続
卸・小売業で組織横断的なデータ活用が進む(金融保険80.4%、卸・小売り77.8%)
売上大企業は活用取り組みが進む傾向
1.データ種別で見た活用
基幹系(取引データ)、管理業務(経理・財務データ)、情報系(顧客データ)は活用済が5割以上。
非構造化データは、業種毎に特色あり
IoTデータ → プロセス系製造、組立加工製造で、2020昨年度より引き続き高い
マルチメディアデータ → プロセス系製造、組立加工製造やサプライチェーンで活用、金融保険でも活用
SNSデータ → 金融・保険で活用
外部データ → 活用は停滞気味
2.データマネジメント体制整備 (データガバナンス体制・データアーキテクチャ・メタデータ管理、データ品質・データセキュリティ・マスタデータ管理)
データ活用よりは低いが、着実に進み始めている
金融・保険が先行
マスタデータ管理は製造業が先行
データマネジメント主な課題
データ統合環境の整備
データ分析・活用のための体制・組織整備
経営層の理解
他 データ関連技術の習得,データマネジメント体制整備,社内データサイエンティストの育成
6.2022年度予想 from ITR
2022年度投資額の増減傾向を「投資増減指数」、2022年度において新規で導入する可能性のある企業の割合を「2022年度新規導入可能性」として動向を分析。その結果、2022年度新規導入可能性では「電子契約/契約管理」が投資増減指数では「IoT」が1位。
7.IT投資インデックス傾向 from ITR
増減傾向を指数化したIT投資インデックス。
2021年度の実績値は「2.28」となり、2020年度の実績値(1.93)や、前年調査時の2021年度予想値(1.72)を上回る。また、2022年度の予想値は「2.17」で、2021年度実績値(2.28)からわずかな下降。コロナ禍による大規模プロジェクトの延期など、短期的なマイナスの影響は縮小したものの、2022年度はIT予算を増加する企業がさらに増えるまでには至らない予想。
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