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日記 2023年10月23日(月)〜10月24日(火)

10月23日(月)の日記

今日は誰ともひと言も言葉を交わさない一日で、こういう日もあるのだ。前後左右にたくさんの人がいても話さない日がある。それが都会というものらしい。

帰り道、姪っ子の顔が見たくて突発的に途中下車。孫と遊ぶのは疲れはするが、母にとっては幸せなことのようで安心している。二人でカラオケ店に入って、パパ(僕にとっての弟)の帰りを待っているというので会いに行った。
顔を見るのは今日が二度目だが、覚えているかと尋ねると「ひろしくん」とはにかんで言うのが異常に可愛くて。持ち込みのパズルやシャボン玉で一緒に遊んで、頼まれてもいない抱っこをして、またねと言ってバイバイした。パパにアイスを買ってもらうのに夢中なその子は心ここに在らずで手を振って、スーパーのドアをくぐっていってしまった。

10月24日(火)の日記

朝の小田急線は「旅客転落」によりダイヤが乱れていた。間に合うかハラハラするのは嫌いだが、余裕もって一本早い電車で行くとなると20分も出発を早めなければならない。まったくなあ。

昨日と打って変わって、たくさん会話をした。人は言葉を交わすことによって「人間」になるのだと実感。僕はやはり人と話をするのが好きみたいだ。

帰りの電車で「記憶の盆をどり」を読み終える。たとえば《付喪神》は、読んでいる最中はただその奇想天外さに度肝を抜かれ続けるSFお伽アクションだ。しかし冷静になって考えると、こんなものがよく一本の話として書き切れるものだと脱帽する。康保年間の京の街で、長い年月をかけて付喪神化した茶碗が道端に捨てられるところから話は始まる。その後のストーリーを要約するとこんな感じ。
同様に捨てられたさまざまの器物(付喪神)たちは捨てた人間に復讐を企てようとする→争いを拒否し仏道に帰依する一派登場→復讐の器物たちは節分に妖怪変化→人間を相手に非道の限りを尽くす→見かねた貴族らは武士に調伏を依頼→武士逃走→神仏を頼って寺院に依頼→寺院は依頼放棄し異形の仏道新派に丸投げ→新派とは戦いを避けたあの器物集団だった→悪行の器物vs人間派器物の全面対決→祈りの力で護法童子が出現→さて結末は?というとんでもない超スペクタクル“短編”なのだ。(あらすじを知ってから読んだとしても面白さ完全保証)

器物たちの百鬼夜行「付喪神絵巻」が描かれたのが康保の頃。絵巻エンターテインメント。あまりにクレイジーで圧倒的に面白い、凄まじい読書体験だった。

他に《エゲバムヤジ》《百万円もらった男》《ずぶ濡れの邦彦》《狭虫と芳信》、タイトルになった《記憶の盆をどり》とどれをとっても満足。

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