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コンサル→事業会社→起業からの人生初の事業売却

人生初の事業売却が完了して少し落ち着いたので備忘的なメモを。

簡単な自己紹介とこれまで

僕自身は新卒で大手総合コンサルティングファームに入社して、その後大手事業会社を経て、大学時代からの親友と共同創業という形で起業しました。

共同創業者もコンサル出身ということで、起業と言っても50%くらいはフリーコンサルをやりながら、残り50%の工数でスモールビジネスを作っていくというスタイルでした。

「時間的×経済的な自由を最大化する」というテーマで、フリーコンサルとして一定の収入を確保しながら時間を創出して、その時間でより稼げる仕組み(=自社事業)を構築するこを志向していました。

そこから3年ほど経ち、私と共同創業者+業務委託数名という体制ながら、3つの事業を運営しながらある程度のキャッシュを生み、ある程度自由に生活できる状況を作ることができていました。

なぜ事業売却しようと思ったのか?

今回その中でももっとも売上が大きかった事業を売却することになりましたが、少なくとも1年前には事業売却するという選択肢は自分の中にはほとんどありませんでした。

その中で事業売却という選択肢が出てきた理由は、

①事業の中にはスモールで居続けられない事業もあり、僕らの事業がまさにそれだった

②このままの自分たちでは10年後、何の実績もない"小金持ちおじさん"になってしまうという危機感が強くなった

まず、①について。

事業はスモールビジネスとして中長期的に続けられる事業もあれば、成長して拡大していかなければ利益を出し続けられないような事業もあります。

僕らが手掛けていた事業は、成長して拡大していかなければ利益を出し続けられないような事業でした。

正直、そういう事業特性であるということは最初から分かっていたことではなく、運営していくうちに分かってきたことでした。

それこそ1年前は、利益もきっちり出ているし、既存の顧客を大事にしながら徐々に新規顧客を獲得できれば良いというくらいの目線感で運営していました。

しかし、徐々に同じ施策を打っても効果が落ちてくるのを体感して、色々調査していくと、Winner takes allとまではいかずとも、成長し続けている競合と沈んでいく競合が二分化されている状況でした。

じゃあここから自分たちもこの事業にフルコミットしていくかという問いと向き合った時に、「100%自分たちの強みを活かせるか?」という点で引っかかるところがありました。

またそれとは別の話が②で、スタートこそ「時間的×経済的な自由を最大化する」というテーマで走ってきた僕らですが、それを数年続けていると頭の片隅に「このままでいいのか?」と思ってしまう自分たちがいました。

このまま小金を稼げてなんとなくで過ごしていると、10年後にただの実績のないおじさんになってしまうという危機感が日に日に大きくなってきている部分もありました。

そんな悩みを抱えながら、いろいろな先輩経営者の方々に相談をしていく中で、「であれば事業売却して、心機一転自分たちの強みを100%活かせる領域で勝負した方がいい」とアドバイスを頂きました。

もちろん、ゼロから自分たちで立ち上げて、数年運営している事業なので、そう簡単に決断はできませんでした。

堂々巡りのような議論を繰り返し、何回も何回も結論を先延ばしにしていました。

最終的にはもう議論に疲れたところもあって、悩みに悩んだ結果、より高い目標を目指すために事業売却を進めることにしました。

スモールビジネス売却の流れ

という訳で事業売却に進むことになりました。

実際にどんな流れだったのかをざっとご紹介します。

①「買わせてよ~」とリップ・サービスがあった経営者へ打診
②M&A仲介会社と面談・選定
③必要情報の整備
④買い手候補者からの初期質問対応
⑤買い手候補者との面談・成約

まず、過去に「買わせてよ~」とリップ・サービスを頂いた経営者の方(×2名)に連絡を取り、打診してみました。

が、お二人とも「2人(僕と共同創業者)がセットならほしい」ということで断念。事業そのものにはあんまり興味がなさそうでした。

なので気を取り直してM&A仲介会社と3社ほど面談をしてみて、一番担当者の方が信頼できそうだなと思った会社にお願いすることにしました。

そこからM&A仲介会社から送られてくるヒアリングシートを埋めたり、財務データを整備したりという作業に取り掛かりました。

結構財務データの取りまとめが面倒くさくて、社内では管理会計的な形で管理・把握していたので、一からデータを集め直すという作業が発生しました。

それらが完了すると仲介会社が情報を発信して、買い手候補者からパラパラ質問が届くようになります。

質問に対して一つ一つ打ち返していき、回答を踏まえてぜひ買いたい!と言ってくれる買い手と面談(×2者)を行いました。

面談を通じていろんな疑問点の解消から、今後の事業の方向性などをざっくばらんに意見交換を行いました。

買い手の方とは成約したら「はい、終わり」ではなく、数ヶ月は引き継ぎ期間があるので、その辺の相性も踏まえて確認しました。(相手からも確認されていたと思います)

最終的にいろんな条件を踏まえて買い手の方を選定させてもらいました。(※現在は契約を締結して引き継ぎ中)

振り返って

今回の事業売却を通じて、反省と驚きがそれぞれありました。

反省については「事業にはタイミング」があるなということです。

前述の通り、僕らの事業は以下のような状況でした。

徐々に同じ施策を打っても効果が落ちてくるのを体感して、色々調査していくと、Winner takes allとまではいかずとも、成長し続けている競合と沈んでいく競合が二分化されている状況でした。

逆にそれまでは、事業はガンガン成長してましたし、その時にアクセルを踏んで組織を大きくする、或いはマーケ投資に打っ込むみたいな意思決定をしていればまた違った景色があったんだろうなと。

また、ピークとまではいかずとも「ちょっと成長鈍化してきたな」というタイミングで早めに売却に動けていれば間違いなくもっと高値で売れていたかなと思います。

※売り抜けられたという話ではなく、もっと早く売れればそれだけ買い手の方が打てる施策の数や、施策当たりの効果も大きく、結果として売却後の事業成長余地も大きかったのではという話です。

優秀な経営者の人は「事業撤退・売却の見極めが優れている」という話をどこかで聞いたことがありましたが、まさにだなぁと痛感しています。

また、驚きとしては「こんなにあっさり売れてしまうんだ・・・」ということです。

もちろん規模が規模というのはありますが、コンサルティングファームでDDをやってきた感覚から言うと、恐ろしいくらい短期間で物事が進んでいくので、売り手の僕らが「もっとこの辺とか確認しなくてもいいの?」と思ってしまうくらいでした。

実際にM&A仲介会社経由で情報を発信してから、1ヶ月も掛からずに売却までいきました。

今後について

さて、最後に今後について書きたいと思います。

「事業売却して心機一転自分たちの強みを100%活かせる領域で勝負する」という目的のもとで、今回事業売却を行いました。

このままでは10年後にただの実績のないおじさんになってしまうという危機感が日に日に大きくなる中で、特にここ1年くらいは「自分たちの強み」についてずっと考えてきました。

僕らの強みとしては、

・大手企業の新規事業立ち上げ支援実績がある(2人)
・事業会社で事業開発経験がある(僕)
・大手〜中堅企業のマーケ支援実績がある(共同創業者)
・自分たちでゼロから事業を立ち上げ事業売却した実績がある(2人)←New★

だと整理しています。

特に規模は決して大きくありませんが、「自分たちでゼロから事業を立ち上げ事業売却した実績」というのは、大きなピースであると思っていて、これからは「実践経験に基づき、事業立ち上げ~グロース支援までを一貫してハンズオン支援できるプロ集団」として戦っていこうと思っています。

正直、一時期は自分たちはクライアントワークは向いてないのではと思うこともありました。

しかし、なぜクライアントワークが向いてないのかを言語化しながら、フリーコンサルとして受ける案件の中で仮説検証していく中で、一言でクライアントワークと言っても、向いている形もあればそうでない形もあるという結論に至りました。

そして年明けからいろいろ売り込んだところ、大手企業の新規事業開発室への支援も決まり、ここからガンガン実績を積み上げていきます。

自分たちでゼロから事業立ち上げを行う中で、大手企業のアセット/リソースの凄さいうのは改めて感じているので、ワクワク感もあります。

一方で、僕らの強みは"実践経験に基づき"という点が大きいと思っているので、引き続き社内でスモールビジネスを作って売却していくという取り組みはしていきたいなと思っています。(とは言え足元はハンズオン支援に注力)

最後に

そんなわけで、今後は企業の新規事業立ち上げ・事業開発を支援することに注力していきたいと思っているのですが、僕らのリソースおよびケイパビリティは限られていることもあり、ぜひ色々な方々と連携しながらデリバリーしていけたらなと思っています。(企業経営者でも、フリーランスでも、副業でも)

本noteを読んで、

・すぐすぐ連携したい
・中長期的な連携を見据えて話をしてみたい
・連携とかは抜きに何となく話をしてみたい

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僕としては幅広いネットワークを作っていきたいと思っているので、ぜひぜひお話させてもらうえると嬉しいです。

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