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目標と目的を正確に理解すること

こんにちは。

皆さんは目的と目標の違いは言えますか。
最近仕事をいていて、目的と目標の違いを正確に理解している人って少ないのかな、と思っています。目的と目標について、思い悩むことがありすぎて、仕事が進まない(涙)こんなに気にしているのは私だけ!?

ここで手段の目的化は嫌い、って挙げていますが、目標の目的化もたぶん好きじゃないです。いや、好きじゃないです。
だから、気になってしまうのだと思います。



1)辞書的な意味の違い

 超久々に高校の時に使っていた電子辞書を引っ張り出しました。
 まずは『広辞苑』をひもときましょう。

目的
①成し遂げようと目指す事柄。行為の目指すところ。意図している事柄。
②意志によってその実現が欲求され、行為の目標として行為を規定し、方向付けるもの。
目標
目印。目的を達成するために設けためあて。的。

つまり、目的があって、その達成のために目標があるんですね。



2)3人のレンガ職人の話

 イソップ寓話にこのような話があります。

世界中をまわっている旅人が、ある町外れの一本道を歩いていると、一人の男が道の脇で難しい顔をしてレンガを積んでいた。旅人はその男のそばに立ち止まって、
「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねた。
「何って、見ればわかるだろう。レンガ積みに決まっているだろ。朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。あんた達にはわからないだろうけど、暑い日も寒い日も、風の強い日も、日がな一日レンガ積みさ。腰は痛くなるし、手はこのとおり」男は自らのひび割れた汚れた両手を差し出して見せた。
「なんで、こんなことばかりしなければならないのか、まったくついてないね。もっと気楽にやっている奴らがいっぱいいるというのに・・・」
旅人は、その男に慰めの言葉を残して、歩き続けた。もう少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会った。先ほどの男のように、辛そうには見えなかった。旅人は尋ねた。
「ここでいったい何をしているのですか?」
「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事でね。」「大変ですね」旅人はいたわりの言葉をかけた。
「なんてことはないよ。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。俺なんて、ここでこうやって仕事があるから家族全員が食べいくことに困らない。大変だなんていっていたら、バチがあたるよ」
旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けた。また、もう少し歩くと、別の男が活き活きと楽しそうにレンガを積んでいるのに出くわした。
「ここでいったい何をしているのですか?」旅人は興味深く尋ねた。
「ああ、俺達のことかい?俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」
「大変ですね」旅人はいたわりの言葉をかけた。
「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」
旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けた。

同じレンガ職人、同じ仕事をしているのにも関わらず、意識が違うことがよく分かると思います。
1人目は、レンガ積みをすること自体が目的になっています。ただ日々の仕事をこなしていくだけ。たのしくなさそう。旅人も「慰めの言葉」しかかけられません。
2人目は、家族を養うという目的に向かって、レンガ積みの仕事をしています。1人目に比べて、とても前向きに思われます。なので、旅人も励ましの言葉をかけます。
しかし、3人目はどうでしょうか。3人目は、歴史にのこる大聖堂を造るという目的のもと、レンガ積みをしています。とても楽しそうですよね。2人目も家族のためという目的を持ってはいた。でも、本当に大事なのは、3人目が言っているように社会に対して自分がどうしたいか。これが本来の目的ではないだろうか。旅人も最後にお礼の言葉をかけていますね。みんなhappy!
つまり、目的があれば、自分のしていることがどこにつながっているのかが理解できれば、一つ一つの物事に意味を見出せるということですね。



3)現代社会に落とし込んでみたら

では、実際はどうなのか。

私も前出の記事で言及していますが、これまでの人生振り返ると、受験や就活というように進路選択それ自体が目的になりがちなんです。受かることも就職することも確かに大事。でもそこでなんとなく選んでしまったり、誰かの言う通りに選んでしまったりして、あとで苦しむのは自分。

往々にして、目的と目標のはき違えっておきているなと思うんです。例えば働き方改革は社員のQOLの向上のためであり、休みを確保するためではないはず。(※休みは大事です。)

よく新入社員研修などであるのは、会社の理念や創業者の思いを理解するということ。会社に入れば、KPIとか数値目標も必ずあるけど、それを達成することが会社の目的ではないはず。その理念を追い求めて、必要だから目標に落とし込まれるわけで。成果目標があって。その成果をだすために行動目標を立てるわけですよね。



4)たとえば、AO試験

私、前職では、AO試験対策がかなり上位で好きだったのですが。しかも、最後の年はAO試験に絞ると第一志望合格率100%!落とさなかったですね。

なんでかなーと振り返ってみると、目的と目標の違いを認識させた上で、志望理由書やエントリーシートに文章化させていたかなあと。当時は目的も目標もそんな直接的には教えないですよ(笑)私もなんとなくでやっていたし。
ちなみに、仮に、一般試験じゃ受からないからというマイナスな理由で、進学の目的なんて微塵もなく受験を決めた場合も作らせます。それが仕事だから。

目的:○○になって、△△することで社会に貢献したい。
目標:そのために、◇◇大学に入って、
   **の勉強をしたい。★★の経験を積みたい。
現状:そのために、今はこんな努力をしている。こんな計画を立てている。

ざっとこんなストーリーでしょうか。
絶対に大学入学をゴールにしない。大学卒業を経て、社会に出ることをゴールにしない。その先を見据えさせます。
「教師になりたい。」っていう生徒には、どんな教師か考えさせます。「看護師になりたい。」っていう生徒にはどんな看護師か考えさせます。よく○○な教師(看護師)と形容する言葉をつけさせていました。「スポーツ器具の開発をしたい」っていう生徒には、開発してどうしたいのか。なぜ開発したいのか。考えさせましたね。もちろん調べものもさせます。

これが合格の秘訣かなと。かなり具体性も熱意も伝わると思います。
それに必要なことだと思うんです。仕事って自己実現だと思うから。社会人って学生よりもずっと長い。それなりに楽しくないとやってられないって(笑)だから、進路選択の段階で、こうやって自己分析することは結果うんぬんよりも、もっともっと大きな財産になるんじゃないかなと思っています。

実際生徒も対策しながら、やりたいことってこれだ!と言語化されたり、見えてきたりすることもありましたね。そんな生徒が作れたら、私は満足。



5)たとえば、転職活動

それを自分に置き換えるのは、人のことより難しかった(笑)人のエントリーシートはいくらでも推敲できるのに、自分のが書けない(笑)

私の場合、ある程度3年かなという期限もあって、もうここで転職するしかない!と覚悟も決めていたから、転職することが目的化していた時期もあったかもしれないなと今更ながら。(詳しくは最初の方のnote読んでくださいな)

転職活動がうまくいってる実感が得られ始めたのって、自分の軸が固まってきたあたりからだったかなと思います。やはり、目的ですわよ。



6)まとめ

目的と目標。似ているけど、正しく理解していないと大変じゃないか。と思います。

なりたい自分を描くことは、目的じゃない。なりたい自分になって、どうしたいかが目的。もちろん、なりたい自分に近づく過程は手段であり、目標。人のキャリアに携わる仕事をしているから、尚更ここをはき違えて仕事したくないなと最近とても強く思っている次第です。



7)おまけ

3人のレンガ職人の話を最初に知ったのは前職。辞める直前でした。

でも結局前職は、教育としてどんなに崇高な仕事の目的をもって励んでいても、利益がなければならない。ボランティアではサービスが続けられないから。でもだからといって、評価軸が営業一本化されると、目的とそこに向かう目標がなんだかかみ合ってないなと。評価されるために働いているわけでもないけど。そんなこともあるんですね。



ここまで書いて少しスッキリしてきました。
私は私の生きる目的をしっかり胸に秘めてがんばります(?)