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新型コロナウイルス流行下における熱中症応急処置の注意すべき点を紹介

梅雨明けを迎え、明日から日本列島は本格的な夏を迎えます。熊本では連日最高気温35℃予想となるなど、長期的予報でも今年は例年より気温が高いとされており、熱中症のリスクが格段に上がっています。今年の夏は外室自粛の影響で自宅にこもりがちの人が多く、運動不足が深刻であったり、体が暑さに慣れない状況が続いているため、熱中症の影響を非常に受けやすい状態となっています。

一方、新型コロナウイルス感染症は下に示す通り、熱中症と共通の症状が多くあることがわかってきました。

コロナと熱中症(背景あり)

しかしながら、対策や治療、予防の方法が全く逆であるという非常に厄介な状況となっています。医療機関としても隠れコロナウイルスとの区別がつきにくく対応に苦慮する場面が多くなってきました。
また、クラスター発生が多く報告されている学校や職場でも熱中症の発生が多くなると予想され、場合によっては熱中症で応急処置が必要となった人が、新型コロナウイルスの感染者である可能性も否定できなくなってきています。
今後、学校現場や職場で急増する熱中症の人に感染を予防しながら応急処置をするにあたって注意すべきポイントを下の図にまとめました。

応急処置

日本救急医学会などが、医療従事者向けに公開した「新型コロナウイルス感染症流行下における熱中症対応の手引き」によると、「扇風機による 蒸散冷却法(患者の体表を水などで湿らせた状態にして扇風機などによる送風を行い、気化熱で体の熱を奪うことにより体温を下げる方法)を行うと、体表から水分が蒸発して発生したエアロゾルの中に、体表面や呼気に存在するコロナウイルスが取り込まれ、扇風機により生じた気流に乗って、救急外来や病院内の広い範囲に拡散する危険性も否定できない。」(一部補足)と報告しています。

そのため、昨今のような新型コロナウイルス流行下で、熱中症で応急処置が必要な方を見かけたときは、熱が高かったり倦怠感もあるなどその方のコロナウイルス感染が陽性である事前確率が高いことになり、注意が必要です。特に、盲点として普段何気なく使っている扇風機・うちわ・ハンディファンの使用に注意が必要であると言えます。

暑い夏、感染が広がる夏に、感染をもらわないようにする慎重な視点が必要になっています。

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