鉄を食う錆に、古くなったぼくの概念を差し出す
塩分の高い海水と
限りなくどこまでも深く青い空との間で
サンドイッチのように挟まれたぼくは
いつの間にか
ぼくという実態をなくし
海の青と空の青のまじわった青の中に溶け出してしまっていた
意識だけは、蛍の明かりのようにホワホワと浮いている
2つの溶け合った新しい青には全くと言っていいほど
肉体をなくしてしまうと言ったような恐怖も戸惑いもない
抗う手間が省けてとっても心地がいい
こんな想像空間を設置して、その中で明け暮れた時間を過ごす
夜らしい空が訪れをまじめる
もうそろそろだなぁなんて
わけも分からない得体も知らない到来を
あたかも待っていたフリをして分かったフリをしている
それでも太陽は西に向かい落ちはじめる
鉄を食う錆に、古くなったぼくの概念を差し出す
すでに東から静かに気づかれないように昇って来ていた月は
ゆっくりと姿をあらわにしはじめる
人は、ぼくは、感じたものを
生まれた時からもともと持ち合わせていた気質を通して表現している
良し悪しの気質というよりは、なんでその気質を選び手にしてこの星に来たのかが重要な気がしている
だから、何かを感じる時があったならば
ソレを知る良き機会なのかもしれない
そのためにぼくは、この星の上を歩いている
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