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🇹🇼「その力がどこから来るか?んー、それは『使命』。自分がやらないといけないという覚悟です」
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陳鈺萍さん(チェン・ユピン)
台湾人。産婦人科医になった後、出産。8年間専業主婦として子育て。
その間、大学院で人文科学を学ぶ。卒業後、病院勤務しながら、個人事業としてカフェ併設の助産所「好孕助產所」を開設。自宅分娩もサポート。台湾で助産所を運営する初の産科医。
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Q、どんな子ども時代だった?
A、台湾南投県の山間部で生まれました。私は、自宅で生まれたんですよ。1974年生まれ。妹が2人いるんですけど、彼女たちは病院で生まれてる。ちょうど私が生まれたころ、台湾でも病院出産が増えて、自宅出産と半々になっていたんです。子ども時代は、田舎でのびのび育ちましたね。自転車で友だちと遊びまわっていました。
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Q、どんなとき、助産所を作ろうと思った?
A、ちょっとしんどい体験から、思い立ったんです。2014年かな。台湾の医学会と意見が対立したんです。台湾政府が、妊婦が自分たちの希望を医師側に伝える「バースプラン」を導入するよう提案したんですが、医師会は強く反対。私は「必要だ」と思ったので新聞に意見記事を掲載したんですけど、とても批判されました。
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当時、私は育児をしながら大学院で人文科学を学んでいたんですが、一連の騒動の中、「意見を戦わせるだけじゃ、何も変えられない。自分が妊婦の声を取り入れた出産の仕組みをつくって、その意義を信じてもらおう」と考えたんです。ここでは今、布団の上でもお風呂でも、自宅でも病院でも、ママが産みたい場所で出産できるし、リスクが発生しそうならすぐ医療機関で受け入れます。この仕組みがあるのは、台北でここ1か所だけです。増えてほしいですね。
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Q、スタートアップのとき、役に立ったアドバイスは?
A、台湾で前例がない事業だったから、誰にも聞けなかった(笑)。助産院を産科医が開くのは、台湾で私が初めてだったんです。参考にしたのはデンマークでした。デンマークでは出産における女性の権利を保障していて、助産師、産科医が連携して「どこで産みたいのか」「どう産みたいのか」という女性の思いに最大限寄り添います。そのあり方を、台湾に“輸入”しようと思ったんです。
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あ、併設したカフェは、日本をお手本にしました。友人が、日本の高齢者施設に併設されたカフェの情報を教えてくれて、それが役立ちました。台湾には、子連れでも気兼ねなくのんびりできるカフェがないんです。「リラックスできるカフェスペースが助産院にあったら、妊婦さんや家族にいい効果が期待できるのでは」と思って、作りました。思った通り、いい関係性を作るためにカフェは大活躍してくれています。
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Q、今までで最高の経験は?
A、赤ちゃんが生まれる瞬間です!!2016年に助産所オープンしたときから来ているママが、今4人目を妊娠中で。ここで産むママたちは、自分で産んだ達成感もあって、お産が終わると「また産みたい」って言ってくれます。赤ちゃんが生まれることは、ママにとっても私たちにとっても、すごく嬉しいことなんです。
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Q、最大の試練は?
A、コロナの影響で、助産院に来る人が減りました。昨年は、そもそもお産が減る「寅年」だったことも重なって、ちょっと経営は大変でしたね(笑)。もっとたくさんの女性に、この場所のことを知ってほしい。でもやっぱり、一番しんどかったのは、医師会と意見が対立した時ですね。プレッシャーが半端なかったです。
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Q、立ち直ったきっかけは?
A、新しい世界を知ったこと。助産院を開く前、デンマークに視察に行きました。デンマークでは、女性医師の方が男性よりも多いんです。なぜかと現地で質問したら、男性医師から「女性の方が優秀だからじゃない?」って言われた。台湾の医師会は男性中心ですけど、「女性にも大きな可能性がある」と信じられて、勇気をもらった体験でした。
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Q、自分の性格で1番好きなところは?
A、困難があったとき、最大限自分の力を出して乗り越えるところ。え、その力がどこから来るか?んー、それは「使命」。自分がやらないといけないという覚悟です。
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Q、世の中もっとこうなったらいいな、ということは?
A、男女平等になってほしい。若い人たちの中では、その価値観が芽生えています。台湾では、1989年まで、蒋介石が統治していて制限がたくさんありました。それ以降に生まれた若い人たちは、自分たちの考えを主張したり、いろんな情報を自分で調べたりできる。だから、これからの台湾、楽しみです!
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Q、これからの夢は?
A、助産所がもっと広まること。そして、何より、男性が発明した「分娩台」からお産を解放したい!女性たちが、自分が安心できる方法を自分で選ぶことができたら、お産はもっと幸せなものになります。
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陳鈺萍さんのリンク:
(HP) 好孕工作室
(facebook)好孕工作室
(Instagram)好孕工作室
翻譯: 黃晟恩
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