【小説】僕のファルマス滞在記:第三章
第三章:はじめてのおつかい
一、セメトリーに入ると、「彼ら」の姿は僕の目により鮮明に映ってきた。塀の外からは青白い影が無数にうごめいているようにしか見えなかったため、恐ろしいと感じるよりほかなかった。しかし、近くでまじまじと観察してみると、輪郭が透けているという点を除けば、各人が人間と違いない容貌をしていることが分かった。目の周りが黒いとか髪がやたらに長いとか、流血しているとかいった、ホラー映画で描写される姿とはかけ離れたものだった。服だってちゃんと着ていた。そう、彼らはれ