Apex Legends 日本勢大活躍 初の世界大会観戦で感じた興奮と大会の課題 大会レビュー
おはようございます。HYSです。
3年ぶりに開催された世界大会。3日間に渡る過酷な戦いを制したのはAPAC SouthのReigniteでした。
Reigniteは日本人がオーナーで、日本でも馴染みのあるチーム。今大会はチームの顔であるGenburten選手が直前で出場できなくなるというハプニングもありましたが、IGLのZer0選手が大会MVPに選出される活躍もあり見事チャンピオンに輝きました。
今大会はスウェーデンのストックホルムにて選手が一同に会し開催された3年ぶりの世界大会。
振り返っていきたいと思います。ちょっと長いです。目次から興味あるところだけでもご覧ください。
【世界の強豪と日本チームの躍進】
試合内容は申し分なかった。
優勝したReigniteは期待通り、それ以上の活躍。チームのエース格Genburten選手の代わりに急遽出場したJmw選手は大会直前までイギリスの自宅にいたということで、本当に急増チームでの参戦。
Genburten選手の代わりということでプレッシャーもあったとは思いますが、優勝後インタビューでは、自身のピックロールの広さや、IGLのZer0選手についていくだけだったというコメントを残しており、
周りに合わせることができるユーティリティプレイヤーというのはゲームの世界でも大きな存在だということがよくわかりました。
その他TOP10の結果を見ても、強豪揃い。特にNA地域は戦前の予想通りの活躍。
そんな中でも日本のTeam UNITEとGAME WITHのTOP10に入る活躍は多くのファンを驚かせました。
強かった。
特にTeam UNITEはマッチポイントに到達し、優勝がすぐそこまで来ていました。
Reigniteがマッチポイントになった2試合後にチャンピオンを獲ることになり、惜しくも優勝を逃しましたが世界3位は立派な成績です。
もっと話題になって欲しい。本当に素晴らしい活躍。Apexでも日本チームが世界一になるチャンスがあるんだと証明してくれました。
ここからは世界大会ならではの名場面を振り返ります。
■運命の最終マッチ Reigniteのエリアコントロールとポジション取り
日本のUNITEは最終マッチでこれまで、APAC Northの予選から続けていた、
ヴァルキリー、ワットソン、クリプトの構成から、ヴァルキリー、ワットソン、ジブラルタルに変更し、勝負に出ました。(優勝の可能性が3チームしかなかったのでUNITEはファイトができる構成に変えてチャンピオンを獲りにいきました)
試合自体も惜しかった。終盤になり、良いポジション(最終的に勝てるポジション)に入ったUNITEでしたが、エリアに入るタイミングが少し早かった。入るところがそこしかなかったんですが、
最終的に優勝したReigniteがエリアを広く取り、UNITEのいたポジションを制圧(Zer0選手のクレーバーが…恐ろしすぎた)、そして残り3部隊。
実況解説の方々も仰っていましたが、残り3部隊の時点でReigniteの優勝が80%は決まりました。※アーカイブを是非見てください。
しかし、ここで20%のReigniteが負けるのではという世界大会、マッチポイント制ならではの可能性が出てきます。
残り3部隊。崖上のポジションを取っていたLuminosity Gaming。すぐ下にはOpTic Gaming。
Luminosityとしてはすぐ下にOpTic Gamingがいる以上、簡単には降りられないし、かといってファイトを仕掛けてしまうと、Reigniteに漁夫られてしまい、優勝が決まってしまう。
OpTicも同様に、真上にLuminosityがいる以上容易にReigniteに攻め入ることはできない。
しかし、このままいくとリングの収縮と同時にLuminosityとOpTicが自動的に戦うしかなくなります。
Reigniteとしてはリングの収縮までLuminosityの上からの攻撃に耐えることができれば、優勝がが固い。
ここで、Luminosityが最後の賭けに。
Reigniteがいるポジション(結構遠い)にコースティックのアルティメット、ガスグレネードを投げました。
通常であれば投げない距離です。おそらく優勝がかかっているReigniteを止めなければいけないという心理もあったでしょう。
そして、このガスグレネードが見事に刺さります。Reigniteのジブラルタルがダウン…!!!
これでReigniteは最後の戦いでドームが使えない。。。もしかしたら。。。
しかし、少し時間が足りなかった。リング収縮が始まり、Luminosityは下に降りるしかなくなり、OpTicとのファイトになってしまいます。
その間にReigniteはジブラルタルの蘇生に成功し、あとはウイニングラン。戦っている2チームをきっちり漁夫し、優勝を決めました。
■世界基準
ジブラルタルがダウンしたときにOpTicもしくはLuminosityが攻めていれば…ジブラルタルに確殺が入っていれば…色々な想いはあるんですが、Reigniteは決勝初戦も日本の2チーム相手に圧倒的な不利なポジションから勝っています。
海外チームは火力が強いというイメージでしたが、大会通じて、きっちりポジションを取る、戦うタイミング、エリアのコントロール、そこでどうやって耐えるの???という場所からの移動など、すべて高水準。
APACNorthの強みだと思っていた、ムーブもしっかりできるチームが多い。本当に強かった。
しかし、これは日本チームにも言えることで、日本チームは火力で苦戦するのではという戦前の予想もありました。
しかし、day2のLOSERSあたりから、日本チームも積極的にファイトにも行っていましたし、昨日も普通にGAME WITHがCloud9に戦闘仕掛けて壊滅させたり、海外の強豪に引けを取らない活躍。
決勝前も正直言って日本チームは苦戦するのかと思っていましたが、謝らなければいけません。申し訳ありません。。
日本チームの火力も世界に通用します。もちろん立ち回り、戦闘に行くタイミングなど、火力だけではないですが、しっかり世界基準でした。
最多キル賞TOP20に日本人選手が3人も入っているのが何よりの証明でしょう。
■個人的に一番かっこいいと思った名場面 TSMのチャンピオンの決め方
決勝戦GAME4の最後のシーン。この試合、初動で一人落とされたり、安置の外から入っていくという厳しいムーブを強いられたTSMでしたが、残り3部隊になった場面。
TSMがポジション的に圧倒的に有利でしたが、まだまだTEAM EMPIREにもチャンスがあった状態。(OpTicは残り1人。)
しかし、EMPIREの一人が落ちたとわかった瞬間、TSMはImperialHal選手は残り1人のOpTicの選手に単独で勝負を仕掛けに行ったんです。
本当にかっこよかった。。。
EMPIREも残り2名生存だったので、こちらは2on2です。負ける可能性だって十分あります。
最悪、どちらも負けてしまうとまさかの3位で終わるということも充分考えられる場面。
しかし、どっちもきっちり勝って見事チャンピオン。
EMPIREと3vs2をしている間にOpTicが蘇生を通すことも考えられますが、それでもまずはEMPIREを確実に仕留めてからで良かったようにも見えます。
ファイトの自信と選手間の信頼。普段自分たちは絶対しないですし、競技シーンでも見たことがありませんでした。
これが世界か。。。今大会で一番のかっこいいシーンとして挙げておきます。これも是非アーカイブでみてください。本当にかっこいいので。
【競技シーンは学ぶシーンもたくさん 観戦の勧め】
昨日はちょうど大会開始前に、カスタムに一緒に出たりしているメンバーの方に一緒に観ましょうと誘っていただいたので、ウォッチパーティーをしました。
その後、あと1名合流し、3人で観戦していたのですが、これだけApexをプレイしている人がいても競技シーンを観戦する人が少ない。少し寂しさもあります。
ハイレベルすぎて競技シーンから僕らが学べることは少ないかもしれないですが、ちょっとした動きなど参考になることも。
ウォッチパーティーがすごく良かった。単純にスーパープレイを一喜一憂する面白さもありますが、1人だと気がつけない技などを共有することができます。
例えば、とある場面で、ある選手が撃ち合っていました。しかし、別のチームに撃たれるとすぐに撃つのを止めて、引く判断。
引くときに選手の視点が一瞬真下になる場面があり、なんで下を向いたのか僕にはわかりませんでした。
そんな細かい技術があるんですね。プロすげーな。。。
こんな感じで、普段全然気にしていないプロの技術とか、1人では気がつけないことを理解できたりします。
ちょっとした動きにも意味があり、それを共有することができるのはすごく楽しい。競技シーンの楽しみ方ですね。
【大会の課題】
大興奮の中幕を閉じた世界大会ですが、この大会には続きがあります。
次回は年間チャンピオンを決める大会がアメリカで開催されます。7月7日~10日。
上記のチームにこのあと行われるLCQを勝ち上がった10チームを加え、今年最強を決める大会です。
日本チームも既に多くのチーム出場を決めています。また楽しみな大会が控えています。
その前に是非今大会を見直して、次に活かして欲しいなと思います。
■試合日程
既に次回大会も3日間になっており、もう変更はないと思うんですが、3日間でこの試合数、放送時間は誰も幸せではありません。
試合数に関しては仕方がない。このレベルでチームの実力が発揮できるようにするには試合数をこなさないと結果に反映されにくいのはわかります。短期決戦すぎても面白くはありません。なるべくラッキーの要素を減らすためにも試合数の確保は必須。
しかし、ぶっ続けで12時間以上の試合をするのは選手の健康面を考えても、視聴者数を考えてもメリットはほとんどありません。
僕ら日本人は今回はたまたまGWということもあり、楽しめたファンも多いはずですが、それでも世間を巻き込んだ盛り上がりを見せたかというと疑問が残ります。
日本目線で言えば、day2で一番盛り上がった試合(日本チームがチャンピオンを獲った試合)が放送開始から12時間経った頃でした。
海外での大会なので、時間帯はしょうがないにしても、放送時間が12時間を超えるとなると、最後まで観戦するというのは簡単ではありません。
会場の都合、経済的なの都合、あるとは思いますが、長い目で見て利を考えるのであれば、日程を増やすというのは考える必要があるのではないでしょうか。
■PCトラブルによる対処
試合中、PCトラブルにより続行できないチームがいたと聞いています。
現地では選手・チームに対して説明があったにしろ、ファンに向けての発表がないのは少し配慮に欠けます。
トラブルはあるにしてもその対処が曖昧。チームが泣き寝入りするしかないのはあまりに残念。
仮に、昨日のチャンピオンが決まるあの場面でReigniteの選手にPCトラブルがあったとしたら、それを選手に受け入れろ言うのか。少なくとも心からReigniteを応援していたファンは黙っていないはずです。
トラブルが起こるのは仕方ありません。その後の対処と決まりを明確に提示してもいいかなと思います。
■大会演出
会場も素晴らしい作りで、トロフィーもかっこよかった。しかし、大会演出はもっと作り込んでもよかったのではと感じます。
インターバルの選手の様子を紹介するのはすごく良かった。選手がどんな表情なのかは気になります。
ただ、各チームの選手紹介や、入場など、オフライン大会の会場を活かした演出が配信ではほとんど感じられませんでした。
せっかく、素晴らしい会場ですし、これまで競技シーンを見て来なかった方々にアピールする意味でも何かイベント的な場面が欲しいです。
海外の本配信では試合途中で、プレーの解説をしているシーンが放送されていました。これは是非日本の配信にも取り入れてほしいですね。
プロがなぜあの動きをしたのか。エリアの取り方など、見ているだけではわからない場面はたくさんあるはず。
日本の解説にも元プロ経験者が出演しているのでできるはずです。
■新しいUIは是非ゲーム内に実装を
今大会画面の表示で気になったことが。
一目で選手の物資がわかるようになっていました。これはすごくありがたかった。
フェニックスキットを以外に持っている選手が多かったですし、グレネードがそんなに数を持っているわけではなく、投げるタイミングが大事だということ。
これだけでも学べることがすごくありました。ゲーム内に実装してもいいのではと思うくらいでした。
■さずがのカメラワーク
これも良かった点。日本勢があまり映らなかったという感想がちらほらありましたが、これはどの地域も思っていたと思います。
NAが多いのは残っているチームが多いからですし、そもそも戦闘シーンメインになると仕方がありません。
それよりも、的確に戦闘シーンを放送していましたし、こんなにApexって騒がしかったっけと勘違いするくらい切り替えもスムーズ。
さすがの20チームも入る中でさすがのカメラワークだなと感心しました。
【さいごに】
長々と書いてきましたが、久しぶりのオフラインの大会日本勢の活躍もあり大興奮しました。これからの大会が益々楽しみに。
課題が出るのは良いことだと思いますし、これから大会としての精度も上がってくるはずです。
残念ながら、あまりメディアで出ることも記事も少ないのは少し寂しいですが、全力で書かせていただきました。
少しでも大会に関心を持ってもらえれば嬉しいです。レジェンド構成などはまた機会があれば触れたいです。クレーバーにも賛否あったようですが、これもバトロワ。魅せる要素なのかなとも思います。
ということで僕も初めての世界大会楽しませていただきました。お付き合い、ありがとうございました。
そして、おつかれさまでした。また7月にお会いしましょう。
HYS
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