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フリーコンサルの人生戦略

僕自身、これまで「フリーコンサル×スモビジ」というテーマを軸にTwitterで情報発信してきたこともあり、これまで合計数十人以上の方からフリーコンサルへの独立について相談を受けてきました。

特にここ最近はかなり増えてきた印象で、多い時は週5件ほど相談を受けた時もあります。

色々お話する中で、僕自身の思考も整理されてきたので、改めて言語化したいと思います。

自己紹介

キャリアとしては、新卒でBIG4コンサルファームに入社し、その後大手事業会社を経て、フリーコンサルとして独立&起業という流れです。

独立&起業後は「フリーコンサル×スモールビジネス」というスタイルで活動していて、2022年のはじめには事業売却を経験しました。

現在は、自社でコンサル事業をやりながら複数のスモールビジネスを運営していて(一部出資も含む)、一定規模に到達したら売却してまた次の事業を立ち上げるということをしていきたいなと考えています。

フリーコンサル市場の現状

「フリーコンサルの人生戦略」について書く前に、まずフリーコンサル市場の現状について少し説明しておきたいと思います。
(※あくまで僕や同じくフリーコンサル経験者である共同創業者から見えている世界の話です)

直近のフリーコンサル市場では、20代半ば~30代前半の若手層の独立が増えてきている印象です。

慢性的な人手不足に加えて、リモートワークの普及に伴う育成ハードルの上昇、コンサルファームの採用規模拡大に伴いこれまで採れていた層の採用ハードルの上昇などのトレンドに加えて、企業としても業務委託・副業人材を受け入れるようになってきており、20代半ば~30代前半でフットワーク軽く手足が動かせる優秀な人材のニーズが急拡大しています。

一方、20代半ば~30代前半の人材からすればあくまで目安感ですが9~17時の生活で月120~200万円くらい稼げてしまうので、より自由に働きたい、でも収入は落としたくないという層にとっては魅力的な選択肢になっています。
(知人にはフリーコンサルとして独立して地方移住×週3勤務で年収1000万円くらいもらいながら自由を謳歌している人もいます)

(参考)3年前に自分自身のリアルな働き方などを赤裸々に書いたnote

その結果として、一昔前では独立して食べていくことができなかった20代半ば~30代前半で、豊富な経験・知見がない層(ちなみに客観的に見て自分自身もここに該当します)の独立が増えている形です。

特に今は"フリーコンサルエージェント"という案件紹介を行ってくれる事業者がいるので、独立して食べていくのに自分で顧客を持っている必要もなければ、何かしらの実績や豊富な経験も特段必要ありません。

フリーコンサルの落とし穴

ただし、フリーコンサルにも落とし穴があります。

それが"年齢の壁"です。

前提、フリーコンサルとして独立する20代半ば~30代前半の若手層は自分をはじめ、"コンサルタント"として食べていけるほど経験も知見もありません。

あくまで価値を感じてもらっているのは"フットワーク軽く手足が動かせる優秀な人材"という側面です。

※もちろん年齢に関わらず豊富な経験や知見を武器に活躍されている方もいらっしゃいます。

そのため、30代半ばから徐々にニーズは減っていき、40代に突入するとグッと需要が減っていきます。

発注者側から見ても、いろんなことを気軽にお願いしたいのに年齢が自分と近くなると依頼しづらくなるので、どうしても"年齢"がニーズを分けるポイントになってしまいます。

だからこそ、フリーコンサルとして活動していく上ではこうした"年齢の壁"を超える、あるいは回避するための人生戦略が重要になってきます。
この人生戦略なくして、とりあえず目の前の稼ぎに目がいってしまい、盲目的に楽な案件・単価が高い案件に入ってしまうと、40代になって人生が詰むリスクが上がってしまうかなと思います。

フリーコンサルの3つの人生戦略

20代半ば~30代前半の層が上記のようなにならないための人生戦略としては大きく3つあるかなと考えています。

①稼ぎ切る
②経験・知見の「幅」を広げる/「深さ」を掘り下げる
③フリーコンサル×スモビジ

①稼ぎ切る

1つ目が40代になる前に稼ぎ切るという戦略です。

フリーコンサルとしてフル稼働して、高単価案件を受け続ければ"稼ぎ切る"というのも十分可能です。

特に、今回の前提が「20代半ば~30代前半の層の独立」なので、40歳を向かえるまでに長ければ10年前後の期間があります。

フリーコンサルは通常月160時間を100%と定義して報酬が決まります。
160時間というのは1日8時間、20営業日です。ファーム時代を考えれば、1日12時間くらいは働けますし、土日も半分稼働することもできます。
そうすると稼働率は180%くらいまで引き上げられます。

100%稼働時の単価を150万円としても、180%の稼働率であれば月収は270万円になり、年収換算で3200万円程度。

超単純化するとこれを10年続ければ3億2千万円。しかもこれが早期に手に入るので資産運用に回すなどで"稼ぎ切る"というのが成り立ちます。それに40代以降も収入が突然ゼロになることは早々ないので、資産的なセーフティーネットを構築することができます。
(単純化するために税金などは未考慮)

別の言い方をすると、このくらい稼働を上げるという覚悟は必須であり、"楽したい"がフリーコンサルへの独立の動機の場合は矛盾してしまうかなと思います。

②経験・知見の「幅」を広げる/「深さ」を掘り下げる

2つ目は40代以降もフリーコンサルとして食べていくために、経験・知見を積み上げていくという戦略です。

今のフリーコンサル市場には、正直"コスパの良い"案件がたくさんあるので、そういう案件を積極的に受けて楽をするということもできます。

ですが、この戦略はその真逆をいく案件選びが必要になります。

経験・知見の「幅」を広げていくためには、自身が得意でないことや未経験の案件にも取り組む必要があるかもしれません。そうなると負荷は上がりますし、得意領域と比べて単価感は下げざるを得ないことも多いです。

また経験・知見の「深さ」を追求していく上では相応の負荷が伴いますし、「深さ」を追求することと高単価になることは必ずしも相関があるわけではない(※1)ので、同様にコスパ面を考えると簡単にできる意思決定ではありません。

※1:あくまで例えばですが、新規事業の中でも難易度が高いPJT(経験・知見の深さが求められる)よりも、DX戦略の中でも比較的難易度が低いPJTの方が単価が高いということがあったりします。

この戦略を実現する上では、「単価の高さ」「コスパの良さ」「楽さ」などを基準にその場その場で案件を選ぶということを脱却する必要があります。

③フリーコンサル×スモビジ

さいごがまさに僕らがとってきたもので「フリーコンサル×スモールビジネス(スモビジ)」という戦略です。

そもそも「フリーコンサル×スモビジ」というのは非常に相性が良い組み合わせだと思っていて、2つを組み合わせることで両者のデメリットを補完しあうことができます。

フリーコンサルは初月から安定したキャッシュフローがありますが成長性がありませんし(自分の工数がキャップになる)、かつ40代以降の将来性も低いです。一方のスモビジは最初キャッシュを生みませんが(むしろキャッシュが必要になりますが)相対的に成長性があります。

今回の本題である「フリーコンサルの人生戦略」として、「40代以降の将来性が低い」というのをスモビジによってヘッジすることができます。

一方で、この「フリーコンサル×スモビジ」という戦略において、そもそも稼げるスモビジを立ち上げるというハードルがあること以外に、よく躓くポイントというのがあります。

これは僕自身も体験済みの話なのですが「短期的な稼ぎに目が眩んでしまう」ということです。

独立仕立ての頃は「スモビジをやる!フリーコンサルの稼働は50-60%に抑える!」と意気込んでいても、スモビジが思うように立ち上がらない中で、毎日のようにエージェントから高単価が記載されいている案件情報の連絡が来ると、「ちょっと話を聞いてみようかな・・・」となり、気づけば「この期間だけ100%稼働しよう」と手を出したらさいご、どんどん沼にはまっていきます。

サラリーマン時代のボーナスのような金額が毎月振り込まれてきて、感覚も徐々にバグっていきます。当初は「月収80万円ほしい」と思っていたのが「月収120万円はないとな」と・・・どんどん当たり前のレベルが上がっていてしまいます。(数字はてきとうです)

一度沼にはまるとそこから脱することは容易ではありません。
サラリーマン時代、基本的に給与はあがることしかしないのに、それを大幅に下げるという意思決定はかなりの精神的なハードルがあります。

僕自身はなんとかその意思決定ができたから今があるのですが、一方で自分の周囲でその意思決定ができずにズルズル続けてしまっている人もいるので、本当に注意が必要だなと今でも思っています。

フリーコンサルというキャリアに興味がある方へ

僕自身、フリーコンサルとして独立してから自分の人生が不安になったことは多々ありますし、今も時折不安になることもあります。

数年間フリーコンサルとして活動した経験や、「フリーコンサル×スモールビジネス」を実践して実際に事業売却を経験してきたことで、自分自身と似たような不安や疑問を持つ人に対しては一定価値のある情報をお伝えできるかなと思います。

フリーコンサルというキャリアに興味がある方、もしくは今フリーコンサルとしてすでに独立していて今後どうしていくか悩んでいる方へ。

もし少しでも聞いてみたいことや、解消した点があればぜひTwitterにDMをいただけると嬉しいです。

これまでも多くの方からTwitterにてDMをもらってきているので、変な遠慮などは不要です。

少し余談ではありますが、なぜ僕が積極的に相談に乗るのかを補足しておきます。

(余談)僕が相談に乗る理由

僕が相談に乗る理由は、それが今すぐ直接的なメリットがなくても最終的に自分にメリットがあるからだと思っているからです。

なので、自分が提供できるものは積極的に提供していこうと思っています。

これまで数十人以上の相談に乗ってきましたが、こうした出会いから僕自身多くの学びをもらっていますし、以下のような実利に発展しているようなケースもあります。

・副業として自社事業をお手伝いしてもらう
・僕らのコンサル案件に参画してもらう
・顧客候補を紹介してもらう
・何らかの仮説検証のためにインタビューさせてもらう
・新規事業の案を壁打ちさせてもらう などなど

繰り返しになりますが、これはすぐに起こった話ではなく相談に乗ってから1-2年後に発展したような形が多いです。

とにかく言いたいことは、僕は僕のために多くの方の相談に乗ってきているので、その点一切遠慮なくご連絡いただけると嬉しいです。

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