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留学先でパスポートを無くしたおはなし

こんにちわこんばんわ。ストマックエイクと申します。

なんでこんな名前かといいますと、
私の人生はいつも腹痛(stomachache)と隣り合わせだったからです。

腹痛と言ってもただお腹が痛いのではなく、過敏性腸症候群(通称:IBS irritable bowel syndrome)という精神的ストレスだったり、腸内環境の悪化のような体質的なものなどが原因で常習的にお腹が痛くなる症状です。

IBSは「完治」が難しいと言われています。
私はこの症状と20年近く付き合ってきており、克服しつつある状態です。

ブログを通して、同じ症状を抱えている人たちに、改善のノウハウやIBSとの付き合い方を届け、少しでも前向きになってもらえたらなと思っています。

さて、前置きが長くなりましたが、この記事ではIBS克服に効果的である「物事をポジティブに捉える」というテーマで、留学生活で経験したある出来事についてかいてみました(タイトルでネタバレ感ありますが)。

前回から少し話がつながっている部分がありますので、
もし気になる方は前回の記事もみていただけると嬉しいです。

前回の記事はこちら
https://note.com/hero_stomachache/n/n527ab7dad57d


私が経験した「人生最大の危機」

皆さんにとって人生最大の危機とはどんなことがありますでしょうか。
というか、IBSの症状をお持ちの方はむしろ毎日が危機だったりしますよね。通勤の電車の中、授業中、会議中。

もう四六時中が危機的状況の方もいらっしゃるかと思います。そんな私も過去は毎朝が“もれるかもれないか”の危機的状況で、毎日が本当に地獄の日々でした。

その様な日々をおくる私が、人生で最も危機的状況に陥った話をさせていただきます。

私は、高校卒業後にワーキングホリービザでカナダのバンクーバーに渡り、まずはアルバイトができるくらいの英語力を身に付けるために、最初の3ヵ月だけ語学学校に通うことに決めました。本当に英語ができなくて、クラス分けのテストでは最下位であろう凄まじい点数(TOEIC 235点)を叩き出し、最もレベルの低いクラスから学校生活をスタートしました。

「なぜそんな状態で留学したのか?」と過去の自分に問いたいくらいですが、“生”の英語いちから学びたかったからです(勉強が嫌いだったなんていえない)。

学校は最初の3ヵ月だけと決めていたので、そもそも留学資金もその分の資金しか準備もしてませんでした。学費は1ヵ月10万もする“校則が厳しい”で定評のある学校選んでいました。

しかし語学習得はそんなに甘くなく、授業が「アルファベットを覚えよう」から始まっている自分にはたった3ヵ月間で英語の履歴書(レジュメ)を書いて、面接をパスするなんて、到底無理な挑戦にも思いはじめていた私に、追い討ちがかかるのでした。

それは、パスポートの紛失です。

海外では、たばこと買う際にIDの提出を求められます。当時の私はたばこを買うためにパスポートを持ち歩いていました。落とした記憶もなく、おそらくどこかで盗まれた可能性が最も高く、大慌て。

パスポートが無くなるとどうなるのか、
まず、ビザがパスポートにくっついているので、ビザも失い、働くこと自体できなくなります。そして、再発行しない限り帰国もできません。

じゃあ、再発行すればいいじゃん!大使館ならなんとかしてくれるだろうと思い、そそくさに大使館へ駆け込みました。(この時はまだ事の重大さに気づいていませんでした)。

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誰も頼れない助けてくれない。やるしかない

大使館に到着し、スタッフ〜に紛失した経緯を話す。
「無くしちゃったんですね。警察署に行ってください」以上。
思ってもなかった回答に驚愕するのでした。

え?それだけ?警察署に行くのはなぜなのか問うと、
どうも、再発行にはポリスレコードが必要とのことで、警察署へは「無くした」ではなく「盗まれた」と伝えて事件にしてもらい、レポートを発行してもらってくださいとのこと。

当然、大使館がやるのではなく私自身でやらないといけないみたい。事態を甘くみていた自分がいかに“あまちゃん”であることに築くのでした。

でも、そんな事言われても私まだ「アルファベット勉強している」んですよ!なんて言えません。完全にオワタ\(^o^)/

しょうがない、「てめえのケツはてめえで拭え」とはこの事である。
言われた通り、ポリスレコードを発行しに警察署へ向かうのでした。

警察署の場所は少し街の外れにあり、近づくにつれて街の雰囲気が明らかに変わるのを感じました。明らかにホームレスの数が増え、手に変な色の粒を持ってるではありませんか。歯もみんなないし。嫌だ早く帰りたい。

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早く用事を済ませて帰ろう。もうビビりながら警察署へ入る。
そこにまず目に飛び込んできたのが数十センチもあるであろう防弾ガラスの向こうにいる警察署のスタッフ〜とその前に待つ長蛇の列の人々でした。

列に並ぶ事20分。
今まで道を聞くくらいしか現地の人と英語を話した事がなかったので、かなりドキドキの状態での中、自分の番が回ってきました。

「May I help you?」とスタッフ。
私はオドオドしながら、「I lost my passport」と答えるのでした。
その後の会話は覚えていません。
会話が全く続かなず、下がっての指示。でそのまま次の方へ。

まじか・・・。もう終わり?ポリスレコードは?当然もらえず・・・。

ええぃ!もう1回だ!と少しだけ緊張もほぐれ、再び列の最後尾へ。さらに20分後。「またお前か」と言わんばかりのスタッフ。
そんな顔しないでくれ。こわい早く帰りたい!でもポリスレポートだけはもらわないと。

が、全然ダメ!会話ができない上に、この分厚い防弾ガラスのせいで声も届かない。どうすりゃええの。

その日は諦めて、家に帰るのでした。悔しすぎる。

どん底からの這い上がり

それからというものの、パスポートがないとビザの再発行もできず、働くこともできず、貯蓄もなくなってしまい自分自身がホームレスになってしまうので、諦めず毎日警察署へ通うのでした。

数日通えば、情けでなんとしてくれるだろうと期待をよせていましたが、その想いも届かず。

ただでさえ英語できないのに、こんな短時間で一部始終話せとかできるわけないだろ!と怒りさえ覚えてきました。

一向に状況が変わらないので、何か工夫せねばと思い、
短時間で確実に相手に伝える方法はないかと頭を働かせるのでした。
そこで思いついたのが、5W1H。これしかない!

私が整理した5W1Hがこちら
When(いつ):  February 25(無くしたことに気づいた日)
Where(どこで):  Downtown(ダウンタウン)
Who(だれが):  I lost(私が無くした)
What(なにを):  My passport(自分のパスポート)
Why(なぜ):  Stolen!(盗まれた!)
How(どのようにして):  I don't know!(知らんがなw)

これを徹底的に相手に伝え、紙にも書いて何度も見せました。

すると「今までお疲れさん」とばかりの表情(そう見えた)をしたスタッフがいつもと違う反応を示したのでした。どうやら“効果はばつぐん”だったみたいだ。

それからなんと、1枚の紙を私に渡してくれ、念願の「ポリスレポート」を手に入れるのでした

これが、私の留学生活で一番最初の成果だったのです。
この警察署に通った約数週間は、学校の授業よりも何十倍も効果があり、おかげでボキャブラリーとスピーキングがぐんと伸びました

ゴリ押しもいいところですが、海外の公共機関は本当に塩対応なので、これくらい強く行かないといけないのかと学びもありました。

ピンチは最大のチャンス。全てはあなた次第

その後再び大使館へ行き、パスポートの発行を行い、移民局へ行きビザの発行を自分1人で行うことができ、時間はかかりましたが無事働くこともできました。

大袈裟かもしれませんが、もしかしたらパスポートを無くさなかったら、働くことさえできなかったかもしれません

私はこのように、いつも物事をポジティブに捉えるようにしています。じゃないと後味悪いし、良い思い出として心のしまっておきたいのです。

おっといけない!また腹痛と関係ない話を永遠にしてしまうところでした。
何が言いたいかというと、今現在もIBSで苦しんでいる方たくさんいるかと思います。苦しいですよね。わかります。私もそうでしたから。

でもIBSであるからこそ日常の行動が変わり、他の誰にもできない経験や、思ってもいなかったことに巡り合えたなど、ポジティブに捉えようと思ったら意外とたくさんあるもんですよ。

例えば私の場合だと、

・トイレの場所が察知できるようになった
・太りにくいので、いつもスタイルが維持できて羨ましがられる
・自分の腹痛事情に寄り添ってくれる彼女ができた(今の嫁との出会い)

などなど、今患っているIBSを“ポジティブ”に捉えるか“ネガティブ”に捉えるかは完全にあなた次第だと思います。どうせならポジティブに捉えた方が人生楽だと思うんですよね。

こう考えるようになって私の症状はだいぶ克服に近づきました
もし、お腹が痛くて毎日が楽しくない・お先真っ暗だと感じている方、一度IBSのおかげでプラスに転じたことを考えてみても良いかもしれません。

少しでもIBSがよくなりますように。

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