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ゲーセンの営業ノウハウを記していく⑤

各ジャンルの深度と角度

はじめに

注意点(テンプレ)
1・(もちろんですが)元所属会社の営業秘密は記しません。
2・勤務していたのはコロナ前なので、現在には当て嵌まらないことも多いと思われます。
3・とはいえ、普遍的?な基礎の考え方や現状も鑑みて記事は書きます。
4・なるべく早いペースで書いていくため、文章が変だったりわかりにくい場合があるかもです。
  質問等はコメントにお願いします。なので、後日記事の修正が入り得るのでご了承下さい!
5・有料記事も含みます(読んでくれる人がいるのか・・・) 今回は無料ですー
以上ご留意のうえお読みください。

各ジャンルってなんだよ

ゲーセン内の各ジャンルといえば業界人はなんとなくわかるのですが、「プライズゲーム」「メダルゲーム」などの大きめの括りのことです。
で、これが各社によって色々と考え方や分け方があって、実のところ統一されたものはなかったりします。
が、最も店舗数が多かった、かつ毎月市場調査をしているセガのジャンル分けが業界的には標準的の分け方になるかと思います。
・プライズ (UFOキャッチャーなど)
・メダル  (メダル機、パチンコ・パチスロなど)
・ビデオ  (ビデオ基板・筐体、音ゲー、ドライブケームなど)
・シール  (いわゆるプリクラ)

大概問題になるのが、ビデオってなんだよ、ですね。
これ、モニターがあってそれに映される画像で遊ぶものが「ビデオ」なんですが、分け方が大きすぎるので、ビデオ・音ゲー・体感とかに分けられたりします。
ま、セガ基準で書いて、細かいところは補足する形にします。

深度と角度ってなんだよ

これは完全に私の造語なんですが(つい先週思いついた)、
深度はお金や時間を使われる量、を深さで表現したもの。
角度はそれがどのような広さで多くのお客様に広がるか。
蟻地獄を思い浮かべてもらいたいのですが(なぜかトップ画はすりばち)、
角度・広がりが浅くても、深いと地表の穴の部分は大きくなります。
深さが浅くても、角度があれば穴は大きくなります。
深さがなく、角度がなければ穴は小さくなります。
それと逆に、表面が大きな穴に見えても、実は角度が浅い場合があるし、角度が広くて深さはない場合がある。
角度=対象のお客様が広いということなので、ジャンル自体の角度が浅いのに広げる工夫をしても実は無駄で、深さがないジャンルで高単価を狙っても成功しない、ということになります。

プライズ

プライズはご存知の通り、ボタン2つ3つ押すだけの簡単なゲームなので、誰でもできます(楽しいかどうかは別ですが)。過去記事にも書きましたが、見返りも期待できるので、角度は超広い!!
けど深さは出しようがないんですよね。
たまに超人気で限定のフィギュアに何万円も使ったーという話もありましたが、あれも元の原価は法令内ですからね。
例えば今ならPS5を入れて、ゲットできるかも!?とやれば、短時間で何万円も入る、深いジャンルになるでしょう。でもそれ違法なんです・・・
なので、深さは考えるだけ無駄。角度が浅くていろんな人にヒットしやすいので、アイテムやプレイ料金、見せ方・ゲーム性でやってもらう人を増やすのがまず手を付けるところ!となります。

メダル

メダルはおじいちゃんおばあちゃんがやってたりするので、一見角度が浅そうに見えますが、実はそうでもありません。
これを読んでる方の中でも、メダルゲームに何万円も使う、という感覚がわからない方も多いのではないでしょうか?
また、業界関係者の中には、タダで遊ばせてみたけど、その人が次買ってるのを見たことがない、って経験をお持ちの方も多いと思います。
で、メダルは賭け枚数を理論値無限大にできますので、深さはとんでもなく深いです。月に何百万円(枚じゃなくて円です)も使う人もいるぐらいですので・・・
で、角度としてはエッジが立っていて、ギャンブルの賭ける・勝つ・負ける(いくら勝った・いくら負けた、ではなくて勝つ・負けるそのもの)に喜びを見いだせる人だけがハマっていくジャンルなのです・・・
まぁ近年はビデオゲーム感覚で100円で遊べるものも増えましたが。

ビデオ

ビデオは本来、メダルぐらい深いゲームだったと思うのですが、この深度・角度的に言うと、ビデオの深いところは家庭用ゲームもしくはスマホゲームのガチャなどに奪われてしまって、深さがなくなっています。
某社が某ゲームの家庭用を出した後に、ゲーセンはコアプレイヤーに向けて・・・というのを何度文句言っても変えなかったんですが、コアプレイヤーほどプレイ回数多いから家庭用遊ぶよ???
(突然ほとばしる怒り)
かつ、何も残らないゲームだけをするということに価値を見出す人もそもそも少ないので、今の客数になっているのではないかと思われます。
ビデオ内でも音ゲーはそこそこ深くて広めなのでまだ生き残っていますが、体感機などは深いところがごっそりなくなったので広さだけが取り柄です。

シールはまぁ書かなくていいかな・・・

キッズカードも含めて「ベンダー」という扱いにするほうがしっくり来そうですが、これもこれでキャラクターによって何もかもが違うので、この論にはそぐわないので割愛です!!

まとめ・集客を考える

まあそんな具合で、集客を考える際にも、深く掘った方が集客し易いジャンル、浅く広げた方が集客し易いジャンルというものがあるよ、という程度のお話でした。こう見ると、ビデオは構造的に集客しづらいのよね・・・
具体的に、広げるためには、このお客様向けが少ない、この料金の機械が少ない、などの見直しが必要。
深めるためには、深さの違いによってお客様への対応などを変える、浅いところから深いところに導くようなレイアウト、あるいはそのジャンルが少ないから揃える・・・など。やっていくことがいちいち違うので意識してやっていきましょう!

次回予告

来週は「集客からみた機械購入戦略」
ってかなり本題に入ってる感じのをやります!


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