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ネット通話アプリ「Discord」でメンタル系のコミュニティに入って僕が得たものと失ったもの

僕がDiscordを使い始めたきっかけ

Discordという通話アプリをご存知だろうか。
元はPCゲーマー向けにつくられた通話アプリである。
僕は2018年からリアルの友人とネットでやり取りをするためにこのアプリを使っている。
最初のうちはDM(ダイレクトメールのこと)で個人間のやり取りをするだけだったがある日「サーバー」というDiscord内のコミュニティの存在を知った。
面白いことにその中には僕のようにメンタルに問題を抱えている人向けのサーバーが存在していた。

「メンタルサーバー」に入ってみて

そもそも僕はほとんどSkypeなど他の通話アプリを使っていたわけでもなかったので最初VC(ボイスチャット)で通話するとき、それこそ未知の世界に飛び込むような感覚で物凄く緊張したのを覚えている。
しかしそれは杞憂だった。
みんなとても温かく優しく迎えてくれたのだ。
お互いがメンタルを病んでいる経験を持っていることもあり、変に構えることもなくリラックスして通話することができた。一日15時間通話を繋いでいたこともある。
メンタルを病んだ人間は往々にして社会との接点を築きにくいものである。僕にとってメンタルサーバーはリアルであまり持てなかった他人との接点をある意味で補完してくれていた。

メンタルサーバーで起こった色々なトラブル

当事者がこういうことを言うのも何だが、メンタルを病んだ人間と一口に言っても抱えている病気や事情も多種多様だし本当に様々な人がいる。
俗に「多重人格」とも呼ばれる「解離性同一性障害」の当事者とはネット上で初めて話した。正直な話最初は付き合い方が全く分からなかった上戸惑いもあった。
僕は発達障害を抱えているのだが、この病気に関しても自分より症状の重い人間や健常者と変わらないくらい軽い人もいた。
ひとつはっきりと言えることは癖の強い人間が多いということだ。その上で雑談系のコミュニティであることも災いしてトラブルは多かった。
途中から僕も管理者としてメンタルサーバーを運営してみたのだが、当たり前だが病んでいる人も恋愛をしたいわけで「出会い厨」と呼ばれるような異性との出会いのみを目的にサーバーに入ってくるような連中だったり、自身はメンタル系の疾患がなにもないのにからかい目的に入室してくるような人間もいた(もっとも、こういう連中もなにかしら「抱えている」のかもしれないが…)
僕がこういうトラブルのなかで1番嫌だったのが「引き抜き」関係の問題だ。
雑談系のメンタルサーバーは要は人がいないと始まらないし機能しないわけで、メンバーが定期的にVCに上がっていたり書き込みがなかったりすると「過疎っているな」と見なされ人が離れていく。
そのため自分のサーバーからメンバーを他サーバーへ引き抜くことを規約で禁止していたりよく思わないサーバー管理者は多い。
実は僕は某ゲームのサーバーも運営しているのだが、メンタルサーバーは特に引き抜き関連の問題で揉めていることが多いように感じる。

僕が得たもの・失ったもの

メンタルサーバーに入って自分の知らない病気の患者に対する認識や持っていた偏見が良い意味で変わったり、対応する能力が身についたように感じる。
あと何より会話の距離感というか、相手の顔が見えないので何を考えているかも分からないし、発せられた言葉から空気を読む能力が鍛えられたと思う。
ただ僕は少し「人疲れ」してしまったというか、あまりにも濃密な時間でもあったため疲弊してしまったように自覚している。
そりゃあそうだ、「家族」より話していたんだから…

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